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コラム

【ファヒータの作り方も伝授】アメリカで大人気「テックスメックス料理」はアウトドアにも使える!

【アメリカの最新ごはん事情vol.1】1989年に渡米し、「セレブ御用達プライベートシェフ」としてアメリカで料理を作り続けてきた明比玲子さんに、日本ではなかなか知ることができないアメリカの食事情を教えてもらいます。第1回目のテーマは「アメリカのアウトドア料理」。日本ではアウトドアブームが加熱していますが、アメリカではどんな風にアウトドアを楽しんでいるのでしょうか?

雪が積もっていてもBBQ!

バーベキュー(Barbecue=BBQ)をおうちでやりますか?日本では手軽にやるイメージがないかもしれませんが、アメリカ人はバーベキューが大好き!

アメリカでは、郊外に住んでいて、家の庭にグリルがあれば、1年中バーベキューができるので、友達が集まる時・家族が揃う時・料理をしたくない時など色々な場面でやります。料理するのが面倒くさいけど材料が揃っている時は、「グリルで焼いちゃうわ」とラフにバーベキューを始めるくらい身近な存在です。

ちなみに、私の友達のご主人は、たとえ雪が積もっている日でも、魚や肉をバーベキューグリルで焼いています。

アメリカでバーベキューを楽しむ季節は「夏」

1年を通してバーベキューを楽しんでいるとお話ししましたが、実は、アメリカでバーベキューは「夏の風物詩」です。アメリカの夏というのは、2つの祝日によって決まります。

5月最後の月曜日(メモリアルデー) から始まり、9月最初の月曜日(レイバーデー)でオフィシャルに終わるのです。どちらも金曜日から月曜日まで休めば4連休になるため、みんなが楽しみにしているホリデーです。

そして、夏の祝日は、必ずと言っていいほどバーベキューをやります。メモリアルデー、独立記念日、レイバーデーや、祝日でなくても週末は誰かが「BBQをやるからうちに来ない?」と必ず声がかかります。

ただし、1年を通して比較的暖かい州は、バーベキューを夏に限らずやりますが、ニューヨークなど冬に寒くなる地域は、必然的に寒くなるとやらなくなります。

アメリカ人が好む「バーベキュー料理」

さて、前置きが少し長くなってしまいましたが、今回は、普通のバーベキューから抜け出した「ファヒータ」をご紹介しようと思います。

「ファヒータ」とは、アメリカのテキサス州で独自にアレンジされたメキシコ料理「テックスメックス料理」の1つ。あらかじめマリネしておいた肉をグリルして、炒めた野菜と一緒に、トルティーヤに包んで食べる料理です。

本来、肉は牛肉のハラミしか使わなかったのですが、近年は鶏肉や豚肉でも作ります。ちょっとオリジナルからは外れますが、魚や海老などを使ってもよいでしょう。

近年流行りの糖質制限をなさっている方は、トルティーヤの代わりに、レタスをざく切りにした上に具材を乗せて食べても、サラダのようになって食べ応えがありおいしいです。

アメリカ人は、好き嫌い・アレルギー・ダイエット法等が人によってまちまちなため、料理を準備するのがとても大変なのですが、ファヒータは材料を並べておけば、自分で勝手に好きなように食べられるので、便利な料理です。

気になるファヒータの作り方

材料(4~5人分)

・ハラミ肉... 600g

[マリネ液]
下記の材料全て、フードプロセッサーかミキサーにかけて保存袋に入れる。
・オレンジ ...1個 (絞っておく)
・ライム ... 1個 (絞っておく)
・オリーブオイル...大さじ2
・ガーリック...大1片
・パクチー (刻む)...大さじ2
・クミンパウダー...小さじ1/2
・塩... 小さじ1/4強
・チポトレ ペッパー...大1つ

チポトレ ペッパーとは、チポトレアドボというスパイシーなトマト缶詰に入った青唐辛子のこと。この缶詰はネット通販でも買えますが、どうしても手に入らなかったらチリパウダーを使いましょう。ただ、スモーキーさに欠けるのでチポトレアドボを使うことをオススメします。

[野菜]
野菜はすべて細切りにして、炒める。
・パプリカ...2〜3個
・玉ねぎ...大1〜2個

[その他]
・トルティーヤ...1〜2パック
以下は、お好みで食べる時に足してください
・ライム
・パクチー
・ガッカモーレ
・ピコデガヨ

作り方

1.マリネ液に2〜4時間、肉を浸し冷蔵庫に入れる
2.野菜を炒める
3.焼く30分前に、肉を冷蔵庫から出しておく
4.焼く準備ができたら、マリネ液から肉を取り出し、肉の周りについているスパイスを落として、ペーパタオルで軽く拭いてから焼く
5.焼き上がったら、アルミホイルを被せて10分ほど休ませる
6.休ませている間に2.の野菜やトルティーヤを温める
7.肉をスライスして、野菜を添えてできあがり

トルティーヤは、直火であれば1枚ずつ温めてアルミホイルで巻いておくと、冷めにくいです。家で温める場合は、何枚か一緒にアルミホイルで巻いて、オーブンで温めると良いですが、時間がなければ電子レンジで1枚10~15秒ほど温めてもOK。

トルティーヤがもっとおいしくなる魔法

これだけでも十分においしいですが、ガッカモーレとピコデガヨがあれば、さらにおいしくなりますよ。

緑色の小鉢がガッカモーレ、赤色の小鉢がピコデガヨ

【ガッカモーレのレシピ】

下記の材料を全てよく混ぜ合わせます。完成したら、変色を防ぐためにガッカモーレにピッタリとラップをして保存しましょう。できる限り、食べる直前に作ることをオススメします。

材料
・アボカド(粗めに潰す)...1個
・玉ねぎ(みじん切り) ...約大さじ1~2
・ハラペニョンペッパー(みじん切り)...普通サイズ1個
・パクチー(粗みじん切り)...約大さじ1
・ライム汁...半個〜1個分
・塩...適量 (ちょっと多めかなと思う方がおいしく仕上がります)

【ピコデガヨのレシピ】

下記材料をよく混ぜれば完成です。トマトの大きさに合わせて、材料の量は調整してください。好みもありますし、酸っぱさ加減、塩加減など、ご自由に合わせてください。

材料
・よく熟れたトマト...大1個
・玉ねぎ(みじん切り)...約大さじ1〜2
・ハラペニョンペッパー、又はセラーノチリ(みじん切り) ...普通サイズ1個
・パクチー(粗みじん切り)...約大さじ1
・ライム汁...半個〜1個分
・塩...適量 (ちょっと多めかなと思う方がおいしく仕上がります)

ハラペニョンペッパーやセラーノチリを使うことで2つの料理は辛く仕上がっています。この食材が辛い理由は、種と中の白い筋にあります。これらを取り除けば、ほとんど辛くなく風味だけが残ります。反対にスパイシーにしたい人は、これらを除かなければ良いです。

外で味わうファヒータは格別の味

この料理は家でも作れますが、やはり、外で直火を使って焼いた肉は程よく香ばしく焼けて、家で作ったものとは全く違う風味が楽しめます。

テックスメックス料理はアメリカでとても人気がある料理で、日本人の口にも合います。特にファヒータはアメリカ人の大好物です。1つだけ気をつけなくてはいけないのは辛さです。お子さんがいらっしゃる場合、辛さに気をつけて調整してください。

日本のバーベキューは、どうしても醤油味が多くなるかと思うので、アメリカンな料理でいつもと違うバーベキューを楽しまれてはいかがでしょうか?今は難しいですが、外で楽しめる日が来たら、いつもとはひと味違うバーベキューになることを願っています。

メイン画像提供:Adobe Stock

明比玲子

兵庫県芦屋市生まれ。1989年に渡米し、ニューヨークのシェフ養成学校で学んだ後、本格的に料理に取り組む。著名レストランでパティシェとして経験を積み、アメリカ人と日本人に料理とお菓子の指導も行う。日本の料理雑誌への寄稿やフードスタイリングも行いつつ、2008年からは、コンサルティングの仕事なども兼ねながら、ニューヨークセレブのプライベートシェフとして、活躍中。
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