血糖値の改善には減量が大切!と聞きますが、どのくらい減量すると効果が得られるのかご存じですか?「若かったころの●kgに戻りたい!」と思いながらも、目標が遠くて気が重たく感じる方も多いはず。今回は、効果が期待できる減量の目安と、減量を達成するための実践法をお伝えします。
減量の目標として、まず3%減らすことを目標にしてみましょう。3%というと、60㎏の方なら1.8kg、70㎏の方なら2.1㎏、80㎏の方なら2.4㎏…といった具合です。これを3~6か月の間で減らすのがよいとされています。
この「3%」という数字は、肥満の方を対象とした調査により効果があることがわかっており、肥満症治療ガイドラインや、日本人の食事摂取基準でも推奨されている減量目標です。
3%減量することで、血糖値の指標となるHbA1cだけでなく、悪玉コレステロールや中性脂肪、肝機能が改善することがわかっています。
10kgや20㎏の減量というとハードルが高く感じるかと思いますが、3%にあたる2kgほどで効果がみられるのであれば「やってみよう!」という気持ちになる方も多いのではないでしょうか?
次からは2㎏減らすための具体的な取り組みについてご紹介します。
※肥満とは、BMI(体格指数)が25以上であることを指します。BMIの計算方法については以下の記事を参考にしてください。
⇒ダイエッターなら知っておきたい!肥満度を表す体格指数「BMI」(あすけん公式サイトに移動します)
3%の体重を3~6か月の期間で落とすのがよいということをお伝えしましたが、ここでは「3か月で2㎏減らす」という具体的な目標に置き換えてみます。
3か月で2kg減量するには、1日160kcalマイナスを目標とすると達成できる計算です。
これは、体脂肪1㎏分を消費するには約7000kcal必要といわれていることから、2kg減量するには14000kcal、これを90日間で割ると約160kcalとなるからです。
この「1日160kcal」を3つのパターンの方法で減らすコツをお伝えします。
食事のみで減量したい方は「自分が食べすぎている」と感じている部分から160kcalマイナスする方法を考えてみましょう。
たとえば以下の方法があります。
・甘い飲み物を無糖の飲み物に変える
→例:炭酸ジュース(179kcal/350ml)を無糖の炭酸水(0kcal)にするとマイナス179kcal
・揚げ物を焼き物に変える
→例:アジフライ(284kcal)をアジの塩焼き(96kcal)にするとマイナス188kcal
・菓子パンをおにぎりに変える
→例:チョコデニッシュ(389kcal)を梅おにぎり(172kcal)にするとマイナス217kcal
※カロリー:あすけん調べ
すべての食事を急に変えるより、とり過ぎている部分を少しずつ見直していく方がストレスが少なく長続きしやすくなりますよ。毎日続けられる方法を見つけましょう。
運動のみで減量したい方は、今より運動量を増やして、160kcal分消費できるようカラダを動かしましょう。
たとえば体重60㎏の方の場合、
・速歩を50分
・軽いジョギングを30分
ほどの運動量で約160kcalを消費することができます。
通勤時や帰宅時に歩く時間を設けたり、仕事の後に運動の時間を作ったりするなど、運動する時間を決めて取り組むといいでしょう。
ただし、運動していなかった方が急に運動をはじめると、膝などの関節に負担をかけてしまう恐れがあります。歩く時間を少しずつ増やしたり、ストレッチでカラダをほぐしたりと、軽い運動からはじめてください。
食事と運動どちらも取り組んで減量したい場合は、合わせて160kcalでよいので、比較的ストレスが少なく160kcalを減らすことができます。
運動であれば、以下の量で80kcalを消費できます。
・速歩25分
・自転車漕ぎ25分
1駅分歩いたり、通勤を自転車に変えたりするなど、日常生活に少しプラスしてカラダを動かすようにするといいでしょう。
あとは食事で80kcal分減らすだけで、160kcalマイナスを達成できます。これはチョコレートなら4粒ほど、缶コーヒーを砂糖入りのものから無糖に変える、など、ほんの少しの工夫で減らすことができます。
「これくらいなら」と普段口にしているものを少し見直してみてくださいね。
3%の減量というと、見た目の効果は感じにくいかもしれませんが、健康に関する効果はさまざま期待されています。毎日の習慣を少し見直して、3%の減量にチャレンジしてみましょう。
【参考・参照】
一般社団法人日本肥満学会 肥満症診療ガイドライン2016
厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)
厚生労働省 健康づくりのための身体活動基準2013
【執筆者:管理栄養士 広田 千尋】
これまでに500件以上の指導経験があり、ダイエットや生活習慣病対策はもちろん、妊婦から高齢者まで幅広い指導を経験。栄養指導、レシピ制作、栄養教室や料理教室開催などのスキルと知識を生かし、あすけんではコラム執筆やオンラインカウンセリングを担当。
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