泣きたいことがあったらマフィンを焼けばいい。こう書いたのは、たしか作家のウイリアム・サローヤンだったでしょうか、ちょっと失念してしまいましたが、誰かの本にそう書いてあったのは確か。そして、なんだかわかるのです。マフィン生地をせっせとこねる。型に流してオーブンで焼く。キッチンが甘い香りでいっぱいになる。ふっくら丸くてかわいらしいマフィンができる。そうすると不思議と元気が出るというか、私は大丈夫と思えるのです。
ずいぶん昔のことですが、ニューヨークの「サラベス」で食べて、そのおいしさにびっくりしたジンジャーマフィンを再現してみました。バターの代わりにオリーブ油を使います。作って食べると、本当になんだか元気が出るおいしいマフィンです。
無塩バター…適量
薄力粉…165g
グラニュー糖…100g
ベーキングパウダー…小サジ1杯
塩…少々
しょうが(みじん切り)…25gほど
玉子…1コ
牛乳…110g
オリーブ油…55g
レモンの絞り汁…少々
1.無塩バターを湯煎にかけて、溶かしバターを作ります。
2.刷毛を使い、マフィン型の内側に、溶かしバターをたっぷり塗ります。
3.しょうがの皮をむき、みじん切りします。
4.ボウルに、薄力粉、砂糖、ベーキングパウダー、塩を入れて、泡立て器でかるく混ぜ合わせ、ふるいにかけます。しょうがを20gほど加えて、よく混ぜ合わせます。
5.別のボウルに、玉子、牛乳、オリーブ油、レモンの絞り汁を入れ、なめらかになるまで、泡立て器でよく混ぜて、生地に加えます。
6.ゴムベラを使って、やさしく混ぜ合わせます。
7.マフィン型に生地を均等に入れ、残りのしょうがを上にトッピングします。
8.200℃に余熱したオーブンで10分焼きます。そのあと、温度を180℃に下げ、ふたたび10分ほど焼きます。全体がキツネ色になり、竹串をさした時に、すっと抜けるくらいになったら、オーブンから取り出します。粗熱を取って、出来上がりです。
料理:田中真唯子 文・写真:松浦弥太郎
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