【食材の効果的な食べ方 Vol.1】管理栄養士おすすめ食材の栄養素を、効果的に摂取する方法をご紹介。「栄養価」を高めるひと工夫とは? また、栄養素を損なわないようにする調理法は? 旬食材の栄養素を効果的に、おいしく食べられるコツをお届けします。
日本原産ではないものの、多くの人に好まれる「ごぼう」。中国から薬草として渡来し、和食などでは欠かせない食材となっていますが、実はごぼうを食すのは日本と韓国などごく一部の国のようです。そんなごぼうには、日本人が不足しがちな食物繊維が豊富に含まれています。
ごぼうに含まれる食物繊維は100g中5.7gととっても豊富。含まれる食物繊維にもいくつか種類がありますが、なかでも「リグニン」は便秘解消やコレステロールの排出を促して動脈硬化を予防する効果があり、「イヌリン」は急激な血糖値の上昇を防ぐため糖尿病の予防につながるとされています。
この「イヌリン」は、切り口に発生し、時間とともに増えると言われているので、切り口の表面が多くなる「乱切り」や「ささがき」の切り方がおすすめです。
また、ポリフェノールの影響で切るとすぐ変色してきますが、こちらも大事な栄養素なのでさっと水にくぐらす程度にすると良いです。
ごぼうの皮の付近にはうまみ成分である「グルタミン酸」が含まれているので、たわしでこするか、包丁の背でこそげるくらいにしましょう。
ごぼうには土付きのものと洗ってあるものの2種類が売られています。鮮度や風味を保持したい場合は土付きのものがおすすめです。包装されているビニール袋のまま冷蔵保管します。洗いごぼうはラップで包んで冷蔵保管します。
ごぼうは、まっすぐで太さが均一なものがおいしいとされています。鮮度が落ちたものは中が空洞になっていることがあるので注意しましょう。
いかがでしたでしょうか? ごぼうに豊富な食物繊維をさらに効果的に摂取するには、切り口の表面が多くなる切り方がポイントです。ぜひ意識しながら旬のごぼうを堪能してくださいね。
管理栄養士、食学士、野菜ソムリエ。 大手企業の社員食堂栄養士、有名クッキングスクールの講師、食学士としてセミナー講師などを経験。現在は自身の子育てをメインに、管理栄養士の資格を活かして、食事と健康・美容の大切な繋がりや、子どもへの食育の大切さを多くの方に知っていただけるよう活動中。