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コラム

野菜博士・緒方湊くんが指南!「とうもろこし」の甘さを最高の状態でキープする保存法とは

甘みたっぷりでおいしい夏の風物詩「とうもろこし」。焼いたり茹でたりしてそのまま食べるのはもちろん、とうもろこしご飯にしたり、天ぷらにしてもおいしいですよね。でも、たまに「いまいち甘みが足りない」「少しパサパサする」と感じるときってありませんか?実はそれ、保存方法が間違っているのかもしれません。ということで今回は、野菜博士・緒方湊くんに「とうもろこしの甘さをキープする方法」について聞いてみました。

おいしさをキープする「とうもろこしの保存法」

多くの人はそのまま常温で置いておきがちですが、実は加熱してから冷蔵庫に保存するととうもろこしの甘さをキープすることができるんです。おすすめの加熱方法はこちら!

1.茹でるもしくは蒸す

とうもろこしは収穫後24時間たつと、糖度が半分になります。そのため、できれば買ったその日に食べるのがいいでしょう。でも、大量に手に入ったときは一度に何本も消費するのは無理ですよね。そんなときは、皮を1〜2枚残したままゆでる、もしくは蒸すなど加熱してからラップに包んで冷蔵庫へ。2日ほど保存ができます。水から茹でるとモチモチ食感に、お湯から茹でるとシャキッとした食感に仕上がるので、お好みの方法をお試しください。その際に、4%の濃度の食塩水でゆでると実がシワシワになるのも防げます。

2.レンジで加熱する

茹でる、蒸すのほかに電子レンジで加熱するのもおすすめです。電子レンジの場合も、皮を1〜2枚残して500Wで5分ほど加熱すれば、皮がラップ代わりになって水分とうまみが逃げずにみずみずしさをキープすることができます。

加熱してもおいしさは逃げないの?

心配ありません。加熱をすることで鮮度をキープでき、粒がシワシワになるのを防ぐことができます。茹でた後はしっかり水を切って、すぐにラップで包みましょう。そうすることで、みずみずしさや香りもキープすることができます。

冷凍保存も便利!料理にもすぐに使えます

僕はたくさん収穫したり、購入したりした時は、生のまま芯から外して保存袋で冷凍しています。冷凍の場合は、茹でたあとに実をはずし、ジッパー付きの保存袋に入れて冷凍庫で保存してください。

実をはずすときはここに注意

とうもろこしの粒の根元には、リノール酸、ビタミン、ミネラルなどの栄養がたくさん含まれています。栄養を逃がさずに食べるには、一粒ずつ潰れないように指で取ったり、端の部分が台形になっている天削箸という割りばしなどを使うと、根元まで取れます。ちなみに、とうもろこしは下から熟していくので、上の部分よりも茎に近い下の部分の方が甘いですよ。

とうもろこしで作る「おやき」は絶品

冷凍したとうもろこしは、そのまま炒め物など料理に活用できます。おすすめの食べ方は、とうもろこしのおやき。あと、セビーチェ(魚介と野菜のマリネ)、とうもろこしと豚こま肉の肉団子もおいしいですよ。

ひげも食べられる!

とうもろこしを選ぶときに忘れてはいけないのが「ひげ」。ヒゲが濃いほどしっかり熟して甘く、ひげが多いほど粒の多いとうもろこしを選ぶことができます。

ヤングコーンの時にはまだヒゲが粒にくっついていますが、とうもろこしが大きくなると自然に粒からは離れます。このヒゲはコーン茶でも有名ですが、僕のおすすめは「素揚げ」。食感が良いです。

品種によって味がかわる!湊くんおすすめとうもろこし

ふだん目にする一般的なトウモロコシは「スイートコーン(甘味種)」という種類のとうもろこしで、新鮮であれば生で食べることができます。特に「ゴールドラッシュ」シリーズやピュアホワイトという品種は糖度が高く、生食にも向いています。それらのとうもろこしと一線を画したもので「もちとうもろこし」があります。ワキシーコーンとも呼ばれ、もち質デンプンが多いので、お餅のように粘りがあるとうもろこしです。僕も自宅の菜園で栽培して食べました。

次におすすめするのは、北海道伝統野菜の「八列とうきび」です。一般的なとうもろこしに比べるとスリムで、名前の通り1周8列の粒があるとうもろこしです。でんぷん質が多いのでモチモチとした食感ですが、収穫するとすぐにかたくなる性質で、流通に向かないためレアなとうもろこしです。比較的手に入りやすいおすすめ品種としては「ピュアホワイト」が甘くて好まれやすいと思います。

黄色と白が交雑するのを避けるため、ピュアホワイトは離れた場所の畑で栽培するそう

とうもろこしは鮮度が命の野菜。わりと足が早いので、すぐに食べられない時はこの保存法をお試しください!これまでとうもろこしの甘さが足りないと思っていた人は、今年こそ甘くてみずみずしさ満点のおいしいとうもろこしが食べられるかも⁉︎ぜひお試しください。

『野菜がおいしくなるクイズ』飛鳥新社

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いつも使っている身近な野菜の選び方・食べ方・保存法など、すぐに役立つワザを最年少野菜ソムリエプロ・緒方湊くんがクイズ形式で解説してくれる一冊です。
クイズにこたえながら、野菜のおいしい食べ方を身につければ、自然と料理も上手になってしまいますよ。ぜひお手元に一冊どうぞ。

緒方湊(おがたみなと)くん

最年少野菜ソムリエプロ。
幼少期から野菜や果物が大好きで、8歳で「野菜ソムリエ」、10歳で「野菜ソムリエプロ」に合格。多くのメディアでも紹介され、「天才野菜博士ちゃん」としてテレビ出演も多数。
自宅の菜園で日本各地の「伝統野菜」を栽培をしつつ、イベントや講演を通して野菜の魅力を発信中。

ウェブサイト:みなとの野菜大辞典

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