熱中症の発生が年々増えています。それにともなって熱中症の知識も浸透してきました。日中太陽が照りつける場所での作業を避ける、水分を十分にとる、などはおなじみになりましたね。でも、まだまだ意外と知られていない落とし穴があります。熱中症が起こりやすい意外な場所についてチェックしてみましょう。
だっこをしていると、赤ちゃんもママも汗だく。だから、外出しているときはベビーカーのほうが快適と思っていませんか?また、ベビーカーでの熱中症対策は、日差しよけだけになっていませんか?
晴天時、地面に近いほど気温が高くなります。兵庫県立生活科学研究所が行った調査によると、アスファルト路面の場合、30.9℃の夏日だと大人の顔の位置では32.9℃だったところ、ベビーカーの位置では36.4℃にもなったそう。なんと、3.5℃も違うんです!
またレインカバーをしている場合も危険が高まります。大人の顔の位置の温度が曇天時に25.9℃だったのに対して、わずか15分で6.7℃も高い32.6℃になるとか。
ただでさえ、体温調節機能が未熟な乳幼児は特に熱中症にかかりやすく、大人よりも重症化しやすいといわれています。
ペットもベビーカーと同様、アスファルトからの熱を受けやすい位置にいます。またペットの場合、焼けたアスファルトによるやけどにも注意が必要。
あかちゃんもペットもできることなら、日中の気温が高い時間帯を避けたほうがよいでしょう。また出かける場合は、日よけ対策をし、涼しいところを選んで移動。もちろん水分補給はまめにし、保冷剤などの体を冷やす工夫をして。ちょっとでも具合が悪い様子が見えたら、早めに涼しい環境で休みましょう。
あまり日中外出しない主婦や老人にも、熱中症は多く見られます。室内だからといって安心は禁物!
とくに起きやすいのは次のような場所になります。
熱中症は気温だけでなく湿度も関係してきます。湿気も気温も高い風呂場など、特に老人は注意しましょう。また、最近の乾燥機つき洗濯機を使うことで、洗濯機を置いてある洗面所に熱がこもる場合があります。換気を十分にする、エアコンで冷やすなどして気をつけましょう。
じつは就寝中に熱中症となり、不幸にも亡くなる事例も起きています。屋根に近い階は、日中の温度で熱がこもっている場合も。節電も大切ですが、寝室は涼しくする配慮が大切です。
狭い空間で熱がこもりやすく、そのうえエアコンがない場合がほとんど。トイレが長い人は換気を心がけましょう。
不幸な事故を防ぐためにも、特に赤ちゃんやペットや老人など、熱中症のリスクが高い人たちにはまわりが注意することが大切です。快適に楽しい夏を過ごすために、対策を十分にしておきましょう(TEXT:松崎祐子)
<参考>環境省HP、厚生労働省HP、兵庫県立生活科学研究所