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コラム

料理家・人気動画クリエイターのはるあんさんに、女子高生が聞いてみた。「楽しくムダなく食材を使い切るには?」

恵方巻の廃棄のニュース等でたびたび話題になる「食品ロス」。企業の問題かと思いきや、実は家庭からでる量が全体の46%と言われています。そこで今回は、「どうすれば楽しみながら食材をムダにすることなく料理ができるのか」を食品ロス削減活動をする女子高生の加藤愛子さんが、チャンネル登録者数74.9万人(2020年8月13日現在)の料理家・人気動画クリエイターのはるあんさんに聞いてみました!アイデアレシピを多く生み出しているはるあんさんならではのお話も合わせてご紹介します。

なるべく手軽につくれることが大事

加藤愛子さん(以下、加藤):はるあんさんはYouTubeチャンネルで、たくさんのレシピをアップしていらっしゃいますが、どんな時にアイデアが思い浮かぶんですか?

はるあんさん(以下、はるあん):日常生活のいろんな場面で思い浮かびますよ。ふとした時に「YouTubeの視聴者の方々は、こんなレシピがあったら便利だろうな」とひらめくこともありますし、視聴者の方々から「こういう料理をつくってください」とコメント欄に投稿していただいたことをきっかけに、レシピを考えることもあります。自分で「食べたい!」って思ってパッとつくったものを動画にしようと思うこともありますよ。

加藤:レシピを考える上で、大切にしていることはありますか?

はるあん:YouTubeに投稿するのは、私だけがつくるレシピではなくて、視聴者の方々に届けるためのレシピです。だからこそ、手軽につくれること、材料もなるべく手に入りやすいものを使うことを意識しています。

視聴者に人気のレシピは「とにかく簡単」

加藤:視聴者の方々からはどんなレシピが人気ですか?

はるあん:たとえば、特に人気があるのは「ほったらかしパン」ですね。これは強力粉や塩、砂糖、ドライイーストなどの材料をこねた後、冷蔵庫でほったらかしてから焼くというレシピです。パンが気軽につくれるのが魅力的なんだと思います。「こんなに簡単なのに、ちゃんとしたパンが焼けるんだ」っていう驚きがあるのも、いいのかなぁ。



「フライパンでつくるチキン南蛮」も好評です。これは、フライパンの中で味つけや衣をまぶす作業などをぜんぶ済ませてしまう、とてもズボラなチキン南蛮(笑)洗い物の手間が減るのでラクなんです。そういう、一般的にはあまり丁寧じゃないと思われるような調理方法も、YouTubeではあえて紹介します。そのほうが、「自分でもつくってみたい」と考えていただける方が増えるような気がしますね。



加藤:毎日の献立を立てるのに苦労されている方も多いかと思うのですが、レシピを楽しく考案するにはどうするとよいんでしょう?

はるあん:私の場合は、自分が食べたいものだけをつくっているので、レシピを考えるのが大変だと思うことはないんですよね。家族が食べたいものは何かをずっと考えていると疲れてしまうと思うので、自分が食べたいものをつくって家族に出すのが、きっと一番だと思います。

残り野菜のおいしい活用法

加藤:食べきれなかったものを捨ててしまう「直接廃棄」も食品ロスの原因の1つなのですが、野菜を上手に使いきるおすすめの方法はありますか?

はるあん:料理をした後に、青ネギの端っこやセロリの葉っぱ、パセリの茎なんかが残ることがあるじゃないですか。そういったお野菜の残りは、まとめて冷凍しちゃいます。スープをつくるときとかお肉を煮るときに、臭みをとるためにそのお野菜を入れるんです。とてもおいしく仕上がりますよ。あと、皮は剥かないで使うことも多いですね。れんこんとか皮ごと調理しちゃいます。

加藤:皮って基本的には食べられますもんね。あと、作りおき料理のおすすめはありますか?作りたいけど面倒という方も多いと思うのですが…。

はるあん:私、実のところあまり作りおきをしないんですよね。でも紫玉ねぎとか紫キャベツの千切りを、お酢、お砂糖、オリーブオイル、塩とかで味付けして酢漬けにしておくことはよくあります。料理に色が足りないなという時に重宝しますよ。

切り方を変えるだけでも飽きずに食べられる

加藤:普段の料理の中で、食材を余らせないためのコツはありますか?

はるあん:私はわりと大胆な性格なので、料理を自分用につくるとき、何かの食材が余りそうだったら思いきって全部入れてしまうことも多いです(笑)。余らせて冷蔵庫の隅でカピカピになるより、おいしく食べたほうがいいですから。

それから、冷蔵庫の中にどんな食材があるかを、普段からこまめに確認しておくといいですよ。よく見ておけば「冷蔵庫にあれが残っていたから、◯◯がつくれそう」と思いつけるじゃないですか。

加藤:特売で多めに野菜を買うと、途中で飽きてしまうこともあると思うのですが、何か1種類の食材を最後まで飽きずに食べきるための工夫はありますか?

はるあん:切り方を変えるのがおすすめです。千切りとか、ざく切りとか、丸ごととかバリエーションをつけると、味つけも自然と変わってきます。私も食材をいろんな切り方にしてから「何をつくろうかな」と考える時がありますよ。

加藤:工夫次第で、食材を無駄にせず上手に使えるんですね。家に帰ったら、今日教えていただいた方法を家族にも教えてあげようと思います!

(TEXT:中薗昴)

はるあんさん 料理家/動画クリエイター


学生でありながら、料理の腕前はピカイチの癒やし系料理クリエイター。料理好きが高じて高校1年生からYouTubeで「はるあんの美味しい動画」の投稿を開始。料理・撮影・動画編集へのこだわりは強く、出来上がりはもちろん、作る過程も思わずよだれがたれそうなおいしい画のオンパレード。レパートリーは朝ごはんから夕食、そしてお夜食までと幅広く、真似したくなるメニューばかりで、「お嫁さんにしたいYouTuberナンバーワン」との呼び声も高い。2020年3月に初のレシピ本『今日食べたい一品がすぐに見つかる!はるあんのとっておきレシピ』(KADOKAWA)が発売された。

加藤愛子さん


都内の高校に通う16歳。中学3年生のときにフードロスの教材の翻訳を担当したことをきっかけに興味を持つ。高校1年生でのニュージーランドへの留学中、現地のチャリティー機関へのボランティアを経験し、帰国後にクリエイティブクッキングバトルを在校生向けに開催。最近では中高生から大学生まで計14名と共に、コロナ下で発生する食品ロスを啓発するメッセージ動画の企画等の活動も行った。また、現在開催中の食品ロスを楽しく解消する料理動画投稿コンテスト『クリエイティブ・クッキングバトル・オンライン “KAWA”』の実行委員長も務めている。

●食品ロスを楽しく解消する料理動画投稿コンテスト『クリエイティブ・クッキングバトル・オンライン “KAWA”』開催中

『クリエイティブ・クッキングバトル』とは、「アリモノからおいしい料理を作ることは、生活の中で最もクリエイティブな行為である」を合言葉に、残り食材を工夫して自由に料理する能力に焦点を当てた、エンターテイメント型フードロス解消イベントです。

今年のイベントは『クリエイティブ・クッキングバトル・オンライン “KAWA”』と題し、野菜や果物などの食材の“皮”を活用した、これまでにないクリエイティブな料理をつくる様子を撮影した3分動画を投稿していただくオンラインコンテスト形式で開催。インタビューで登場した女子高生の加藤愛子さんはイベントの実行委員長を、お料理系YouTuberのはるあんさんは審査員を務めています。

「人の目を気にせずに自分が食べたいと思ったものを作るのがいいんじゃないかなと思います。あと、クリエイティブな料理って普段はちょっとしちゃいけないんじゃないか?良い作り方じゃないのかも?という方法に挑戦してみることで生まれたりすると思いますよ」(はるあんさん)とのアドバイスも。

「どんな料理が登場するか全く予想がつかないので、すごくわくわくしています。投稿された動画を見て、いろんな調理法を勉強したいです」(はるあんさん)と今から投稿された動画を観るのを楽しみにしている様子でした。

ぜひこの記事をご覧の皆さまも、友人や同僚、ご家族と一緒に奮ってご参加ください!

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