さまざまな健康効果やダイエット効果などが期待できるとされ、近年大きな注目を集めている「白湯」。体を温めるという点では、冷房がきつくなり始めるこれからの季節こそ、実は白湯を飲むようにしたほうがいいのかもしれません。そこで今回は、東京都豊島区にあるディオクリニックの医師であり、「藤井先生@ダイエット豆知識チャンネル」というYouTubeチャンネルも運営している藤井崇博先生に、白湯を飲むことで期待できる効果について詳しく聞きました。
――そもそも「お湯」と「白湯」の違いとは?
「お湯」は水を40℃以上に温めたもので、「白湯」は水を沸騰させて冷ましたもの。水を40℃以上に温めたものの総称をお湯と言い、その中でも一度沸騰させたものを白湯と呼びます。
――白湯を飲むことでどのような効果が期待できるのでしょうか?
消化を助ける・便秘の解消・基礎代謝を上げる・デトックス効果・美肌効果。大きく分けてこの5つの効果が期待できます。
白湯を飲むことで胃腸全体が温まり、活性化して消化力が高まります。また、胃腸全体が温まり活性化すると老廃物の排泄もスムーズになり、便秘の解消につながりますよ。
――基礎代謝も上がるのですね?
基礎代謝は内臓の温度が1℃上がると約10~12%上昇すると言われています。白湯を飲んで内臓が温まって基礎代謝が上がると、血液の巡りが良くなって冷え性も改善されますし、脂肪燃焼によるダイエット効果も期待できますね。
――デトックス効果や美肌効果に関しては?
体が温まることでリンパの流れや血液の流れが良くなり、体に溜まる老廃物や余分な水分などを排出します。それによってむくみの改善やデトックス効果が期待できます。さらに、白湯は腸内の毒素を浄化して排泄を促してくれます。腸内環境が改善されることで美肌効果にもつながるでしょう。
――白湯を飲むタイミングはいつがベストですか?
起床時と就寝前の1日2回が理想的です。起床時は、50℃前後の温度で200ml程度の白湯を10~20分くらいかけてゆっくりと飲むようにしてください。寝起きに白湯を飲むと、体温が上がり血行が良くなって胃腸が刺激され、1日の活動モードに入っていくため、朝食の栄養もしっかりと消化・吸収されます。
――就寝前はどのような飲み方がいいですか?
200ml程度の白湯を、寝る30分以上前にじっくりと時間をかけて飲んでください。寝る直前に飲むと夜中にトイレに行きたくなるので、寝る30分以上前に飲み終えているのがベストです。白湯を飲んで体が温まれば、リラックス効果のある副交感神経が優位になります。
――白湯の作り方を教えてください。
水道水で作る場合は、やかんに水を入れて強火にかけて、沸騰したら火を弱めて、そこから10~15分程度沸かします。そして火を止めて、50~60℃まで冷ませば完成です。沸騰してから10~15分沸かすことで不純物が出ていきます。
純水やミネラルウォーターで作る場合は、不純物がないので電子レンジやケトルで温めるだけでOK。電子レンジであれば、150~200mlを500Wで2分温めれば完成です。
Twitterでも白湯の持つうれしい効果について書かれた投稿が、2万件のいいねを集める大きな反響を呼んでいます。そしてこの投稿では、いろいろな白湯の作り方についても解説されています。
ガチ断言しますが、『白湯の飲みかた 』を今すぐ勉強してください。連休だからってガン無視してる人は完全に取り残されてます。「冷え性改善」「便秘解消」「間食が減る」…良いことあげたらキリないミラクルドリンク。9割の人が知らなかった、体に10倍染み入るその作法。うれしい効果⑦選はリプに⤵︎ pic.twitter.com/lX8EhgTIyh
— かのと🌱手軽に健康パパごはん May 5, 2023
300mlの水道水を沸かしました。加熱後14分で飲める熱さにまで冷めました。 味は、一口目から水道水の味を感じました。
300mlの水道水を500Wで2分半加熱しました。加熱後12分で飲める熱さにまで冷めました。 味は、後味に水道水の感じが残りました。
沸騰してから15分沸かし続けました。火をつけてから、沸騰して沸かし終えるまでは17分。加熱後14分で飲める熱さにまで冷めました。 味は普通ですが、ケトルとレンジの白湯に比べると甘みがあります。ただ、水道水の匂いは感じました。
沸騰してから15分沸かし続けました。火をつけてから、沸騰して沸かし終えるまでは18分。加熱後15分で飲める熱さにまで冷めました。 味としては、雑味がゼロ。甘みがあって舌触りもまろやか。「ほかの白湯とは全然違う!」と感じました。
飲み比べをしてみた感想として、白湯を手軽に楽しみたいのなら、ケトルかレンジでも十分です。 鉄瓶は白湯を作るのに合計30分かかりましたが、味わいがほかとは全く違うので、「体に良さそう」と実感できる作り方だと思います。鉄分も一緒に取れるので一石二鳥です。 やかんは、鉄瓶を買うのは難しいけれど、おいしい白湯を飲みたいと思う方にオススメ。電気ケトル・レンジよりも水道水の味は感じづらかったです。
「白湯」を飲むことは、健康にも美容にもいい効果が期待できそうです。作り方によって味わいに違いが出ることもわかったので、自分好みの「白湯」を作って楽しんでみてくださいね。
(TEXT:山田周平、メイン画像:Adobe Stock)
医学博士、循環器内科専門医で現在DIOクリニックを運営する医療法人理事長。専門領域は循環器内科という心臓の領域で、2021年まで大学病院で約10年間に渡り臨床、研究、後輩の教育に従事。現在も循環器疾患を含め高血圧、糖尿病、脂質異常症など外来での診療は継続中。
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