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コラム

食の悩みと睡眠時間はリンクしてる!寝不足の子どもほど◯◯を多く食べていた

細川モモ

ラブテリ トーキョー&ニューヨーク代表理事

【"成功する子"の食事術vol.11】子どもの成長に食事が大切ってことは分かっているけれど、どんなものを作ればいいの?毎日のことだから、悩んでいる親御さんも多いはず。シリーズ累計14万部突破「成功する子は食べ物が9割」の著者・細川モモさんに、20年後に後悔しない子どもの食事術を教えてもらいましょう。

始まった新学期、からだを育てるごはんでスタートダッシュを!

春は別れと出会いの時期、これまでの思い出を振り返りながら一歩前へ進んで行く時期ですね。子どもの成長スピードに差が出てくるのは、何を食べているかが大きく影響してきます。

現在、子どもの運動能力と体力の二極化が顕著に現れ、大きな課題になっています。学校の健康診断のチェック項目には
・片足立ちを5秒保てない
・関節に痛みがある
・しゃがむことができない

など高齢者向けのようなチェック項目が追加されました。身体能力の低下が深刻になっている現代、学校や保育園では給食が出て、バランスの取れたごはんを食べているように思いますが、それでも1日に必要な栄養摂取量の半分程度。主になるごはんはやっぱり家ごはん!今まで気を付けてこなかった人でも大丈夫です。新学期は子どもと一緒にスタートを切りましょう!

朝ごはん食べてる?その1食が子どもの成長に差をつける

子どもが元気に成長するために、欠かせないのが「朝ごはん」です。最新の脳科学でも朝ごはんの質がテストの成績に影響すると発表されています。これから汗をかく季節を迎えますが、理想の朝ごはんは、やっぱり和食!和食は、水分の摂取量がパン中心の洋食と比べて大きく異なります。また、朝ごはんでおかずの数が多いほど、テストの点数が1年間で良くのびている、朝ごはんを家族全員で食べる回数が多いほどテストの点数がよくなるという研究結果も!
※東北大学加齢医学研究所 川島隆太教授の「朝食と脳の働き」の研究結果より

でも、朝は時間がないのが本音‥というご家庭も多いと思います。ですので、無理に作ろうとせず、前日の夕飯に作ったおかずを朝食用に取り分けておくと便利ですよ!

お米のチカラで新生活で疲れ気味な子どものメンタルケアを

和食をおすすめしたい理由は、お米にはストレスを和らげ、自律神経を整える作用のある「GABA」や「γ-オリザノール」が含まれているから。発芽玄米などに豊富に含まれますが、近年は見た目は白米でも玄米の栄養価を残した「高機能米」の開発が進んでいます。朝はパンというご家庭でも、最近は発芽玄米などが含まれるパンも開発されていますので、ぜひ食卓に加えてみましょう。

また、卵や鮭に含まれるビタミンDにはハッピーホルモン「セロトニン」を調節する役割があり、大豆製品にはセロトニンの材料が含まれていますので、卵料理+納豆ごはん、鮭のおにぎり、鮭とチーズトーストなどがおすすめです。

夜ご飯何時に食べる?遅寝の子どもほど食事の悩みがある!

補足したいのが、朝ごはんをしっかり食べられるかどうかは、夜ごはんの時間や就寝時間に影響を受けます。ラブテリの調査によると、子どもの5人に1人が22時以降の就寝で、4人に1人が推奨睡眠時間に達していない現状が明らかになっています。興味深いことに、食の悩みと子どもの睡眠時間に相関性が見られ、寝不足の子どもほど野菜や魚の摂取量が少なく、ジュースやお菓子の摂取量が多いです。

もし、子どもの食事にお悩みの場合には、就寝時間や夜ごはんの時間から見直してみることをおすすめします。とくにバターなどを使う油っこい食事は消化に時間がかかり、朝の食欲に影響しますので、夜には不向きと覚えておきましょう。

細川モモさんの著書

「成功する子は食べ物が9割 栄養ぐるぐるレシピ」主婦の友社

食品の値上げ時代に負けない!
栄養価の高い食材を安いときにまとめ買いして、味変で飽きさせずに食卓に出す。節約と栄養管理のノウハウをまとめた「成功する子どもは食べ物が9割 栄養ぐるぐるレシピ本」もぜひお役立てください。

細川モモ

ラブテリ トーキョー&ニューヨーク代表理事
2009年春に、医師や管理栄養士を中心に13種の医療専門家及び博士/研究者が所属する「ラブテリ トーキョー&ニューヨーク」を発足。専門家の知識を分かりやすく提供することで、日本の家庭教育と子どもたちの健康をサポートしようと幅広い活動を展開。さらに、予防医療のなかでも、”母子健康”に注力。課題は深刻だが国のサポートが手薄なため、妊娠前/妊娠中/産後の女性の健康支援を通じて、次世代の健康の底上げに取り組んでいる。生まれてくる赤ちゃんの栄養状態・成長は妊娠前のママの栄養状態に影響されるが、働く女性の栄養状態は近年悪化している。日本の未来を守るためにも、母子栄養を潤す事は必要不可欠と考え、栄養状態の悪い女性を減らすことで不妊症や低出生体重児を予防し、1人でも多く健やかな赤ちゃんが生まれることを願い、走り続けている。
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執筆者情報

細川モモ

ラブテリ トーキョー&ニューヨーク代表理事
2009年春に、医師や管理栄養士を中心に13種の医療専門家及び博士/研究者が所属する「ラブテリ トーキョー&ニューヨーク」を発足。専門家の知識を分かりやすく提供することで、日本の家庭教育と子どもたちの健康をサポートしようと幅広い活動を展開。さらに、予防医療のなかでも、”母子健康”に注力。課題は深刻だが国のサポートが手薄なため、妊娠前/妊娠中/産後の女性の健康支援を通じて、次世代の健康の底上げに取り組んでいる。生まれてくる赤ちゃんの栄養状態・成長は妊娠前のママの栄養状態に影響されるが、働く女性の栄養状態は近年悪化している。日本の未来を守るためにも、母子栄養を潤す事は必要不可欠と考え、栄養状態の悪い女性を減らすことで不妊症や低出生体重児を予防し、1人でも多く健やかな赤ちゃんが生まれることを願い、走り続けている。

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