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コラム

手間は省くが手を抜かない!人気料理インスタグラマー・もあいかすみさんの「がんばらないごはん」のコツ

自宅で過ごす時間が増えたことで、自炊の機会も増えています。1日に3食、毎日のこととなれば、1回の調理にできるだけ手間をかけたくないと思うのは当然のこと。とは言え、食べられたら何でもいい! という妥協はしたくない! 今回は、そんな方のために、Instagramのフォロワー数約23万人の料理家・もあいかすみさんに、「がんばらなくてもできるごはん」のコツについて伺いました。

もあいかすみ流の「手間の省き方」

料理は手間ひまをかけないとおいしく作れない。そんなイメージを持つ方は意外と多いのですが、がんばらなくてもおいしい料理は作れます。私自身、OLをしながらInstagramで料理の紹介をしていたので、1品1品に時間をかけるということができませんでした。そんな私自身の経験から編み出した「手間の省き方」をご紹介します。

何でもレンチン!

卵やタラコなど、レンジ調理に不向きな食材はありますが、レンジで作れない料理ってほとんどないんです。ムラになってしまうという方もいらっしゃいますが、火が通りにくい食材は、1度に長時間レンジにかけるのではなく、数回に分けて加熱することで火の通りが均一になります。また、ぴっちりラップは水蒸気が中に溜まるので、短時間加熱の料理向き。私はレンジ調理で最後まで仕上げる料理が多いので、ふんわりラップがほとんどです。加熱のコツさえつかめば、何でもレンチンでおいしく作れますよ

なんと、この「八宝菜」もレンジだけでできちゃうんです!

カット食材を活用して、洗い物も少なく

作るときの手間をなるべく減らし、洗い物も極力出したくないので、カット食材を利用することが多いです。一人暮らしだと、野菜をまるまる買って余らせてしまうという方も多いと思うので、食材を無駄にしないという点でも、とてもおすすめです。野菜だけでなく、唐揚げ用のお肉や、カットしめじなどもそのまま調理できるので、便利ですよ。

作りおきも大量ストックもしない=買い物もラクに

実は私は食材を大量にストックしておいたり、冷蔵庫の中にあるものから献立を考えたりするのが苦手。作りおきをするのもあまり得意ではないので、その都度、必要なものを買って料理をすることが多いです。複雑な食材のやりくりや、献立考案がなくなると、結果的に、買い物もラクになりますよ

調理器具を少なくして、後片付けもラクに

1つの料理をつくるのに、フライパンや、お鍋などの大物調理器具が出てくると後片付けも大変。そこで私のレシピは、1つのボウルや、1つのフライパンで完結するように考えています。

「カルボナーラ」もレンチン一撃でできちゃいます!

料理が楽しくなる「万能調味料の使い方」

せっかく自炊をするなら、義務的に作るより楽しんで作りたいですよね。味付けが思い浮かばなかったり、失敗したくないときは、万能調味料を使って絶対失敗しない味付けがおすすめです。私は、「麺つゆ」「焼肉のタレ」「マヨネーズ」の3つが必須アイテムですね。

「焼肉のタレ」は、何にでも合うのでストックは欠かしません。「がっつり食べたいな」というときには、「焼肉のタレ」を使って味付けをすることで、一気にごはんが進む味付けに仕上がります。当然、お肉との相性は抜群なのですが、お豆腐や野菜との相性もいいんです! 茹でたほうれん草と「焼肉のタレ」を和えれば、あっという間に副菜のナムルが完成します。

「サーモンアボカ丼」の味決めは焼肉の タレだけでOKなのでラクチン!

「麺つゆ」は、さっぱりしておいしい味に仕上げたいときに活躍します。ごま油と混ぜて、香りづけをして使ったりもおすすめです。イチから全てを作るのではなく、それぞれの調味料の特徴を活かしてワンアクセントを加えて使うと味に深みがでます。

「麺つゆ」「焼肉のタレ」「マヨネーズ」も基本的にはそのままではなく、ごまや海苔などの乾物を足したり、バターやオイルなどを足して使ってますね。

その他に、簡単に作れるのにおいしく仕上げてくれる調味料として、豆板醬、にんにくのすりおろし、山椒、ナンプラーがあると便利です。また、和風系の出汁、鶏ガラ、コンソメと言った出汁類もおいしさのポイントになります。人間が舌から感じる味は、甘味、塩味、酸味、苦み、旨味の5種類です。塩味や酸味、甘みは、つけすぎてしまうと失敗になりますが、旨味だけは失敗にならないんです。なので、味見をして物足りないとかんじたときには、旨味を補強するのがポイント。旨味を足して仕上げると失敗しないんです。

簡単レシピはマンネリ化しやすい!?私の思う回避法

時短レシピ、簡単レシピは「マンネリ化しやすい」といういう話をよく耳にしますが、これもちょっとした工夫でマンネリ化を回避することができるんです。私がおすすめする方法としては、「味付けを変えてみる」というのがあります。同じ食材を使っていても、風味、味付け、香りを変えることで、全く違う1品に感じます。また、味付けは同じで食材を変えるというのもいいですね。いつもは鶏むね肉を使っているレシピに手羽元を使ってみるという変化でも、マンネリ化は防ぐことができますよ。

また、レシピサイトやレシピ本を見て情報を収集するのもいいですね。外食をしたり、デパ地下のお惣菜売り場を歩いてみると、「こういう組み合わせができるんだ!」という、自分にはない発想や、新しいレシピの発見がたくさんあるんです。

実は、盛り付けや器を変えることもマンネリ防止になります。私は最近、パステルカラーのお皿を使うことが多いんですが、真っ白いお皿よりも、盛り付けたときに華やかになるんです。また、お皿に華があると、普通に盛るたけでも料理が映えます。お皿の形でいうと、楕円形のお皿は盛り付けがおしゃれに仕上がるので、おすすめですよ。

『がんばらなくてもできる おいしい!すぐレシピ』では、もあいさんお気に入りの器も紹介されています。

おすすめの「失敗知らずの頑張らないレシピ」

オムレツにするのがたまに失敗しちゃうときに思いついたレシピです。片面焼くだけなので、技術いらずで便利な一品ですよ。味はめんつゆと牛乳を組み合わせて、和クリーミーに。マヨネーズが入ることによってたまごがふわふわに仕上がる効果もあり、コクもアップするので一石二鳥のレシピです。

しらすのオープンオムレツ

材料(2人前)

卵…3個
しらす干し…20g
青じそ…1枚
バター…20g

【A】
牛乳…大さじ2
めんつゆ(2倍凝縮)…大さじ1
マヨネーズ…大さじ1

作り方

1. ボウルに卵とAを入れて、溶きほぐす。
2. フライパンにバターを熱する。1を流し入れて菜箸で大きく混ぜながら半熟状に火を通す。
<仕上げ> しらすとちぎったしそをのせる。

手間は省くけど、手は抜かない!

「時短、簡単、がんばらない」―このワードだけを聞くと、料理の手を抜いていると思う方もいるかもしれませんが、私が考える「がんばらないレシピ」は、100点のものは100点で出すけど、その中で省ける手間は省いて行こうというものです。手を抜くというは、ラクをしたいということだと思うんです。 本当にクタクタな日は、お惣菜を買うこともあります。ただ、それをそのままプラスチックの容器から食べるのではなく、お皿に盛り付けたり、大根おろしを添えてみるとか、自分らしいアクセントは入れて「がんばらない」ことを楽しんでもらえると嬉しいです。

(TEXT:上原かほり)

もあい かすみさんの最新著書

MOAI's KITCHEN #OL仕事めし がんばらなくてもできる おいしい!すぐレシピ(KADOKAWA)

「Instagramのコンセプトをそのまま取り入れたレシピ本です。忙しい人が、簡単に時短で作れるおいしいごはんや、手間が少なくて簡単なものばかりを集めています。お仕事、家事育児で忙しい方、料理初心者の方にも見ていただきたいです。本の見やすさに一番こだわりました。4ステップくらいの工程で作れるレシピばかりで、できるだけ工程の写真も載せているので、見るだけでわかり、文字を読まずに時短で理解することができます。レシピだけではなく、買い物、下準備、後片付け、レシピを見るときまで全て時短を意識しています」(もあいさん)

Instagramで人気だったレシピには、QRコードがついていて、動画で工程をチェックすることができるとのこと! しかも、普段のごはんだけでなく、おつまみやスイーツも紹介されているので、内容盛りだくさん。ぜひチェックしてみてくださいね!

もあい かすみ

料理家/栄養士

幼い頃から食べることが大好きで料理だけは進んでお手伝いしていた幼少時代。高校生の時に重度の貧血を患い、食の重要性を痛感し、大学では栄養の道へ。「食」を通じて人々に幸せを届けたいという軸をもとに食品メーカーに就職し、全国チェーン店のレストランやテーマパーク、量販店のデリカなど、幅広い業態に向け、メニュー・調味料開発事業に従事。忙しく働きながら自炊してきた経験をもとに、インスタグラムで「OL仕事めし」をテーマとしたレシピを配信している。

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