【体にやさしい「いたわりごはん」 Vol.10】今日はなんだかちょっぴりしんどい……そんな日は、体にやさしいごはんでパワーチャージ! 身近な食材で手軽にできるプチ薬膳メソッドで、体の調子を整えましょう。
蒸し暑くなってくると、食欲がなくてあまり食べられない人もいるのではないでしょうか? 6月から7月にかけての梅雨時期は湿気が多く、漢方や薬膳の考えでも胃腸に関係の深い時期で、過剰な湿気は胃腸を弱らせると考えられています。そのため、湿気の影響で食欲不振や食中毒、下痢などの胃腸のトラブルが起こりやすくなります。
そんな症状を改善するのに役立つのが、6月からスーパーなどでも見かける「赤じそ」です。赤じそは香りが良く、その香りが気の巡りを良くして胃腸の働きを高め、食欲不振を改善します。また、香りの性質により、体内に溜まった余分な湿気を取り除いてくれると薬膳ではいわれています。
しそ独特の香り成分であるペリルアルデヒドには胃液の分泌を促進する作用、胃腸の動きを良くする作用、気の巡りを改善して気分を爽快にする作用などがあります。赤じそだけでなく、青じそにも同様の効果が期待できます。青じそを食べる時にも、細かく刻むと香りが立つため薬効を高めることができます。
しそには胃腸の働きを良くする以外にも、発汗を促す作用があります。そのため、のぼせやすく、熱っぽい人は摂る量を控えめにしましょう。
赤じその葉と水、砂糖、お酢で作る赤じその濃縮ジュースです。飲む時は水や炭酸水で薄めて。さっぱりとしていて爽やかな香りが食欲を増進させてくれます。
梅干しに入っている赤じそで、大根を漬けてさっぱりと。大根も気の巡りを良くして胃腸を整え、消化を促進します。
手軽に赤じそふりかけを使って漬物に。生のままシャキシャキ食感を生かして。長芋も、消化を促進して食欲不振の改善に役立ちます。
※ゆかりは、三島食品の登録商標です。
今まで赤じそをあまり使ってこなかった人も、ぜひ今年は取り入れてみてくださいね。じめじめした季節も赤じその爽やかな香りで乗り切っていきましょう。
漢方薬・生薬認定薬剤師。調理師。薬膳アドバイザー。大学卒業後、薬局にて従事している時に、病気の予防、健康維持には食育が大切であると感じ、服部栄養専門学校に入学し卒業する。お料理好きの漢方マニア。