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コラム

和菓子の新スタイル!?フォトジェニックな「青いイチゴ大福」

【“クックパッド芸人”藤井21のソロ飯 vol.27】“クックパッド芸人”を自称し、自らのキッチンに1000品以上のレシピを掲載している「藤井21」さん。1人(ソロ)で作って1人で食べるという「ソロ飯」を日々楽しんでいるそう。藤井21さん自作のおすすめレシピと、悲喜こもごものエピソードをご紹介します。

近頃、青いスイーツが流行っているらしい。

「バタフライピー」という植物の花を煮出してつくるハーブティーは鮮やかな青色で、このお茶を使ったスイーツや料理が人気らしいです。

要は、透き通る様な青い空色のスイーツがフォトジェニックだそうだ…。

確かに綺麗な青色は大多数の人が美しい色だと感じるだろう。しかしこれが食べ物の色の話になるとどうだろうか?

青い料理は僕が知る限り和食には存在しないし、青い食材と言ってもパッと思いつくのは鯖や鯵などを「青魚」と呼ぶくらいだろうか。ただあれも光の加減で皮が青みがかって見えるというだけで、別に青いわけではない。魚だったら沖縄料理でお馴染みアオブダイが完全に見た目は青いが、身の方は綺麗な白身だ。

うん。まったくもって青い料理にお馴染みがない。

さて、なんで馴染みがないのか少し紐解いてみると、どうやら国民性の違いに大きく起因するらしい。所変われば料理の色も変わる、といった具合に、海外には青や紫の極彩色のお菓子が数多あるし、青や紫どころかレインボー色のケーキすら存在する。

確かに思い出してみると、以前ベトナム人の友人の結婚式に招待されてベトナムに飛び、現地の人しかいない超ドローカルな結婚式に参列した時の事。会場のテーブルには茹でエビや骨つきチキンといった目に見えてわかるご馳走と一緒に、目を引く緑色や黄色のおこわが並んでいたことがあった。

会場で唯一日本語が通じる友人・レーさん曰く、ベトナムではかなり定番の料理らしく、飛行機で6時間ちょっと移動してくるだけで、料理の色彩感もだいぶ変わるもんだなと思ったりした。

ただその時はそれ以上にセンセーショナルな出来事が多く、その極彩色のおこわの隣にはレーさんが「ムシだよ! ムシ!」と言ってた黒いタテジマの生物の炒め物があったし、参列者に「ふらっと来ました」感で普段着のジャンパーのおじさんがいたり、会場の半径50m四方に爆音のEDMが終始鳴り響いていたり、高砂では花火の火花に包まれてもはや新郎新婦が見えなくなっていたり、と衝撃的すぎて料理の色の衝撃はかなり薄まっていた。

話が脱線した。

所変われば料理の色も変わるという話だったら、日本人に馴染みのある和菓子を青色にした方が初めて見る人でも受け入れるハードルは下がるんじゃないだろうか。

そうだと信じている。

というわけで、青い和菓子は青と赤のコントラストが彩り鮮やかな「イチゴ大福」を。

件の青いスイーツだが、バタフライピーティー自体に強い香りやクセがないので、飲みやすい分それを使ったスイーツや料理もこれといって味的には特に変わることはない。

そういえばベトナムのおこわも、味は普通のおこわだったなぁと今は遠く感じる海の向こうに思いを馳せる。

藤井21(ふじいにじゅういち)

料理と笑いで天下を目指す男性ピン芸人。
埼玉県東松山市出身。東松山のやきとりを愛し、東松山市親善大使「東松山市應援團」の一員。食品衛生責任者の資格を持ち、クックパッドには1000以上のレシピをアップしている。日本テレビ系列『ウチのガヤがすみません!』などに出演。

>>オフィシャルブログ「良い香りのある生活

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