【オーブンいらずでおいしいお菓子 Vol.3】お菓子作りにはオーブンが必要…というイメージを持っていませんか? この連載では、お菓子研究家の福田淳子さんがオーブンを使わない、おいしいお菓子の作り方を紹介します。第3回のレシピは、ひんやりおいしい「キウイフルーツのハニーレアチーズケーキ」です。
こんにちは。みなさんいかがお過ごしですか?
今年も梅雨のシーズンがやってきました。今日ご紹介するのはジメジメしやすいこの季節にぴったりの冷たいお菓子。さっぱりと、でも濃厚でクリーミィーな口当たりな「レアチーズケーキ」です。
生クリームを使わないのでお手軽、そして軽やか。秘密は水切りヨーグルト。しっかりと一晩かけて半分の重量にすると、ヨーグルト本来の爽やかさは活かされつつ、乳製品独自のおいしさが濃縮されます。ゼラチンは少し少なめ。でもその分口溶けがよくなめらか。キウイフルーツをトッピングすると涼しげなグリーンで気分も癒されます。
ヨーグルトやキウイの酸味と合うように、はちみつの甘さを加えています。チーズケーキ自体は少し甘さひかえめに作り、最後にさらにお好みではちみつをかけて食べられるようにしました。はちみつは甘味付けの他にも、艶出しの効果があります。キウイフルーツの上にかけるとキラキラと艶っぽく輝きます。
味はしっかりしているのにどこか軽い
ふわっとして、やわらかな口溶け
酸味と甘味のバランスが抜群
白と緑のコントラストが爽やか
よくあるスイーツこそ、そのレシピで出来上がりに差が出ます。
今回はおうちで食べる、この時期にぴったりな仕上がりをイメージしてレシピを作りました。ぜひ試してみてくださいね。
ヨーグルトの水切りは時間がかかるので、前の晩にしておくのがベストです。
ボトムのビスケットは麺棒を転がして細かくするといいでしょう。なければすりこぎや瓶などでも代用できます。クリームチーズをなめらかになるまでしっかりと混ぜてから材料を加えるのがダマにならないコツです。キウイは生地を流し入れる直前に切って貼り付けます。あとは冷蔵庫でよく冷やし固めます。
焼くチーズケーキは焼いてから一晩寝かせて、とよく言いますが、私はレアチーズケーキも作って一晩寝かせるのをおすすめしています。
ボトムがほどよく水分を含み、馴染んで全体の水分バランスがよくなるから。ケーキをカットしたときにボトムがバラバラとなりにくく、きれいにカットできます。もし、出来上がってすぐに食べたい場合はボトムスに牛乳大さじ1を加えて、少ししっとりさせるのがおすすめです。
今回はキウイフルーツで飾りましたが、トッピングは他のフルーツでも。季節やお好みによっていろいろ試してみてください。
<ボトムス>
マリービスケット…70g
食塩不使用バター…30g
<チーズケーキ生地>
プレーンヨーグルト…400g
粉ゼラチン…5g
冷水…大さじ3
クリームチーズ…200g
はちみつ…大さじ2
グラニュー糖…大さじ2
レモン汁…大さじ1
<トッピング>
キウイフルーツ…3〜4個
はちみつ…適量
1.前の晩にヨーグルトを水切りしておく。ザルにキッチンペーパーを4〜5重にしてのせて半量の200gになるまでしっかり水分をきる。
2.冷水に粉ゼラチンを振り入れてふやかしておく。クリームチーズは室温に戻し柔らかくしておく。
3.厚手の保存袋にビスケットを入れて、綿棒を使い細かくする。バターを電子レンジや湯せんで溶かし、加えて、ケーキ型の底に敷き詰める。ラップを使いしっかりと上から手で押さえて、平らにする。使うまで冷蔵庫で冷やしておく。
4.ボウルにクリームチーズを入れて、まずゴムベラでなめらかになるまで混ぜる。
*最初にクリーム状になるまで混ぜておくのがダマになりにくいポイントです。
5.4にはちみつ、グラニュー糖、レモン汁、1の水切りヨーグルトの順で加えて、その都度なめらかになるまで泡立て器で混ぜる。最後にゼラチンを電子レンジか湯せんで溶かし、混ぜ加える。
6.キウイは皮をむいて5mm幅に切り、型の側面にはりつけ、5の生地をそっと流し入れる。冷蔵庫で3時間以上冷やす。
7.6の側面に温めた布巾を巻いて、型からはずす。上面に薄く切ったキウイフルーツを丸く飾る。お好みではちみつをかけていただく。
お菓子・料理研究家。カフェでメニュー開発や店舗の立ち上げを経験後、雑誌や書籍を中心に活躍中。身近な材料と、シンプルな手順でおいしく仕上がるレシピに定評がある。これまでに手がけたお菓子の本は30冊以上。
【Instagram】@junjunfukuda