【プロがすすめるキッチンアイテム Vol.5】毎日の料理が楽しくなるアイテムを持ちたいと思うものの、どれをチョイスすればいいのか迷ってしまいますよね。そこで、素敵なうつわ・料理道具・食材を生み出しているクリエイターさんに、おすすめの品と楽しみ方をお聞きしました。第5回目の今回は、沖縄県読谷村でうつわ作りをしている「180+(ワンエイティ プラス)」のポープ奈美さんにお話を伺いました。
−−カラフルで可愛らしいやちむんを作っているポープ奈美さん。初心者でも使いやすいおすすめのうつわはありますか?
自分で作っている「ちょこっと小鉢」は、ほぼ毎日使っていますね。
口径9.5cmの深さのある小鉢なんですが、豆腐や酢の物などの副菜を盛り付けたり、餃子のたれ皿や朝のフルーツ皿として、さまざまなシーンで使えます。
2人子どもがいるんですが、あまり食べない料理も小鉢に少しだけ入れると食べてくれるんです。
ワンプレートにする際も、子どもたちは盛り付ける料理の味が混ざるのが嫌なようで、「分けて入れて!」とリクエストがあるので、ちょこっと小鉢が活躍してます。
−−使い回せるのはいいですね! 小鉢のどんな特徴が使いやすいのでしょうか?
小鉢に深さがあると、使い道が広がりますね。あとは家族分の枚数があっても、重ねたらかさばらないないので、片付けが簡単です。
夫がアメリカ人なんですけど、初めの頃は小鉢や豆皿を見て、「何に使うの?」って不思議がっていました(笑)。
確かにアメリカの料理は、ちょこっと小鉢サイズには収まらないですよね。日本の家庭料理なら、ちょこっと小鉢サイズ、豆皿サイズは出番が多く使いやすいと思いますよ!
−−では、大きめのうつわで使い勝手の良いおすすめのうつわはありますか?
大きめなら5寸鉢がおすすめです。沖縄の陶器は、大きさをcmではなく寸で測ることが多いんですが、1寸約3cmなので、5寸なら15cmほどです。
うつわ作りを始めた頃からずっと作っている形ですが、至ってシンプルな、浅めのボウル型です。
お昼ご飯に、5寸鉢にご飯と炒め物などを一緒に盛り付けて丼もののように使ったり、夕飯の時には子どもが取り皿として使っていますね。
子どもの取り皿としては大きめですが、深さもあってこぼれにくいので、のびのびと食べている感じがします。
−−作り手である奈美さんおすすめのうつわの使い方があれば教えてください!
プレートにカップや小さなお皿を重ねる使い方は、自宅でもお店のような雰囲気が味わえて新鮮かと思います!
私が作ったうつわをお店で使ってくださるベーグル屋さんがあるのですが、以前オーバルプレートに、ベーグルとカップに入ったスープをのせて出してくださったんです。
すごく素敵な提供の仕方で、「こういう使い方もできるんだ!」と、発見があって嬉しかったですね。
それからは自宅でもオーバルプレートにカップと、パンや焼菓子を乗せて、ソーサー代わりに使ってます。
購入者の中には、大きなプレートに豆小鉢や豆々皿をのせて使ってくださる方も多いです。
−−食卓が一気におしゃれになりますね!
同じメニューでもあえていつもと違うお皿に盛ってみると、雰囲気が変わって楽しいですよね!
私は自分でカフェオレボウルという名称で作っているうつわに、名称に反してアイスやつけ汁を入れて使っています(笑)。
作り手もこんな感じで使っているので、うつわの名称にこだわらず、自由に楽んで使ってもらえると嬉しいです。
他にも、そばちょこをデザートや小鉢代わりに使ったり、口の広めなスープカップにサラダやシリアルを入れて食べていますよ。
Instagramなどで他の方の盛り付けやうつわ使いを見てると、たくさん発見があって、勉強になります。
−−うつわ購入の失敗談として、買ったけれど活用できない話を聞きます。うつわ選びのコツがあれば教えてください
私も買ったのにほとんど使ってないうつわ、今でもあります(笑)。
物作りをしていますが、自分はあまり物を持ちたくないなと思います。
なので、たくさん活用できそうな物、長く使える物、あとは本当に気に入った物を選んで、大切に、でもバンバン使うことにしています。
でも使いやすさを超えて、「わー!これ好き!」といううつわに出逢えたら、そのうつわを使うためだけのメニューを考えます(笑)!
他にコツと言えば、既に持っていて、よく使っているうつわやコップなどの食器を観察してみるのがおすすめです。
手触りや口当たり、重さや大きさなど、なんで自分にとって使いやすいのかを考えてみると、好みの傾向がわかり、次の買い物に役立つかもしれません。
−−確かに、自分なりの使いやすい理由や傾向を知ると失敗しにくいですね
そうですね。重ねやすいから、持ちやすいからなど、何かしらの理由はありそうですよね。
作り手としても、使うシーンを考えて、出番が多く、長く使ってもらえるうつわ作りができたらいいなと思っています。
できるだけ欠けにくくなるようなデザインにしたり、シンプルなものを丁寧に作ることを心がけていますね。
日々の暮らしの中で自由に、たくさん使ってもらえたら嬉しいです。
(TEXT:小菅さちえ)
2003年沖縄に移住。約5年間、読谷村やちむんの里で見習い。2010年、180+として器作りを開始。その後長い育児休業状態を経て、2018年、読谷の小さな自宅工房で器作りを本格的に再開しました。これまで長いこと、目の前のことだけを追いかけてきた感じがします。これからは広く周りを見ていきたいと思っている今日この頃です。
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