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独特な日本語使いで大人気のモデル、滝沢カレンさん。新刊レシピ本『カレンの台所』にはカレンワールド全開の不思議なレシピが満載です。レシピ誕生の裏話や、カレンさん流の料理との付き合い方など、「カレンの台所の舞台裏」を前中後編の全3回でお届けします!
ハンバーグが大好物という滝沢カレンさん。そんな彼女の価値観を変えたのが、ピーマンの肉詰めという存在だったそうです。
「ハンバーグが大好きで、なんでこんなにハンバーグばっかりと心細くなるほど作ってました。それまで肉を何かに詰めたいなんて考えたこともなかったというか、そんなの知らなかったんですが、20歳くらいの頃、Webで初めてピーマンの肉詰めを見て、『ピーマンに肉詰めていいんだ!』と衝撃を受けたんです」(滝沢カレンさん)
もともとピーマンは好きではなかったカレンさんでしたが、「色がすごくキレイでやってみたい!」と思い立ち、ピーマンの肉詰めにトライしてみたのだとか。
「これが、ピーマンを好きになれたきっかけですね。意外と良いとこあるじゃん、みたいな。近づいてみたら、いい奴だったんです。ハンバーグには足りなかったシャキシャキ感があってお見事でした。そのうちピーマンのきんぴらとか、ほかの料理にも使えるようになって、ピーマンの味っていつの間にか受け入れてるんですよね。勝手に歩み寄っちゃって、好きになってる。ピーマンのおいしさは味というより食感ですね。ピーマンって本当にすごい実力だと思います。火を入れてもピーマンだけは強いですから」(カレンさん)
ということで、全3回でお届けしてきた「カレンの台所の舞台裏・後編」は、カレンさんお気に入りの「ピーマンの肉詰め」のレシピをご紹介します。筒型で食べやすいので、ぜひお試しください♪
本日はひょっこり穴から顔出しスタイルに誰もが胸を打たれるピーマンの肉詰めです。
肉を何かに詰めたくて仕方ない方におすすめです。
お集まりいただくのはピーマンに、豚ひき肉多め、牛ひき肉少なめ、玉ねぎ、お麩、卵です。
途中まではハンバーグを作る気持ちと被っていいですので、玉ねぎをみじん切りしましたら、ボウルにひき肉全て、玉ねぎみじん切り、お麩を崩しに崩した粉、卵、塩胡椒をややむせるほど、マヨネーズを宝石を一粒添える程度入れ、硬すぎず柔らかすぎずの肉質に変えていきます。
ピーマンの帽子になっている部分をギリギリ切り、足もギリギリに切り、それをさらに半分に切って2つの筒にします。
顔を出したくなるような筒ピーマンを何個かお作りしましたら、なんかしらの空間で片栗粉がピーマンひとりひとりに嫌がられない程度にまとわりつけます。
そうしたら、先ほど力尽くで作った肉の塊を筒ピーマンの部屋へ埋めていきます。
新居を見つけた肉は少し丸まり優しくなったような表情をしてるはずです。
全てに部屋を与えたら、フライパンという土地にそれを建てていきます。
土台が茶色く土づいたらひっくり返し、屋根も床も火をしっかり通して、さらなる丈夫な筒にしていくためにお酒を全員にあたる程度入れ、蓋をして蒸し焼きにしていきます。
4~5分蒸しましたら、もうしっかり独り立ちできる部屋の完成ですので、フライパンからお皿へお引越しお願いします。
空き地になったフライパンにケチャップと中濃ソースに少しのお酒を足し全てを煮詰め、筒ピーマンたちに敷金返すつもりでお塗りください。
そんな引越しが成功したピーマンの肉詰め物語でした。
ピーマンしか住む家を選べない選択の無さにうつむくひき肉たちがいるのなら、椎茸のように床のしっかりした住居だっていいです。
ナスの身を縦に半分にして身をくり抜き、皮だけの空間にまるで海賊船に乗るようにひき肉を入れたっていいです(くり抜いた身はどこかにお使いください)。
レンコンを薄く切り、集合住宅のように窓がたくさんあいた場所にひき肉を埋めたっていいです。
ひき肉の住居を探してあげる不動産屋は私たちだということです。
しっくりくる食材にお試しください。
言葉の魔術師・滝沢カレンが綴る、人類未体験の新感覚レシピ文学!
「冷たい何も知らない鶏肉」「お醤油を全員に気付かれるくらいの量」「無邪気にこんちくしょうと混ぜてください」「二の腕気にして触ってるくらいの力で、鶏肉をさらに最終刺激」などなど、「その発想はなかった!」と思わず唸ってしまうレシピたちが目白押し。
レシピとは思えないその詩的な文章は、時には食材目線にまでおよび、1つの料理ができあがるまでの壮大な物語に吸い込まれ、実際に作らなくても、読むだけでも面白い一冊となっています。
レシピだけどレシピじゃない。爆笑。なのにつくれる。うまい。――独特の世界観で描かれた豪華全30メニューをご堪能ください。
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