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コラム

【34万人が注目】コツは炒めて旨味を引き出すこと!人気料理YouTuberが教える「極上ポテトサラダ」

【今週のおすすめの一冊 vol.58】編集部が特に「おもしろい!」と注目した料理にまつわる本をピックアップし、気になる中身をご紹介します。今回は『いつもの料理を感動レベルにおいしくしたのは、たった1つのコツでした。』(学研プラス)についてご紹介します!

34万人が注目!手間を超える感動のおいしさ

フランスへの修業を経て自身の店を立ちあげ、現在は料理YouTuberとして活躍するクキパパさん。レストラン仕込みの丁寧なレシピで定番料理を紹介し続けています。プロのワザが加わることで手間はかかりますが、間違いないおいしさが話題になり、現在34万人がフォローする注目チャンネルになりました。

感動レベルにおいしくするコツは「意味のある手間だけ」かけること

クキパパさんのレシピの特徴は、他のレシピ本に比べて分量や調理時間が厳密に記されている点。そのため工程や洗い物が多く、若干手間がかかるので今流行りの時短料理とは言えません。しかし、確実においしい料理が食べたいというニーズに応え、そのおいしさから一手間をかける意味を感じさせてくれます。おいしい料理を作るためにクキパパさんが必要不可欠と語るのが、「意味のある手間の見極め」。

クキパパさん:「料理には"意味のある手間"と"意味のない手間があります。例えば、かたまり肉をやわらかく煮込んだ場合、圧力鍋で20分ほど火を入れたものと、約2時間、弱火でじっくり火を入れたものではおいしさに圧倒的な差が生まれます。

圧力鍋でも、もちろんやわらかくはなりますが、やっぱり鍋でじっくり時間をかけたほうがほろほろとやわらかく、味わいも全然違うのです。

野菜の水気をしっかり取ることや、素材を同じ大きさに切るなど、他にも少しの手間でもその効果が大きいことがたくさんあるんです」

難しいのが、工程からかけるべき手間を見極めること。そこで本書では、プロの視点から最低限のかけるべき手間をたった一つに絞り、一番重要なポイントを知ることで効率よく、そして確実においしい調理が作れるようになっています。

ホックリ感がたまらない!極上ポテサラ

今回は、本書からちょっとのコツで格段においしくなる極上の副菜、「ポテトサラダ」のレシピを紹介します。

炒め玉ねぎとベーコンの香りをまとったポテトサラダ

副菜にはもちろん、酒の肴としても最高!濃いめでガッツリした居酒屋風の味付けと、ほどよい潰し具合のポテトのホックリ食感がたまらない一品です。

<材料>2〜3人分
じゃがいも(メークイン、大)……4個(500g)
卵……2個
玉ねぎ(小)……1個(150g)
ベーコン……50g
ケーパー……大さじ1〜2
油(ひまわり油)……小さじ2〜3
バター……5〜10g
塩……ひとつまみ(0.8g)
粒マスタード……30g
マヨネーズ……40g

<たった1つのコツ!>
玉ねぎとベーコンを炒めて旨味を引き出します!
そうすることで、香ばしい玉ねぎとベーコンの香りが全体に混ざり、風味豊かに。

<作り方>

1. 鍋に皮付きのじゃがいもを入れ、浸るくらいの水(分量外)と塩(1%の塩水になる量…分量外)を入れて弱めの中火にかけ、約50分ゆでる。卵も一緒にゆで、ゆで卵を作る。卵はお好みで9〜10分ゆで、殻をむく。

2. 玉ねぎは繊維に沿って極薄切りに、ベーコンは短冊切りにする。ケーパーはみじん切りにする。

3. フライパンに油とバターを入れ、玉ねぎとベーコン、塩を加えて、約5分炒める。しっとりしたらボウルに取り出す。

4. 1のじゃがいもは、串がすんなり通るようになったら鍋から取り出し、ふきんなどで包んで皮をむく。

5. 3のボウルにじゃがいもを入れ、ケーパー、粒マスタード、マヨネーズを加え、麺棒などで潰しながらよく混ぜ合わせ、皿に盛り付ける。

<じゃがいもをゆでる時の火加減>
じゃがいもをおいしく食べるには、ゆでる時の火加減も重要です。皮が破れない程度の、表面に泡がぽこぽこ出る具合の温度が適温。やさしい火加減でゆっくり火を通すと、ほくほくの甘いじゃがいもになります。

10分で作れるレシピも掲載!

本書には、家族が喜ぶ定番おかずから、ランチに作れる麺や丼、ハレの日に使えるおもてなしグルメなど全48品が掲載されています。レシピが作りやすさでレベル分けされているので、時間と労力に合わせてレシピを選ぶことができます。10〜20分で作れるレシピも多いので、時間がないけれど、おいしいものを食べたい時にも使えますよ。

クキパパさんから、クックパッドニュース読者へ向けたメッセージをいただきましたので、ご紹介します。

クキパパさん:「"手間をかける"ときくと大変そうだなぁ、とネガティブなイメージを受けるかもしれません。ですが、 親子丼を作る時に鶏肉をパリッと焼き、香ばしい香りをつけてから作ると、それだけでお店で食べるような味わいになります。そのような、プロだからこそ気づくコツをたくさんレシピに盛り込みました。皆様の料理の参考になれば嬉しく思います」

個人的に印象に残ったのが、食欲をそそる料理写真。調理の音が聞こえてきそうな臨場感で、これがまさにシズルという感覚だと感じました。調理時間の長さは若干ハードルに感じつつも、五感に訴える料理写真で調理に前向きになれる構成になっています。

レシピ通りに作ることで、自分が作る料理に自信がついたり、喜ばせたい人からの「おいしい」という一言で、料理へのモチベーションが高まる一冊。レシピで不明点があれば、クキパパさんのYouTubeを見ることで疑問を解決できるのも嬉しいですね。気になった方は、ぜひチェックしてみてください!

(TEXT:小菅祥江)

いつもの料理を感動レベルにおいしくしたのは、たった1つのコツでした。

クキパパさん

元フレンチシェフ。フランスへの修業を経て自身の店を立ちあげ、現在は料理 YouTuber として「クキパパ料理チャンネル」を開設。私生活では1児のパパ。育児の合間を縫い、深夜に料理動画をコツコツと作成し続けている。

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