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コラム

有元葉子さんが提案「さもないおかず」こそが食卓の中心にあるべき理由

【今週のおすすめの一冊 vol.36】編集部が特に「おもしろい!」と注目した料理にまつわる本をピックアップし、気になる中身をダイジェストでお届け。今回は『有元家のさもないおかず』(三笠書房)についてご紹介します!

有名料理家が提案する、ふだんにぴったりのおかず本

著者の有元葉子さんは、素材の持ち味を生かし、余分なものを入れない引き算の料理が人気の料理研究家です。心と体が納得するシンプルなおいしさを追求したレシピをまとめた著書を多数出版し、調理道具のプロデュースや料理教室の主宰など、幅広く活動しています。

そんな有元先生の新刊は、あるものでサッと作る「さもないおかず」をまとめた一冊です。

有元先生の考える「さもないおかず」とは

「さもない」とは、たいしたことはない、どうってことはないという意味の言葉です。 冷蔵庫や食品庫にある食材を使い、サッと作るおかずを、本書では「さもないおかず」と呼んでいます。

長ねぎのしっぽや油揚げの残りなど、一見してそれだけではおかずにならなそうな食材を、どうおかずに仕立てようか?と考えることで、「できない」を「できる」に変える力が生まれます。 普段の「さもないおかず」の引き出しがあればあるだけ、料理力が身につき、家のごはんを支える柱となるのです。

また、有元先生ご自身の経験として、お母様の作っていたさもないおかず「いんげんおかか」は、今でも記憶に鮮明に残っているそう。 ありふれた食材を家族の好みに合わせて調理した「さもないおかず」こそが、家族の記憶に残っていくものになるのかもしれませんね。

材料はわかめだけ!さもないおかず「わかめ炒め」

ここからは、本書より「わかめ炒め」のレシピをご紹介します。 乾物入れに残っている乾燥わかめがあれば、それが今回のレシピの主役になります。

サラダや酢の物でおなじみのわかめを野菜のようにたっぷりと使い、オリーブオイルとにんにくで炒めた一品で、わかめのシコシコッとした歯ざわりと、磯の香りが楽しめますよ。

わかめ炒め

材料(2〜3人分)

乾燥わかめ……20g
にんにく……1〜2かけ
オリーブオイル……大さじ1〜2
しょうゆ……少々

作り方

1. わかめはたっぷりの水につけて戻し、しっかりと水気を切る。わかめを広げて重ね、ざく切りにする。にんにくはみじん切りにする。

2. 中華鍋または深めのフライパンにオイル、にんにくを入れて熱し、にんにくが香ばしくなるまでよく炒める。

3.わかめを加えて炒め合わせ、鍋肌からしょうゆを加えて混ぜ、香りと味をつけて完成。

さっと炒めるだけなので、すぐにできて「あと1品」にもぴったり。 有元先生はご飯に乗せたり、炒り卵と合わせて楽しんでいるそうです。お作りになった時は、ぜひこちらの食べ方もお試しください。

本書では、有元先生の考案した「さもないおかず」レシピが62品収録されています。 わかめ炒めのような副菜のほか、メインになる肉や野菜のおかず、ご飯ものなどもあり、それらを組み合わせて作るお弁当やワンプレートのアイデアも掲載されています。

思い出の「いんげんおかか」のレシピも収録されていますので、気になった方はぜひ本書でご確認ください。

(撮影:木村拓)

有元家のさもないおかず』(三笠書房

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