「見えない力」でおいしくなる母の愛情ごはん〜「ごちそうさん」勝手に完食リポート⑬〜

西門家、卯野家の家族に囲まれて、長女・ふ久を出産したお正月から早９年。時代は昭和へと移り、め以子はなんと３児の母に！ 家事も大阪弁もすっかり板につき、立派な主婦に成長しています。め以子と悠太郎の間に生まれた子どもは、ふ久のほか、泰介（たいすけ）、活男（かつお）と、なんだか某アニメの家族のようなネーミングですね（笑）。料理の腕をますますあげため以子が作る手づくりのおやつは、子ども達の友だちにも大人気！ 家でアイスクリンなんかもできちゃうんですから、最高ですよね！

そんな中、め以子の一番の悩みはふ久のこと。食に全く感心がなく、め以子が作るごはんにも興味ゼロ。おまけに学校で石を投げて友だちをケガさせたり、ボヤ騒ぎを起こしたり。ふ久のことが全く理解できないめ以子は、普通ではないのでは？ と思い悩むようになります。

ぬか床に宿るめ以子の祖母・トラに言わせれば「め以子だって充分へんな子だった」のだけれど、大人になると忘れちゃうんですね。母・め以子、前途多難です。

じつは、ふ久は、世の中にある「見えない力」に興味があったのだとわかります。「どうして石は落ちるのに、煙は上がるのか」。ふ久の疑問を解決してくれたのは義父・正蔵。疑問が解決し、ふ久は明るい表情になるのです。ふ久は悠太郎似の理系女子だったんですねえ。

そして、生まれたときからめ以子のごはんしか食べていないため、「おいしい」ということがわからなかったのだ、ということも判明。なんとも贅沢なお話ですね。いつも食べているごはんはめ以子の「見えない力」でおいしくなるんだ！ そう理解したふ久は、ごはんをしっかりと食べるようになるのです。

ドラマに登場しため以子の手づくりアイスクリン。とってもおいしそうでした！ クックパッドにも、手づくりのおやつレシピがいろいろありますよ。

お母さんの手づくりの味はいつまでも心に残ります。「世の中はいろんな見えない力が働いている、そしてその力は母が作ってくれるごはんにもある」。「見えない力」とともに、め以子は娘・ふ久のことを理解できるようになるのです。

と、なんとか一件落着した西門家。ところが、もうひとつ、大きな問題が起ころうとしていたのです。気になる展開は次週へ。2014年の「ごちそうさん」も見逃せませんね。（TEXT：田久晶子）

昭和７年。め以子は大阪の地にもすっかり慣れ、今や３児の母になりました。西門家では、義父・正蔵もいっしょに暮らすようになり、希子はなんとラジオ局のアナウンサーに！ そんな中、め以子の心を曇らせているのが、長女・ふ久のこと。め以子の作る食事に興味を示さず、学校でも奇行ばかり。ついには停学になってしまいます。悠太郎に相談をしても、かえって母親としての自覚を問われ、言い争いに。悠太郎は、職場で地下鉄工事を担当し、現場と設計者の間で板挟みになっていたのでした。そんなある日、正蔵は、ふ久がやかんのふたが湯気であがる様子に関心を示しているのをみて「見えない力」に興味を持っているのだと気づきます。