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コラム

親子でできる簡単手しごと♪子どもも喜ぶ「赤しそジュース」づくりのコツ【子どもの心を育てるレシピ vol.1】

子どもに「食」の大切さを伝えたいと思いつつも、日々忙しくてなかなか教える機会がないという親御さんも多いのでは? そこで、子ども料理研究家・武田昌美さんが、子どもと楽しくトライできて心も育てられるレシピ、料理を通して子どもが得られる学びについて、わかりやすく解説! 気負わず、自然と生活の中に取り入れられる簡単料理で、とっておきの親子タイムをお過ごしください♪

初夏の親子手しごと

「ママ、赤しそが売り始めたよ! 急いで買わなくちゃ! 」

6月下旬、八百屋の前を通りかかると今年初めての赤しそがお目見えです。
我が家は、娘が年少さんの頃から「赤しそジュース」を一緒につくっているので、今年で4年目。もうすっかり赤しその独特な風味と、爽やかな味に魅了されている娘は、八百屋に並ぶ赤しそを見つけて慌てています。

なんでそんなに慌てるかというと、赤しそが買えるのは期間限定。つまり“旬”の今しか手に入らないことを知っているからです。

一年中、さまざまな野菜が買える今、子どもにとって“旬のものをその時期に、目一杯味わう”という体験は、なかなかないのかもしれません。娘は、旬のうちに何回つくれるのか、と大慌てで「買って! 買って!」とせがんでいます。

さて、この赤しそ、見た目はちょっと地味な感じ。馴染みのない方はどうやってつくるの?という感じですよね。

赤しそジュースなんて手がかかりそうでハードルが高い……という声が聞こえてきそうですが、そんなことはありません! ざっくり説明すると、赤しそを洗って煮て、砂糖とお酢を加えて、冷やせば完成です。

実はとっても簡単なのに、なんだか“丁寧な暮らし”が味わえるおしゃれなジュースが完成します。来客時にさっと炭酸で割った赤しそジュースを「どうぞ」なんてお出しできたら……素敵です!

「赤しそジュース」のつくり方

それでは、早速つくり方をご紹介します。

まずは赤しそを洗います。
まず、ここでポイントが1つ! 水につける前に、赤しその葉っぱを茎から取って、洗ってください。

「ん?どういう意味?」と、なりますね(笑)。子どもにお手伝いで、茎から葉っぱを取ってもらうのですが、水分がついていると葉っぱが茎にくっついてしまい、その作業がやりづらいのです。

このポイントを守ることで小さなストレスがなくなり、作業のはかどり具合が全然違ってきますよ!
ちなみに茎を使わない理由は、えぐみが出て苦くなるからです。

次に茎から取った葉っぱを洗います。結構、砂がついていますので、何度も洗ってください。初めのうちは水が濁っていますが、だんだん綺麗になります。しっかり洗ってこそ、おいしいジュースが作れますよ。

水気を切ったら、大きめの鍋にドーンと入れて、水を入れます。沸騰して、5分経ったら煮出した葉っぱを取り出します。

ここで、子どもと一緒に、煮る前と後で葉っぱの色が全然違っていることを観察してみましょう。

煮出した鍋の中を見ると、「えっ!変な色……なんで?」となるかもしれません。

ですが、気を取り直して、砂糖を溶かします。砂糖の分量はご自身で調整いただいて大丈夫です。
でも、最初に砂糖を少なめで作って、子どもに「まずい……いらない」なんて言われるとちょっと残念なので、初回はレシピ通りの500gで作ってみるのがおすすめです。その後はどんどんアレンジして、ご家庭の味にしてくださいね。

さあ、次がクライマックス。リンゴ酢をこの変な色のジュースに加えます。
子どもを呼んで「今から魔法をかけるよ! せーの!」と、リンゴ酢を入れると……さっきまでの色が嘘みたいに鮮やかな紫色に大変身! 初めて見るときは感動しますよ。

これを耐熱容器に入れて冷やせば、おいしい赤しそジュースの完成です。冷蔵して、1週間ほどで飲みきってくださいね。

親子手しごとを通じて旬を学ぶ

子どもの小学校受験時のテストなどでも、「トマトは夏」、「大根は冬」のように食材の旬を問う問題がよくあります。

対策として、子どもは一所懸命に野菜や果物の季節を覚えていくと思いますが、その時に本人は“旬”というものを実感できているでしょうか。

トマトは夏のものだけど、秋だって冬だって1年中手に入ります。せっかく食べ物の季節を覚えるなら、旬の感覚も一緒に養いたいですよね。
旬の食べ物の、今が一番おいしくって、旬が終わったらまた1年後まで待つちょっとした寂しさ。それを体感するためにも、赤しそジュースづくりは貴重な経験だと私は考えています。

毎年親子で初夏に赤しそジュースをつくる。それが恒例の家族行事となって、楽しい親子の時間を過ごす。そして、子どもが大きくなった時、この時期に出回る赤しそを見かけて、幼い頃の記憶が蘇ってきたら、なんだか心がポッと温まりますね。

そんなことを考えながら、私は娘と今年もせっせと赤しそジュースを作っています。

武田昌美(子ども料理研究家)
リトルシェフクッキング(株)代表取締役。フランスで料理の修行をしていた父の影響を受け、幼少の頃から料理に興味を持つ。航空会社にて客室乗務員をしながら、各地の料理や文化に触れ、知識を深める。2人の子どもの親となり、多くの子どもたちに料理の楽しさ、食の大切さを伝えていきたいと強く願い、2017年より「ママも知らなかった才能が花開くクッキングスクール」をコンセプトにした料理教室『リトルシェフクッキング』を主催。保有資格は、フードコーディネーター、スパイスマイスター、食品衛生責任者。2019年3月、子どもが一人一人料理できる料理教室『リトルシェフクッキングEduCooking Lab』を東京都世田谷区にオープン。
【HP】https://little-chef-cooking.com/(ご予約はこちらから)
【Instagram】@masamis__kitchen
【ブログ】子ども料理研究家 武田昌美の食育ブログ
【クックパッド】武田昌美のキッチン

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