きゅうりを丸ごと1本ちくわに入れた「丸ごとちくわきゅうり」を知っていますか。一度見ると忘れられないビジュアルですが、高知県では当たり前の食べ方だそう!今回、どうして高知県ではこの形で食べられているのか、水産練物製品を高知県で製造・販売されている株式会社けんかまの市川社長にお話を伺いました。
今年6月にクックパッドニュースで配信したこちらの記事、皆さんは記憶にありますか?
高知県では当たり前に食べられている、きゅうりを丸ごとちくわに入れた料理を紹介しました。実はこちらの記事が大反響で、6月に配信した記事の中で2番目に多く読まれた人気記事となりました。
「ちくきゅう」の愛称で親しまれているこの料理、多くの人はきゅうりを1/4カットなどしてちくわの穴に入れると思います。そのため、きゅうりを丸ごとちくわに入れている「丸ごとちくわきゅうり」のビジュアルに驚いた方も多いはず。
では、どうして高知県ではこのスタイルで食べられているのでしょうか? 今回、高知県須崎市でちくわなど水産練製品を製造・販売されている株式会社けんかまの市川隆弘社長にお話を伺いました。
ーー高知県では、ちくわきゅうりのきゅうりはどうして丸ごと入っているのでしょうか?
高知県で売られているちくわのほとんどが、通常のちくわよりも穴が大きいからだと思います。ちくわを作る機械がありますが、ちくわを巻き付ける棒の太さは12mmと16mmの2種類に分けられます。他の都道府県では12mmを使ったちくわが売られていると思うのですが、高知県で売られているちくわは16mmと太い棒で作ったものがほとんどなんです。だから、きゅうりも入れやすくこの形になったんだと思います。
――高知県のちくわは、そもそも穴が大きいんですね!他にも、丸ごとちくわきゅうりが誕生した理由は考えられますか?
あとは、高知県はきゅうりがたくさん採れます。だから、きゅうりを消費するって意味でもこの料理が広まっているんだと思います。
――確かにカットせず丸ごと入れれば、一度にたくさんきゅうりを食べられますね。どんな時に、高知県の方はこの料理を食べるんですか?
お酒のつまみ、おやつと子どもからお年寄りまで、みんな食べますよ。自分が子どもの頃も、おやつによく出されました。私たちからすると、「ちくわを食べている」というよりも「野菜を食べている」という感覚ですね。
――おすすめの作り方はありますか?
ちくわを10〜20秒レンジで温めてから、きゅうりを入れると良いですよ。そうするとちくわがよく伸びて、きゅうりを入れやすいんです。
――他の都道府県では、丸ごとちくわきゅうりを食べる機会がほとんどありません。そのことはご存知でしょうか?
知ってます! 県外の居酒屋でちくきゅうを頼むと、きゅうりが丸ごと入っていないので違和感を感じますね。私たちの会社では、「土佐須崎ちくわ」という商品を販売しているのですが、元々は業務用で作っていました。しかし、高知県のちくきゅうの知名度が上がってきたことで、問い合わせが増え、家庭用として販売も始めました。見た目も面白くて、写真映えするのでウケているんでしょうね。県外の方に「高知県のちくきゅう」をもっと知ってもらうための情報発信も積極的に行なっています。だからこそ、もっと多くの方に食べていただけたら嬉しいです。
驚きのビジュアル「丸ごとちくわきゅうり」ですが、高知県ではみんなに愛されている料理なんですね。食べごたえがあって、見た目も楽しいこの料理。ぜひ、この夏は「丸ごとちくわきゅうり」を6月に配信した記事を参考に、作ってみてはいかがでしょうか?
高知県須崎市に昭和36年創業。須崎どれの魚と野菜にこだわり、焼きたて・揚げたての商品を提供している。ギフト商品や土佐土産の販売も行い、須崎本店には須崎名物「鍋焼きラーメン」や「土佐のかつおたたき」が堪能できる土佐魚菜食堂も併設。平成29年4月からは「かまぼこと野菜」をおいしく食べてもらうための「ベジフィッシュ」計画などもやっています。