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コラム

義理チョコは存在しない!「アメリカのバレンタインデー」が日本と真逆でおもしろい

【アメリカの最新ごはん事情vol.6】1989年に渡米し、「セレブ御用達プライベートシェフ」としてアメリカで料理を作り続けてきた明比玲子さんに、日本ではなかなか知ることができないアメリカの食事情を教えてもらいます。第6回目のテーマは「アメリカのバレンタインデー」。アメリカ人がこよなく愛するチョコレートチップクッキーのレシピも教えてもらいました。

アメリカのバレンタインデーは男性が女性をもてなす日

日本では、バレンタインデーといえば「女性が男性にチョコレートやギフトを贈る日」や「義理チョコ」の存在を思い浮かべる方が多いと思います。一方、アメリカでは、今でこそ、年齢・性別に関係なく、みんながお祝いをする日になりましたが、基本的には「男性が女性にギフトを贈る日」なんです。また、義理チョコも存在しません。

スタンダードなバレンタインデーは、男性が女性に赤いバラの花束を渡して、高級レストランでロマンチックなディナーのひと時を過ごすという形。お目当てのレストランに予約が取れない人や、週末に外食を好む人もいるため、レストランは2月14日の前後1週間ずつを含めて、「バレンタインウィーク」となっていて、年末のホリデーシーズンの次にかき入れどきです。

バレンタインデーのレストランはカップルだらけ!?

画像提供:Adobe Stock

バレンタインデーにレストランに行くと、一種独特の雰囲気があります。ある年、私はバレンタインデーということをすっかり忘れて、日本から来ていた友人と一緒にディナーに行きました。すると、前後左右どこを見渡してもカップルオンリー。しかも、みんなテーブルの上で手を握り見つめ合ってキスをしています。私と友人は目のやり場に困ると同時に、「もしかして、私たちもそういう関係に見られてる?」と思い始め、食事もそこそこにバタバタと帰ってきたのを覚えています。

この季節には、シャンパンやチョコレートと一緒に食べると絶品な大粒で茎が長いいちごが販売されます。

コロナ禍ですがニューヨークのレストランは通常営業に戻ってきています。しかし、まだ屋内で食事をしたくない人や、家でゆっくり食べたいという人はシェフを雇い、家で食事を作ってもらったり、男性が女性のために腕を振るうという場合もあります。どちらもコロナ禍が原因で多くなりましたが、以前からそういうカップルも結構いました。

アメリカ人が愛する「チョコレートチップクッキー」

今回はどのレシピをご紹介するかとても迷ったのですが、アメリカ人が老若男女問わずこよなく愛する「チョコレートチップクッキー」にしました。アメリカには専門書があるぐらいチョコレートチップクッキーの種類があり、クリスピー、チューイー、ふっくらしたソフトなど種類が豊富です。人によって好みがありますが、今回は、外はサクッとクリスピーで中はモチっとした食感のチューイーに仕上がるレシピです。

チョコレートチップクッキー

<材料>(約24枚分)
無塩バター (室温に戻す)……115 g
グラニュー糖 …… 75 g
ブラウンシュガー ……100 g
卵 (室温に戻す) ……1 個
小麦粉 ……120 g
ベーキングパウダー……小さじ1/2
ベーキングソーダ……小さじ1/2
塩 ……ひとつまみ
バニラエッセンス……小さじ1/2
チョコレートチップ……220 g

1.小麦粉、ベーキングパウダー、ベーキングソーダを一緒に振るっておく。

2.バター、ブラウンシュガー、グラニュー糖、塩を白っぽくなるまでよくすり混ぜる。

3. 2.に卵とバニラエッセンスを加えてよく混ぜる。

4. 1.を3回ほどに分けて3.に加え、混ぜ合わせる。最後に入れた粉が完全に混ざってしまう前にチョコレートチップを加えて粉っぽさがなくなるまで混ぜる。決して混ぜすぎないこと。

5.ここで、生地を保存容器などに移して、冷蔵庫で1日ほど休ませる。こうすることによって、クッキーの仕上がりが全く違います。

6.生地を30gずつ、もしくは自分の好みの大きさに量り、綺麗に丸める。すぐに焼かない場合は、このままジッパー付き保存袋や保存容器に入れて冷蔵、又は冷凍保存。

7.すぐに焼く場合は、十分に間隔を取って天板に生地を並べ、あらかじめ180℃に温めたオーブンで13分ほど焼く。時間は、生地の大きさや温度、オーブンによって変わってくるので自分でチェック。

8.クッキーが完全に茶色くなるまで焼くとカリカリになってしまうので、まわりがきつね色で真ん中が白っぽいぐらいでオーブンから出して、そのまま天板の上で余熱を取ってからケーキクーラーなどに移し、完全に冷ます。天板で余熱を取っている間に、真ん中もほぼきつね色になります。

チョコレートチップの種類も色々あるのがアメリカらしいところです。

可能な限りアメリカっぽく、日本人好みのチョコレートチップクッキーに仕上げています。ナッツを入れてもいいですよ。砂糖の量をこれ以上減らすと、食感が変わってしまいますのでご注意を。

アメリカ人は、チョコレートが大好きなため、かなりたくさんのチョコレートチップが入っていて、これをミルクと一緒に食べます。大人になってもこういう食べ方をするので、見ていて微笑ましいです。日本だと、コーヒーか紅茶と合わせるのが普通でしょうか? ご自分の好きなお飲み物と合わせてくださいね。

明比玲子

兵庫県芦屋市生まれ。1989年に渡米し、ニューヨークのシェフ養成学校で学んだ後、本格的に料理に取り組む。著名レストランでパティシェとして経験を積み、アメリカ人と日本人に料理とお菓子の指導も行う。日本の料理雑誌への寄稿やフードスタイリングも行いつつ、2008年からは、コンサルティングの仕事なども兼ねながら、ニューヨークセレブのプライベートシェフとして、活躍中。
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