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コラム

いつものごはんをもっとおいしく!「どんぶり」のテーブルセッティング3つのコツ

【テーブルセッティングのコツ vol.3】撮影でお皿を選び、料理をより魅力的に演出するフードスタイリスト・岡本ゆかこさんに「テーブルセッティングのコツ」をご紹介していただきます。おうちごはんがもっとおいしく見えて、たのしい食卓に近づけるようなアイデア満載です!

どんぶりの器、使いこなせていますか?

丼レシピは味付けが和洋中と多彩でどれもご飯に合う、おいしい料理ばかりですよね。ですが、どんぶりの器使いに悩んでいる方も多いのではないでしょうか?

職業柄、どんぶりに関するお悩みでよく聞くのが、「実家感が出がち」「いまいち代わり映えしない」「どんぶりによそうといつもより多めに食べてしまいがち」という声です。今回はそんなお悩み解決のヒントとして、「どんぶり」のうつわをおいしく見せ、さらに楽しめる3つのコツをご紹介します。

「薄手で、和柄以外の器」が万能な一枚

まず、「どんぶり」の選び方からご紹介しますね。どんぶりは和食器が多く、ぽってりした厚めのものが主流です。ですが、ありがたいことに好みで様々なレシピを選べる時代。和風の親子丼のときもあれば、ルーロー飯のようなアジア飯を盛ることもあり、現在の食卓は和洋折衷です。そんな世界各国の幅広い料理ジャンルを受け止めてくれる「どんぶり」がないか考えてみました。

その際、頭の片隅においておきたい選び方として「厚手より薄手のうつわで、和柄以外のものを選ぶ」ということ。

和柄な器を選んでしまうと、親子丼、牛丼と料理イメージが限定されてしまい、アジア飯などをよそうと、どうもしっくりきません。器選びは自由ですが、料理と器の国籍が違うとチグハクな印象になるので、双方を合わせた方がしっくりきますよ。

また、「どんぶり」の形状は深いものでなく、やや浅めを選ぶと、ご飯を入れる量が調整でき、食べすぎの原因になるご飯の盛りすぎを防げます。

例えば上の写真のようなやや薄手、柄なしの器がおすすめ。元々、「どんぶり」として売っていたものでなく、どんぶりにも使えるかも、というくらいのゆるくても側面の立ち上がりがあれば、料理を限定することなく活躍します。

センスアップの救世主アイテム

次はどんぶりのテーブルセッティングに合わせるアイテムについてです。

突然ですが、みなさんにクイズです! 写真は私のInstagramにあげている日常のご飯です。この中でどんぶりのスタイリングにある共通点を見つけました。さぁ、みなさんは何だと思われますか?

答えは「お盆」を使っていることです! お盆や折敷(おしき)は、少ない品数でも見栄えをアップさせてくれます。何枚あってもごはんをおいしく見せてくれる心強いアイテムです。

お盆のサイズは、どんぶりと小皿2枚くらい置けるものが使いやすいですよ。あまりにも大きいと、学食のような懐かしい雰囲気が出るので、やや小さめを選ぶのがおすすめです(笑)。

形は丸いもの、正方形、長方形と形は様々あるので、うつわ屋さんでお盆にも目を光らせてみると良いものに出会えそうですね。

外国の雰囲気のお皿を使いこなすのはハードルが高いので、豆皿やスプーンなどの海外小物をお盆と一緒に並べると雰囲気が出て、とってもおすすめです。海外旅行に行けない今は、小物に変化をつけて、丼ごはんの世界旅を楽しんでみてください。

発想を変えて、平皿に盛ってみるのもあり

最後は「どんぶりは持っていない…」「丼ものはイマイチ変わり映えしない」というお悩みには、発想を変えて丼もの料理を平皿に盛ってみることをご提案します! どんぶりの器にこだわらないので、逆に変化が生まれ、自由な発想で料理を盛り付けられますよ。

例えば写真のようなイメージ。牛丼をどんぶりではないお皿に盛ってみたり、麻婆丼も平皿にカレーライスのように盛り付けてみてもOKです。副菜を添えると彩りも良くなり、見栄えもグッとこなれた印象になります。

また、ちらし寿司や海鮮丼のときに比較的取り入れやすい、センスアップのコツもご紹介しておきますね。写真のように平皿や煮物を入れる中鉢に盛ると、品良く、季節の行事やおもてなしにも使えて覚えておくと便利ですよ。

料理を限定せずに楽しんで!

どんぶりは丼料理に限定せず、他の料理にも使ってみてくださいね。特に麺類は雰囲気が変わって楽しいですよ。

あと、「どんぶり」のおすすめカラーはターコイズです。特にアジアごはんが映えるので、台湾の「鹹豆漿(シェントウジャン)」を入れてみました。小物にはアルミのレンゲ、台湾ライチも添えて、気分は一気に台湾旅行です。

こちらは、黒いどんぶりに、「スンドゥブ」。韓国スプーンのスッカラを添えれば一気に、韓国ごはんの雰囲気が増しますね。ちなみに韓国と中国、お箸は右、縦に置くのもセッティングの特徴です。

これをきっかけに「どんぶり」をもっと自由に楽しむヒントになっていれば嬉しいです。

岡本ゆかこ

アフタヌーンティー・ティールームに勤務後、海外の食文化を学びにサンフランシスコへ。キッチンツール会社にて店舗ディレクション・スタイリング・企画を担当。フードコーディネーターアシスタントを経て独立。著書に『並べて焼くだけ! グリラーレシピ: 電子レンジ・オーブン・直火もOK 肉・魚・野菜がふっくらほくほく』『おうちで作るアイスケーキ』(河出書房新社)がある。
【公式HP】https://www.okamoto-yukako.com/
【Instagram】@okamoto.yukako

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