cookpad news
コラム

野菜博士・緒方湊くんに聞く!「しいたけ」の栄養が増える方法はどれ!?

秋は味覚の宝庫。鮭やさつまいも、柿などおいしいものがたくさん食べられる季節ですが、その中から今回は「しいたけ」に注目。実はしいたけって“ある工夫”をするだけで、栄養がぐんと増えるって知っていましたか?早速、野菜博士の緒方湊くんに「しいたけの栄養をアップさせる方法」について話を聞いてみました。

しいたけは○○をすると栄養価が上がる

しいたけには、カルシウムの吸収をサポートしたり、免疫力を調整してくれる“ビタミンD”という栄養が多く含まれています。人間は紫外線を浴びることで体内でビタミンDが生成されますが、しいたけも同じ。日光にあてることでビタミンDが増え、栄養価がぐんと高まります。食べる前に30分〜1時間、かさの裏の“ひだ”の部分を上にして並べて、日光に当ててください。日にあてて乾燥させることで、うまみ成分のグアニル酸も増え、おいしさもアップします。

冷凍しても栄養価がアップする

日光に当てるというのは知っている人も多いかと思いますが、しいたけは冷凍することでもうまみが増します。ただし、冷凍の場合はビタミンDは増えずにうまみが増えるだけです。「しいたけはほぼ水分でできている」といってもいいくらい水分が多いので、冷凍することで、しいたけの細胞内の水分が凍り、細胞膜が壊れやすくなり、細胞の中にあったグアニル酸「旨み」が出てきます。

保存するときは、石づきを切り落としてスライスし、ジッパー付きの保存袋などに入れて冷凍するといいですよ。調理するときは解凍せずに、凍ったまま調理をしてください。

湊くんが「しいたけの疑問」に答えます!

さらに、湊くんがしいたけの選び方やおすすめの調理法を伝授。「しいたけは洗っていいの?」「しいたけってどれくらい焼けばいいの?」など、みなさんの疑問にも答えてくれました。

疑問1.しいたけは洗ってもいいの?

しいたけは水で洗うと栄養分も風味も流れ落ちてしまいます。汚れが気になるときはふきんなどで軽く汚れを落とすだけでOK。保存するときも、水滴がつかないようにキッチンペーパーや新聞紙で包んでから保存袋に入れましょう。

疑問2.おいしいしいたけの選び方って?

傘の部分を横から見て、厚いものがおすすめです。傘が開ききっているものは鮮度が落ちていたり、食べ頃を過ぎていることが多いです。しいたけは胞子にうまみが詰まっているので、その胞子が落ちていないものがおいしいシイタケです。傘が開いていないものは胞子が残っている、つまり“うまみ”がたくさんある。傘が開いているものは、胞子が落ちて、うまみも落ちています。また、軸が細いものよりも太いものがおすすめです。肉厚な傘を支えるには太い軸でないと支えられません。

疑問3.しいたけってどれくらい焼けばいいの?

うまみが逃げないように傘の内側を上に向けます。焼いている時に傘の内側に水滴がでてきたら食べころです。ひっくり返す必要はありません。この水滴にはうま味がつまっていますので、ひっくり返してこぼすのはNGです。

疑問4.しいたけの軸って食べられるの?

切り落とした軸の部分は捨ててしまうことが多いですが、実は軸にもうまみがたっぷり含まれています。石づきと呼ばれる軸の根元の部分を切り落とし、手でほぐしたり細切りにすれば、きんぴらやみそ汁の具などに使えます。

疑問5.しいたけのおすすめの食べ方を教えて!

バーベキューや焼肉のときに、しいたけが焼けすぎて水分がなくなってしまいカサカサになった経験はありませんか? そういうときは「ホイル包み焼き」にすると、ホイルで水分を閉じ込めるので、カサカサになる心配はありません。ホイルを開けた時に、シイタケのいい香りが漂います。バターと醤油を傘に垂らして食べてもおいしいですし、傘の部分にみじん切りのニンニク、刻んだベーコン、オリーブオイルを垂らして簡単アヒージョなどもおすすめです。

しいたけが苦手という人もいらっしゃいますが、もしかしたらそれはうまみ成分を逃してしまっているからかも!? ぜひみなさんも、湊くんおすすめの調理法&保存法を試してみてください。しいたけの概念が変わるかもしれませんよ。

メイン画像提供:Adobe Stock

『野菜がおいしくなるクイズ』飛鳥新社

\まいにちのお買い物が、宝探しみたいに楽しくなります!/
いつも使っている身近な野菜の選び方・食べ方・保存法など、すぐに役立つワザを最年少野菜ソムリエプロ・緒方湊くんがクイズ形式で解説してくれる一冊です。
クイズにこたえながら、野菜のおいしい食べ方を身につければ、自然と料理も上手になってしまいますよ。ぜひお手元に一冊どうぞ。

緒方湊(おがたみなと)くん

最年少野菜ソムリエプロ。
幼少期から野菜や果物が大好きで、8歳で「野菜ソムリエ」、10歳で「野菜ソムリエプロ」に合格。多くのメディアでも紹介され、「天才野菜博士ちゃん」としてテレビ出演も多数。
自宅の菜園で日本各地の「伝統野菜」を栽培をしつつ、イベントや講演を通して野菜の魅力を発信中。

ウェブサイト:みなとの野菜大辞典

編集部おすすめ
クックパッドの本