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コラム

普通のお鍋で水なし肉じゃがほんとにうまくつくれる?

料理をしていて感じるふとした疑問に、クックパッドスタッフが実際にやってみるシリーズ。あくまでスタッフの主観のもと、いろんな気になることにチャレンジしていきます。

こんにちは。クックパッドたべドリ事業部のかなです。

「水なしでつくる肉じゃが」ってあるじゃないですか。 普段つゆだくトロっとした肉じゃがをつくっている私は、水なしでつくるなんて...焦げて失敗するイメージしかない...。

●無水鍋とか特殊な鍋を持ってないとできないんじゃないか....?

●火加減がめっちゃ大変なんじゃないか...?

●なんか裏技があるんじゃないか...?

と、とっても疑心暗鬼です(笑)。 ということで、水なし肉じゃがって普通のお鍋で、特別なテクニックを使わないで、本当においしくつくれるのか?を試してみました。

つかう材料

水なし肉じゃがのレシピを調べてみると、材料にしらたきをいれているものをまあまあ見かけました。しらたきは加熱すると水分がとても出る食材なので、コレ使ったらフェアじゃないよね〜、と思ったので、シンプルに野菜と牛肉だけで挑戦! 使う調味料は、醤油・酒・砂糖のみ。

玉ねぎはくし形切り、にんじんは大きめの乱切り、じゃがいもも大きめ。火が通るのか?

水なし肉じゃがにチャレンジ

ググってでてきた水なし肉じゃがレシピを参考に、ごく普通の両手鍋と卓上IHという環境でLet's Cooking!
ごく普通のテフロン加工の両手鍋をつかって、まずは牛肉をサラダ油で炒めていきます。

レシピにはどれくらい炒めたら調味料を入れるのか書かれていたなかったので、肉の赤みがだいたいなくなってきたところで、しょうゆ・酒・砂糖を投入。
なんだかすき焼きっぽい濃厚な味の雰囲気〜。

そしてすぐさま、野菜を投入して軽く全体を炒め合わせる。間髪入れずに蓋をして、加熱するだけらしい。なんて簡単!
でもぱっと見、まったく汁気なしなので一抹の不安がよぎる…いつもなら先にだし汁いれるけどなあ…

しかし、蓋をしてしばらくすると水蒸気がびっしりと!野菜からあふれるように水が出てきているようです。

中火で5分経過したところで中身の確認。蒸気がぼわっと立ちました!野菜もうっすらしょうゆの色がついてきていますね。でも、まだ火が通った状態とは程遠い感じ。
気になる水分ですが、鍋底にたまっているの、みえますか?短時間でこんなに出てくるなんてびっくりです。

再度フタをして引き続き加熱すること15分。放置するのも(心配すぎて)この辺が限界では、ということで状態確認!

おお〜なんかホクホクっとなってる?

菜箸がささるので火はちゃんと通ってますね。

汁気は、ゼロ。

これにて水なし肉じゃが完成です!みてください〜この映え映えな仕上がりを!
これは肉じゃが?私が日ごろつくっている肉じゃがとはぜんぜん違う、ホクホクなモノができあがりました。
鍋がすっきり空になるのも気持ちいい〜。

おいしそうすぎて、アップの写真をもう一枚!

さっそく試食!したんですが、結果を比較するために、同じ鍋、同じ食材でつくった水ありバージョンについて先にレポートしますね。

水あり肉じゃがもつくってみる

調味料を入れたタイミングで、だし汁を具材に対してひたひたにいれてみました。私は普段汁気多めでつくることが多いです。この煮汁をごはんにかけて食べてもおいしいんですよねえ〜。

煮立たせていくと、あれ?アクがでてきた。そうですよね。牛肉煮たらアクが出てきますよね。水なしではそもそも煮汁がなかったので存在をすっかり忘れてました。浮いてきたらとらなくては気になります。
この差も水なし簡単!と感じた所以かも。

アクをある程度とって、あとは同じように煮ていくだけ。落し蓋が用意できる人はしてもいいですし、今回は同条件にこだわったので、蓋をして煮ていきました。 だし汁が入っている分、水蒸気も滝のようですね〜。

はい、完成です〜。じゃがいもが崩れているこの感じ。いつもどおりです(笑)このトロトロ感が大好きなんですよねえ〜。

実食

見た目は最高においしそうにつくれた水なし肉じゃが。水あり肉じゃがとともに試食してみました。いや〜どっちもウマっ!ごはんがほしい〜

見た目

水なしはそもそも煮汁がないので煮もので起きる「煮崩れ」という状態にならないので、ツルッとした感じに。煮汁があると少なからずほろっと具材がくずれていました。

食感

溶けるような食感の水ありに比べ、水なしは食材から水分が抜けている分しっかりした食感があり、ホクホク感がすごい!同じ分量なのに食べごたえにだいぶ差を感じました。

味つけ調味料は全く同じなのですが、水ありは煮汁が具材に染み込んでいるので、全体的に優しい味が楽しめました。対して、水なしは調味料の味が濃く感じます。具材の表面に濃いめの味がついていて、特にじゃがいもの中心は白いままで味ははいりこんでいません。しかし…驚いたのは、野菜の味!甘みが凝縮されていて、素材の味を食べているなあ〜という感じでした。個人的にはこっちのほうが好きかも!

考察してみる

結果からして、水なしの肉じゃがは大成功!ごく普通の鍋で、特別なテクニックを駆使することなくとってもおいしくつくれることが体験できました。でも、私がふだん煮ものとしてつくっているだし汁をつかった肉じゃがとは明らかに別物で、この正体を少し探ってみたいと思います。

水なし肉じゃがの構造を分解する

これは、今回つくった水なし肉じゃがの設計図です。
定番の肉じゃがはだし汁:しょうゆ:みりん=8:1:1で味付けることが多いですが、今回はみりんではなく、酒・砂糖をつかっています。みりんはもち米をつかったアルコール度数14%ほどもある甘めのお酒なので酒+砂糖で代用可能です。みりんか酒+砂糖の違いが、この出来映えに直接大きな影響があったとは考えにくいですね。

私が注目したのは、調理法。実際にやってみて、これは煮る、ではなく蒸した感じだったということ。蒸し煮っていうのかな。煮る場合、食材は煮汁の力を借りて味を含み、やわらかく変化していきますが、煮汁がないと食材自身の力で水を出し、味をまとって食べられる状態に変化していきます。したがって蒸されて水分が抜けたことによって、持っているうま味が凝縮された食材は、自分の力を最大限に引き出された最高の状態になっているんだと思います。

水なしで簡単とか手軽、ということが注目されがちですが、素材の力を最大限引き出した肉じゃがである、とも言えるのではないでしょうか。

でも、どっちもじゃがいもと肉をつかったおかずには変わりなし!
ほんの少しの違いが全く違う方向に導いてくれるから、どういうふうに食べよう?と考えながら料理するのは楽しいですね!

もし、普通の肉じゃがもつくったことないよ〜というかたは、たべドリの入門ドリルもあるので、是非試してみてください。

こんな感じで、料理のモヤッとをいろいろ試していますので、よかったら他の記事も参考にしてみてくださいね。

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それではまた〜!

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