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コラム

97歳の義母とは喧嘩もするけど…3世代同居、円満の秘訣は「食後の習慣」

YouTuberもののはずみさんは、穏やかな3世代同居の日常を動画で配信しています。書籍「71歳、74歳夫と97歳義母と大人だけで楽しく暮らす」(ワニブックス)の中に書かれている、“年を重ねても明るく、簡単に暮らす”ための家事や心と体の整え方、家族との付き合い方などのアイデアを少しだけ紹介します。

義母と同居して42年。なんでもいい合える関係が理想です

29歳で同居を始めて42年。97歳の義母はなんでも自分でこなし、生活のほとんどは自立しています。私がお手伝いできることといえば、食事や入浴の見守り、通院や往診のつき添いくらい。部屋の掃除もお掃除テープを使って、自分でしています。義母の年齢を知る周囲から「大変ね」といわれるたびに、気恥ずかしくなります。YouTubeをご覧になった方に「どうすればあんなにやさしくできるのですか?」といわれることがありますが、辛く当たって反省することもあるのです。

たとえば昨年7月、私がめまいで倒れたときのこと。義母がりんごを持って、寝室がある上階に上がってきました。その頃義母は足の怪我を抱え、歩くのがやっと。私は義母に何かあったら大変だと思い、怒ってしまったのです。

その動画を撮影するうちに気持ちが落ち着いて、「どうしてあんなことをいったんだろう」と後悔しました。動画の撮影が冷静になるいい機会になっているのですね。そんな気持ちで作業をしているから、人目にはやさしく映るのかもしれません。

だから、何かに書き出すなどしてひと呼吸おけば、気持ちが収まるような気がします。ひどい喧嘩をしたときは、寝室に向かう階段の一歩目でつぶやきます、心のなかで。「おばあちゃん、ごめん」「私、怒ってしまったわ」って。すぐに謝ればいいんでしょうけど、それができないのも人間。

翌朝キッチンに下りていくと、「昨日はいいすぎたわ〜」と義母。私のつぶやきが聞こえていたのかな?とドキッとします。私は「なんのことー?」ととぼけて返す。照れがあるのですね。お互い、ずっとこのままではいられないのはわかっているので、すっと収まります。

自立心が強い義母は「私に迷惑をかけられない」という気持ちがあり、愚痴もあまりこぼしません。でも私は、なんでもいってほしい。甘えてもらいたいと。実母を早くに亡くした私は、そんなふうに思っています。

夕食の後片づけのあと、家族をお茶に誘います

夕食の後片づけのあと、ときどき、義母と夫に「お茶しない?」と声をかけます。といっても、買い置きのお菓子を出すくらい。マグカップにインスタントコーヒーを入れてお湯を注ぐと、立ち上る香りにほっとします。

「ご飯を残さず食べられたかな」 「ちゃんと嚙みきれるかしら……?」夕食中は食事の様子が気になり、会話も少なめです。また、そのあとに片づけが待っていると思うと、どこか気ぜわしく、お店でいうと営業中の気分。でもキッチンをリセットしたあとは、心底リラックスできます。

「さっき、ご飯食べたばっかりなのに、こんどはおやつ?」と笑いながら、好きなお菓子に手を伸ばす義母。糖質制限中の夫も「まぁまぁ、甘いもんは別腹っていうし」とパクリ。とても和んだ感じで、私はこの時間が大好きです。

今日あったできごとを話したり、通院やデイサービスの予定を伝えたり。親戚や子どもたちがかけてくる電話に代わる代わる出て、近況を伝え合うことも。一日の用事を終えたあとは、話にゆっくり耳を傾けられる余裕があり、家族のコミュニケーションのいい機会になっています。

※記事本文は書籍「71歳、74歳夫と97歳義母と大人だけで楽しく暮らす」から一部抜粋しています。

著者・もののはずみさんからのメッセージ

仕事や子育てに忙しかった頃に比べ、家族みんなが高齢になった我が家では、生活にあまり変化がありません。なので、たまに変わった食事を作って、少しでも変化をつけたいと思っています。スーパーで色々な食材を見るのが好きで、珍しいものを見つけたら買ってみたくなります。最近では、燻製風味のいわしの缶詰が大ヒット!オイル漬けになっており、そのままサラダに入れて食べています。

また、食事をお弁当箱に盛り付けるなど、一工夫することも。家族に「今日はどうしたの!?」と言われれば大成功です。料理をするときにはお気に入りのCDをかけます。ウキウキしてリズム良く調理できますし、楽しい気分で作るご飯は美味しくなる気がします。好きな食べ物を準備したり、食べやすい調理をすることで、これからもご飯で家族を元気づけたいです。

著者:もののはずみ

1952年生まれの71歳。24歳で結婚し、一男二女を授かる。29歳で義父母との同居を始め、家族7人で暮らす。長女妊娠中に義姉と揚げ物屋を開いたが、阪神淡路大震災の被災を機に閉店。42歳で義父を見送り、現在は義母(97歳)、夫(74歳)、長男(46歳)の4人暮らし。3年前、孫のYouTubeを見て、「おもしろそう!」と「もののはずみ」を開設。愛情のこもった料理と暮らしを楽しむ姿が共感を呼んでいる。現在の登録者数は6万人超。

YouTube:もののはずみ(@mono-no-hazumi)

書籍紹介

YouTube登録者数、6万人!71歳のYouTuberもののはずみさん、はじめての本。

71歳のもののはずみさんは、74歳の夫、97歳の義母、46歳の息子と4人暮らし。 大人ばかりで暮らす日常の動画が「心が温まる」「真似したい!」と反響を呼んでいます。 本書では、“年を重ねても明るく、簡単に暮らす”ための家事や心と体の整え方、家族との付き合い方などのアイデアを紹介。

・献立が思いつかない日のためのお決まりメニュー
・外食気分を味わう、おうち居酒屋&カフェ
・そこそこきれいを保てる、食後5分の適当小掃除
・思い出の写真をコラージュにして部屋に飾る
・テーブル卓球やカラオケで、楽しく夫のリハビリ
・エンディングノートに夢を書く

などなど、老いとうまく付き合いながら日々を楽しく暮らす、シニア世代の家族暮らしのヒントが満載です!

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