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世界のレシピ

朝食からスイーツまで!「春巻の皮」で世界各地の料理が作れる!?

【世界の台所探検 Vol.35】世界中の台所を訪れて現地の人と料理をする台所探検家・岡根谷実里さん。今回は、中途半端に残りがちな春巻きの皮を使って世界の料理を作ります。

春巻の皮、残りませんか?

たいてい10枚入りで売られている春巻の皮。必要な分だけ買っても、ぴったり使い切れることはなかなか少ないのではないでしょうか。春巻の皮を使い切る方法として、チーズなどを包んで揚げるスナックは定番ですが、実は世界の料理を作るのにも、大いに活用できるんです。

餃子やシュウマイの皮とまったく別もの

そもそも、春巻の皮ってどういう食材なのでしょうか。実はその“兄弟”のように見える餃子やシュウマイの皮にはない2つの特徴をもっていて、そのため「春巻の皮だからこそできる料理」があるのです。

1つ目は、大きさ。ひと口サイズのおつまみならば餃子やシュウマイの皮が便利ですが、クレープの生地のように使ったり大きなものを包みこむには春巻の皮が活躍します。また、薄さも「春巻<焼売<餃子の皮」となっていて3者の中で一番薄いので、薄い生地を広げてつくる料理で生地の代用としてぴったりです。

2つ目は、製造工程。餃子とシュウマイの皮は、小麦粉に塩と水などをまぜた生地を薄くのばしてつくられ、加熱されていません。両者の違いは生地の厚さやカットの形で、配合に多少の違いはあるものの基本的な製法は同じです。一方春巻きの皮はというと、小麦粉などを水に溶いた薄い液を流し広げ、蒸して仕上げます。袋から出した状態でも少しふかふかしているのは、既に蒸されているからなのですね。気泡のあるすかすかした構造のため、揚げるとサクッと軽やかな食感に仕上がります。また焼く場合には調理時間が短くてすみます。

この特徴を活かして、世界の料理をつくってみましょう。

台湾朝食「蛋餅(ダンピン)」

もちもち皮が魅力の、台湾朝食。本来は小麦粉で生地液作るところから始まり、鉄板に流して焼いて作るものですが、春巻の皮を使えば一人分から手軽に作れてしまいます。実際に作ってみたら、5分たらずで完成してびっくり。朝食やおやつにもぴったりです!

インドのスナック「サモサ」

インドのサモサは、カレー味のマッシュポテトや野菜を生地で包んで揚げる三角形の軽食。本来は生地作りから始まるのですが、これも春巻の皮を使えばショートカットできてしまいます。おかずの残りを包んでアレンジしてみてもいいですね。

フランスのおもてなし料理「キッシュ」

パイ生地を使って作る華やかな料理ですが、バターがたっぷり使われたパイ生地はカロリーが気になる... そんな時には春巻の皮がおすすめですよ。パイ生地のように生地が層になっていない分食感は異なりますが、軽やかに焼き上がります。あらゆる具材を入れられる料理なので、皮だけでなく半端な野菜の使い道としても活躍しそうですね。

チュニジアの軽食「ブリック」

地中海周辺や中東地域で使われる食材の一つに、「パートフィロ」というものがあります。まるで障子紙のように薄い小麦粉生地なのですが、どのくらい薄いかと言うと、向こうが透けて見えるほど。くるくると丸めた状態で売られています。お菓子作りやオーブン料理に使われるのですが、この代用に、大きくて薄い春巻の皮がぴったりなのです。 チュニジアのブリックも、パートフィロを使った料理の一つ。じゃがいも・卵・ツナといった具材を皮に包んで揚げます。家にあることの多い具材で作れるので、気軽に試せそうですね。

イタリアの揚げ菓子「カンノーリ」

そしてなんと、春巻きの皮でデザートまで作れてしまいます。 最近人気になりつつある、イタリアの揚げ菓子カンノーリ。小麦粉で生地を作って筒状に揚げてリコッタチーズのクリームを詰めるというものですが、生地を作ってきれいな形で揚げるのはなかなか鬼門です。春巻の皮をアルミホイルで作った筒に巻き付けて揚げると、とってもスマート。風味はややあっさりしますが、崩れる心配が少なく手軽に作れます。

餃子の皮もよさそうですが、春巻きの皮を使うとよりパリッと色よく仕上がります。4つ切りにした春巻きの皮を2枚重ねるのがおすすめですよ。

カンノーリのレシピはクックパッドにもいくつか投稿されていますので、参考にしてみてください。
●こちら>

もう残り物なんて言わせない!

朝食にスナック、おもてなしにデザートまで。中途半端に余った春巻の皮で、こんなにさまざまな世界各地の料理が作れてしまいます。あわせる具材も、家にあるものやアレンジの効くものが多いので、気軽に試してみてくださいね。

岡根谷実里さん

台所探検家。世界各地の家庭の台所を訪れ、世界中の人と一緒に料理をしている。これまで訪れた国は60カ国以上。料理から見える社会や文化、歴史、風土を伝えている。 著書に 「世界の台所探検 料理から暮らしと社会が見える(青幻舎 )」がある。