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「米粉」が話題だけど、小麦粉とどう違うの?徹底比較してみました!

【話題のレシピ、試してみた Vol.11】世の中で流行っているレシピや、クックパッドニュースで人気を集めたレシピ。料理の楽しさを発信しているクックパッドアンバサダーのみなさんが、気になるレシピを実際に試してレポートします!

今話題の米粉。小麦粉と何が違うの?

小麦粉の値上げにともない、その“代わり”として注目されている「米粉」。
一見よく似た粉ですが原料はそれぞれ小麦と米で全くの別もの。普段の料理やお菓子作りで使うとどのような違いがあるのか、気になりますよね。
そこで今回は米粉の活用レシピを2つご紹介しながら、小麦粉との徹底比較にチャレンジします。

見た目の特徴

左:米粉、右:小麦粉(薄力粉)

まずは見た目の違いをご覧ください。

<注目ポイント1・外見>

米粉は色が真っ白でさらさら。
小麦粉はクリーム色がかっていて、ふんわりしていますが粉同士がくっつきやすく部分的にかたまりが見られます。お菓子作りで事前に粉をふるうのはこのままだとダマになりやすいので空気を含ませてさらさらにするためです。

ちなみに、袋から出す前に外から触ってみると米粉は「キュッ」とした抵抗を感じ、小麦粉は「ふにゃっ」とやわらかい感触でした。

お弁当にもぴったり!米粉の唐揚げ

まずは下記レシピを参考に唐揚げを作ります。

【材料】

鶏もも肉…500g

A)酒、みりん…各大さじ4
A)しょうゆ、めんつゆ(濃縮タイプ)…各大さじ2
A)さとう、すりおろししょうが、すりおろしにんにく…各大さじ1

米粉…25g(+比較用に小麦粉25g)
片栗粉…25g(+比較用に片栗粉25g)

揚げ油…適量

【作り方】

.余分な脂を取り除き食べやすい大きさに切った鶏もも肉とAをビニール袋でもみこみ、冷蔵庫で30分以上(できれば一晩)寝かせる。

.米粉25gと片栗粉25g、小麦粉25gと片栗粉25gをそれぞれ混ぜあわせ、鶏肉を半量ずつまぶす。

左:米粉+片栗粉、右:小麦粉+片栗粉

<注目ポイント2・吸水量>

粉を同時にまぶし、軽くはたいた状態。
米粉は鶏肉へのなじみが早く薄付き、小麦粉は粉っぽさが少し残ります。
吸水のよさは米粉>小麦粉のようです。

.フライパンに5cm程度の揚げ油を熱し、鶏肉を160度で15分じっくり揚げる。

.いったん取り出して5分休ませ、180度の揚げ油でサッと揚げてキッチンペーパーで油をきる。

早速揚げたてを比較。

米粉の衣は薄付きで、粉の粒が見えてザラつきのある表面。菜箸でつつくとカラッと揚がっています。
小麦粉はよく見ると衣につながりが見られ面状で鶏肉を覆っているように見えます。こちらもカラッと揚がっています。

<注目ポイント3・食感>

気になる食感の違いは……
米粉は薄付きなのでカリサクッ!小麦粉はパリッとした食感で歯切れがよいです。

そして今回比較するにあたり唐揚げを選んだ理由のひとつは、冷めた状態も比較してみたかったから。唐揚げはお弁当の定番で冷めてもおいしい人気のおかずです。しばらく置いた後の食感の違いにも注目してみましょう。

<注目ポイント4・吸油量>

30分後、見た目にさほど変化はみられませんが食感の違いは感じられました。
こちらのレシピは片栗粉を半量混ぜてサクッとした食感を保つ工夫がなされていますが、 両方とも揚げたてと比べると衣の食感はやわらかく、さらに小麦粉の衣は油っぽさとベタつきが少し出ている様子。

ここからわかるのは、吸油量は米粉<小麦粉ということ。
米粉は時間を置いても表面に油浮きが少ない分、揚げたてに近い食感でいただけます。

ふわもち食感でやみつき!米粉マフィン

次は下記レシピを参考に米粉スイーツを作ります。

スイーツの場合は単に同量を置き換えるだけでは上手くいかないので今回は上記レシピの米粉マフィンと、簡単に作れるホットケーキミックス(主原料:小麦粉)を使って多少のアレンジを加えた小麦粉マフィンとの比較をします。

【材料】(ミニマフィン12個分)

バナナ…90g
さとう…15g
卵…1個
米油(または太白ごま油)…15g

A)米粉…50g
A)ベーキングパウダー…3g

【作り方】

.オーブンは180度に予熱する。マフィン型にグラシンペーパー等を敷いておく。(シリコンの型で作ってもOK)

.バナナを手でちぎって耐熱ボウルに入れレンジ600Wで1~2分加熱して柔らかくし泡立て器でよく混ぜる。

.バナナがふんわり混ざったら、さとう、卵、米油の順で加えてよく混ぜあわせる。

.Aを加えて混ぜあわせる。

.準備しておいたマフィン型に生地を入れ、180度で約15分焼く。

<注目ポイント5・作り方>

小麦粉は水を加えて混ぜあわせたり時間を置いたりすると「グルテン」というたんぱく質ができます。
お菓子作りではグルテンができると食感がかたくなるので、軽く混ぜあわせることで歯切れのよい食感を目指します(ホットケーキミックスは商品により適度な混ぜ具合はさまざまです)。

それに対して米粉はグルテンができないのでグルグル混ぜても問題ありません。お菓子作り初心者さんでも扱いやすいですね。
混ぜた後の生地は、米粉は水に溶けやすいのでさらり、小麦粉はもったりしています。

<注目ポイント6・水溶け>

ちなみに、この後ボウルを洗ったら米粉の方が水でさっと落ちやすかったです。 洗い物が楽なところも嬉しいポイントです。

焼き上がり

断面

<注目ポイント7・生地の弾力>

米粉マフィンは表面も生地もキメが細かく生地の目が詰まってボリュームはおさえ気味。食感はふんわりしたなかにも弾力がありもっちりしています

小麦粉マフィンの表面はゴツゴツ、生地はキメが粗く、気泡が大きい分ボリュームが出ています。食感はふんわりして歯切れがよいです。

米粉は、より「もちふわ」に仕上がる!

唐揚げとマフィン作りを通して米粉と小麦粉の違いをいくつか発見しました。
米粉の唐揚げはカリカリジューシー、米粉マフィンはもちふわ!おかず系にもスイーツにもぴったりの粉です。

米粉はアレルギー源となり得る「グルテン」を含まず「グルテンフリー」食材としても人気。さらに低GIなので、米粉を主原料として作ったパンやお菓子は食後血糖値の上昇が緩やかで腹持ちがよいとされています。

みなさんもお気に入りのレシピで米粉料理を楽しんでみてくださいね。

執筆:kaana57(クックパッドアンバサダー2023)

料理家。お弁当に活用しやすく、素材の味をいかした栄養たっぷりおうちごはんを考案。レシピ開発/撮影/記事執筆などで活躍中。ヘルスフードカウンセラー1級、料理&ブレッドライセンス、フードスタイリストBTC資格など、所有資格多数。

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