初めての離乳食づくり。わからないことだらけで難しいと思っていませんか? もちろん、赤ちゃんのためだけに作る大変さはありますが、実は離乳食の『意味』がわかれば、色々な疑問や悩みがクリアになるものですよ。そこで「赤ちゃんにとってどうして離乳食が必要なのか」、クックパッド管理栄養士にきいてみました。
赤ちゃんは生まれてすぐに母乳やミルクで栄養を摂り始めます。その赤ちゃんが大人と同じ食事ができるようになるための練習の役割をするのが離乳食。 赤ちゃんは咀嚼力(そしゃくりょく)や消化機能が大人に比べて未熟なため、そこを調理で補ったり、食材選びに気をつけてあげたりする必要が。そうして徐々に大人と同じ食事を食べられるようにしていきます。
赤ちゃんは液体を吸う力、液体を飲み込む力は持って生まれてきます。ですが歯も十分に生えておらず、固形を噛み砕いて飲み込む力はまだ備わっていません。そのため、この時期の食事=離乳食は食材をすりつぶしたり細かく切ったり、しっかりやわらかくなるまで加熱したりなど調理で補ってあげる必要があります。
そして赤ちゃんは離乳食を食べていくうちに、どろどろしたペースト状のものを飲み込めるようになり、口を動かし舌や上あご、歯茎を使ってつぶすことを覚え、歯が生え始めたら噛めるようになります。食材は徐々に大きく、加熱時間は徐々に短くして、かたさに慣らしていきましょう。一段ずつゆっくり階段を上がるように、約1年間をかけて食べることを習得していきます。
赤ちゃんの体はまだまだ消化機能が発達していません。しかし、離乳食を食べていくうちに、だんだんと色々な食材を消化、吸収ができるようになっていきます。赤ちゃんには生のものではなく、加熱したものをというのも、この消化機能の発達を考慮しているから。ですから、初めのうちは消化のいいおかゆ(10倍がゆ)からはじめ、慣れてきたらおかゆ以外の炭水化物(パン、うどん、いも類)と進めていきます。
たんぱく質は炭水化物に慣れてから、白身魚や豆腐、鶏ささみといった比較的消化のいいものから始めましょう。脂質の多い魚や肉などはあまり消化が良くないので離乳食の中でも後半になるまでは控えましょう。
また初めて食べる食材は、一度にたくさんは食べさせないようにし、様子を見ながら慎重に少しずつ食べさせることから始めることも大切です。
そして覚えておいてほしいのが、赤ちゃんのうんちチェック。食材が形のままそのまま出たり、うんちがゆるくならなければきちんと消化吸収ができているサインです。もし、消化されずに食材がそのまま出ていたり,うんちがゆるくなるようなら次はもう少し小さく切ってみる、加熱時間を長くとってやわらかくして食べさせるなどすればよいでしょう。
さらに発達に個人差があるように離乳食のステップアップにも個人差があることも忘れずに。育児書やレシピに大体の月齢が記載されていますが遅れていても問題はありません。大丈夫、焦らずゆっくり進みましょう。
まだ内臓が未熟な赤ちゃんは大人のように食事で摂った塩分を上手に排出することができません。また乳児までは、舌にある味を受け止める味蕾(みらい)の数が最も多い時期で味覚が非常に敏感です。濃い味つけでなくても、素材の美味しさをじゅうぶん楽しむことができます。味覚が形成される大事な時期でもあるため、基本的に薄味を心がけて素材そのものの味を体験させてあげましょう。
月齢9ヶ月頃になると、ほとんどの必要な栄養を離乳食から摂れるようになります。成長に従ってミネラル(鉄分、カルシウムなど)も必要になるため栄養バランスも考えていきたいものですね。そのためにも少しずついろいろな食材にチャレンジしていくといいでしょう。
初めての離乳食はママやパパも不安ですが、赤ちゃんだって同じように不安なはず。まずはママやパパがにこにこ笑顔で「おいしいね」「もぐもぐもぐ」と口を動かす動作をして食べることは楽しい、美味しいということを教えてあげましょう。ちょっと大変ですが、家族みんなで同じ席について食べるのも、赤ちゃんには楽しいひとときになりますよ。