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コラム

流行りのオーツミルク、アーモンドミルクなどの「植物性ミルク」で美腸ライフ!

食と健康のエキスパート・管理栄養士の藤橋ひとみさんが「腸活」に関する豆知識をお届けする連載。「腸」は美容・健康の鍵を握る臓器。様々な心身のトラブルの解消のために日々の食生活の中で継続して実践できるメンテナンス術を分かりやすくご紹介していきます。

ここ数年、ダイエットや美容に関心が高い女性を中心に植物性ミルクブームが起こっています。近年増えている食物アレルギーのお子さんを持つご家庭でも、牛乳の代替品として活用されていることも多いようです。今回は、そんな植物性ミルクと腸活との相性や、選び方のヒントをお伝えしていきます。

流行りの“植物性ミルク”って、そもそも何なの?

植物性ミルク(プラントベースミルク)とは、穀物や豆、ナッツ類などの植物性の食材から作られるミルクのことを言い、食材を細かく砕いて成分を水で抽出して作られています。日本で最も馴染みがある植物性ミルクの代表格は豆乳ですが、その他にもお米から作られるライスミルク、タイ料理などでよく使われるココナッツミルク、少し珍しいものではカシューナッツミルク、マカダミアナッツミルクなど、さまざまな植物性ミルクが流通しています。
近年、健康志向の高まりやビーガンなどのライフスタイルの変化を背景に、牛乳の代替品として人気を博しており、世界中で植物性ミルクの消費量が急増しているのです。

人気の3大植物性ミルクと美腸ライフとの相性はいかに!?

これまでの連載でもお伝えしてきましたが、腸活において積極的に摂りたい代表的な栄養素は食物繊維です。牛乳には食物繊維は含まれていませんが、植物性ミルクに置き換えることで、効率的に摂ることができるのでしょうか?

スーパーやコンビニでも入手しやすく、大手チェーンのカフェでもラテを注文できるほど、日本で広く流通している植物性ミルクの人気TOP3と言えるアーモンドミルク、オーツミルク、豆乳について、腸活との関係性を紐解いてみましょう。

1)アーモンドミルク

名前の通りアーモンドから抽出した植物性ミルクで、比較的カロリーが低くビタミンEが多い特徴があることから、美容に関心の高い女性から人気を集めています。カルシウムやマグネシウムといったミネラルも豊富です。中でも栄養学的に注目すべき点は、抗酸化作用をもつビタミンEの含有量で、コップ1杯(200g)で成人女性の1日の目安量を摂ることができます。ただし、腸活において積極的に摂りたい食物繊維は、この3つの中で特別多いわけではありません。

植物性ミルク全てにおいて言えることではありますが、牛乳など動物性食品に比べると動物性の脂肪・たんぱく質といった腸内環境を悪化させる方向に影響するものが含まれていないため、腸活との相性は良いと言えるでしょう。

2)オーツミルク

オーツ麦を原材料に作られる植物性ミルクで、最近のオートミールブームからの流れで、注目を集めています。この3つの中で最も炭水化物が多く、食物繊維も多く含まれる傾向がある点が腸活において好ましい点で、腸活との相性が特に良い植物性ミルクと言えます。

3)豆乳

お馴染みの豆乳は大豆を原材料に作られる植物性ミルクで、日本でも長らく愛飲されてきました。牛乳とほぼ同量のたんぱく質を含みながらも比較的低脂質で低カロリーな点からヘルシーな牛乳の代替品として人気を集めています。
しかし、一般的な豆乳の場合は大豆を絞る工程で食物繊維がおからの方に残ってしまうことから、豆乳にはあまり食物繊維が含まれていないのが腸活的には残念な点です。最近は大豆丸ごとを微粒粉にして作られる “丸ごと大豆の豆乳”も店頭に並ぶようになりましたので、腸活を意識して食物繊維を摂りたい場合は、そのような商品を手にとると良いでしょう。

3つの植物性ミルクと牛乳の栄養素を比較した一覧表を下に示しますので、選ぶ際の参考にされてみてくださいね。
※3大栄養素と特に注目すべきビタミン、ミネラルのみの値です。

【100gあたりの栄養価の比較】

(a) USDA Food Data Centralより
(b) 文部科学省, 日本食品標準成分表2020年版(八訂)より

お気に入りの植物性ミルクで美腸ライフを楽しんで

流行りの植物性ミルクは、全体的に腸活との相性も良い食品と言えるでしょう。なかでも特に食物繊維が多いのがオーツミルクですが、含まれる栄養素の視点からはそれぞれ良い特徴がありますので、飲むシーンや気分に合わせてお好みの植物性ミルクを選び、美腸ライフを楽しんでください
ただし、どんなに健康的だと感じる食品でも、そればかりを飲みすぎてしまうと健康に悪影響を及ぼす可能性もありますので、飲みすぎないよう量はほどほどにしてくださいね。

管理栄養士 藤橋ひとみ(ふじはし・ひとみ)

株式会社フードアンドヘルスラボ 代表取締役。フリーランス管理栄養士として、商品開発やレシピ開発、コラム執筆やメディア出演、コンサルティング等、幅広く活動中。同時に、東京大学大学院にて医学博士取得を目指し、栄養疫学の研究に取り組んでいる。豆腐や豆乳、ソイオイル、味噌など、大豆関連の資格を多数所有し、大豆や腸活分野の専門家として活動する中で、最近は日本人が不足しがちな食物繊維の宝庫である「おから」に注目し、有効活用できる方法を広げる活動に注力している。著書「おいしく食べてキレイになる!おから美腸レシピ(ベストセラーズ)」

●所有資格
管理栄養士、調理師、製菓衛生師、豆腐マイスター、食育豆腐インストラクター、豆乳マイスタープロ、おから味噌インストラクター、ソイオイルマイスター、おから再活プロデューサー、インナービューティープランナー、ほか

【ホームページ】https://is-food-health-labo.com/
【ブログ】https://ameblo.jp/hitomi880807

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