【元気になれる食事術 Vol.6】夏本番を迎えた今。熱中症についての基礎知識をもう一度 振り返るための「食事術」をご紹介。不調知らずの毎日を過ごすごしながら、熱中症対策もマスターしてみませんか?
毎日気温や湿度が高く、体が暑さに対応できないことでおこってしまう「熱中症」。みなさんはどのような対策をしていますか? 今回は、熱中症対策の基本を今一度確認し、予防に効果的な栄養素についてご紹介していきます。
熱中症とは、暑さによって体の体温を調整する機能が乱れ、自律神経の働きがうまく行われずに体のバランスが崩れて引き起るとされています。主な症状はめまい、けいれん、頭痛などで、その他にも様々な体の機能障害を引き起こします。
急に暑くなった日や、外だけでなく室内でも起こりやすく、今年もマスク生活がメインになるため、呼吸がしづらいと体の熱をうまく放出できずに熱中症が起こりやすくなる危険性もあります。基本的な対策としては以下の通りです。
熱中症だけに限らない話ですが、まずは健康な体を維持しておくことが大切なので、日々の食事からしっかりと栄養を補給したり、十分な睡眠・休養と適度な運動で体を丈夫にしておくことが熱中症対策にも効果的です。夏場は特に汗の量が増えるので、喉が渇く前にこまめに水分補給を心がけ、水分だけでは不足してしまう塩分も適度に補給することが大切です。塩分を意識するあまり、ついつい摂りすぎてしまっている場合もあります。あまり汗をかいていない時に塩分をたくさん補給してしまうと、体のバランスが崩れてしまうので注意が必要です。
また、スポーツドリンクなどは熱中症予防に必要な栄養素が含まれていますが、飲みすぎてしまうと糖分や塩分の摂りすぎにつながり、高血圧や糖尿病を招いてしまうこともあります。糖分を摂りすぎると疲れやすくなることもあるので、適量を心がけるようにしましょう。
カフェインを含む飲み物(お茶、コーヒー、アルコールなど)は利尿作用により脱水状態を加速させることもあるので、水分補給としてではなく、あくまでも嗜好品として飲むと良いです。
健康的な食生活が大切なのは分かるけど、どのようにしたらいいのか…。なんて迷ってしまうことはありませんか? ここでは、熱中症に効果的な栄養素と、それを豊富に含む食材をご紹介していきます。
塩に含まれる
小豆、海藻類、バナナ、ほうれん草、トマト、アボカド、イモ類、果物など
豚肉、納豆、うなぎ、きな粉、枝豆など
梅干し、レモン、キウイフルーツ、グレープフルーツ、酢など
「ナトリウム」は塩に含まれ、熱中症の基本として意識している方が多くいらっしゃいますが、見落としがちなのは「カリウム」。汗をかくと体の塩分とともにカリウムも失われています。様々な食材に含まれているのであまり不足することはありませんが、脱水症状を防ぐためにも塩分とカリウムは一緒に補給することが理想的です。
「ビタミンB1」と「クエン酸」は疲労回復に効果的な栄養素であり、体力の維持に必要です。料理に取り入れながら上手に摂取していけると良いですね。
夏場は食欲が低下して、冷たいものを欲したり、さらっと食べられる主食(素麺など)がメインになったりと、食事のバランスが崩れやすい傾向にあります。無理に食べる必要はありませんが、基本は一日3食、素麺などの麺類にはサラダチキンやサラダを合わせたり、飲み物は氷入りの冷たいものではなく常温のものにしたりと、体に負担をかけないようにするのがおすすめです。
いかがでしたでしょうか?健康的な食生活は体を丈夫に維持してくれるので、熱中症対策にも効果的です。自分の体の声に耳を傾けながら、無理をせず、暑い夏を乗り越えていきましょう!
管理栄養士、食学士、野菜ソムリエ。 大手企業の社員食堂栄養士、有名クッキングスクールの講師、食学士としてセミナー講師などを経験。現在は自身の子育てをメインに、管理栄養士の資格を活かして、食事と健康・美容の大切な繋がりや、子どもへの食育の大切さを多くの方に知っていただけるよう活動中。