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コラム

余ったあんこの活用術!もち米の代わりに◯◯を使う「江戸のおはぎ」

【ほっこり江戸ごはんvol.15】江戸好きが高じて、地毛で「ちょんまげ」まで結ってしまった江戸マニアの伊尾木将之さんに、江戸時代のレシピとともにほっこりエピソードを教えてもらいます。

おはようございます、こんにちは、こんばんは。 江戸時代が大好きで江戸の食文化を研究している伊尾木と言います。

今年のおせち料理に、栗きんとんを作ったんですが、幼稚園児の子供にさぞ喜んでもらえると思ったんですが... 栗きんとんにはまったく手をつけず、栗きんとんを作ったときに余ってしまったさつまいもの皮を天ぷらにしたものしか食べてくれませんでした... 子供は難しい。

さて、そんな個人的な話はおいておいて、今回紹介するのはうずらの卵で作るおはぎです。

作り方

茹でたうずらの卵をもち米部分にみたてたおはぎです。お正月にあまってしまった餡子があったら使ってみてください。

まずはうずらのゆで卵を作ります。そのときに、画びょうで穴を1つ開けておくと、後で剥くときにツルッといけます。

ゆで卵の殻をとって、水飴を表面に塗ります。これはなくても構いません。

ゆで卵を餡子で包んで、完成です!

江戸のほっこり話

江戸時代、小豆の餡子を使ったお菓子や料理が発展しました。

餡子ではないのですが、1月15日の小正月には小豆粥という小豆と米を炊き込んだ料理を食べる風習がありました(ちなみに小正月は女正月とも呼ばれ、正月に来客などで大変だった女性がゆっくりする日でもありました)。 現在でも食べておられる方もいらっしゃると思います。

この小豆粥は粥柱と称して餅を入れたようです。さらに味付けはなかったようなのですが、江戸では小豆粥に砂糖を入れて食べていたようです。 お粥に砂糖というのが面白いですね。 やっぱり小豆に餅なので、餡子っぽくしたかったのかもしれません。 逆にいうと、餡子でお粥にしてしまっても同じかもですね!(?)餡子がまだ余っていれば、ぜひ挑戦してみてください!

参考文献
- [1] 中江克己, 『お江戸の意外な「食」事情』, PHP研究所, 2008.

伊尾木将之

大阪出身のうさぎ好き。修士までは物理を学び、博士課程で情報系に進むも撃沈。現在はクックパッドでエンジニアをしながら、食文化を研究している。
日本家政学会 食文化研究部会の役員を務める。
2020年秋から社会人大学生(文学部)に。
本業は川崎フロンターレのサポーター。

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