【今週のおすすめの一冊 vol.54】編集部が特に「おもしろい!」と注目した料理にまつわる本をピックアップし、気になる中身をご紹介します。今回は『食べたい作りたい現地味 もっと!おうち韓食』(主婦の友社)についてご紹介します!
『食べたい作りたい現地味 もっと!おうち韓食』 は、有名どころからマニアックなひと皿まで、おうちで作って楽しめる韓国料理のレシピが満載の本です。
ドラマや音楽など、韓国のカルチャーに触れる機会が多い最近。 韓国のエンターテイメントに触れるうち、ドラマのワンシーンやアーティストのSNSに登場する料理が気になる、食べてみたい!という方も多いのではないでしょうか。
本書はそんな方々におすすめの、日本にいながら韓国料理「韓食(ハンシク)」を調理して楽しめるように作られたレシピ本です。
著者は世界各地で出会ったおいしいものを再現するレシピに定評がある、料理研究家の重信初江さんです。 重信さんは韓国ペン(ファン)歴20年以上のベテランで、「おうち韓食」シリーズは本書が2冊めとなります。
本書では冒頭に、知っているようで知らない韓国の基本食材や調味料についてまとめてあります。 これを知ったうえで調理すれば、ぐっと本格的な味わいの料理が作れるようになりますよ。 いくつもあるポイントの中から、すぐ実践できるものを抜粋してご紹介します。
韓国料理ではにんにくをつぶして使うことが多く、専用のつぶし器なども売られているそう。
日本で調理する際は、皮をむいて包丁の腹でつぶせばOKです。「汁が出るまでしっかりつぶす」のがポイント!
韓国の一般家庭では、煮干しなどでだしをとる際に、長ねぎや玉ねぎなどの香味野菜を加えて煮るそう。
香りだけでなく野菜の甘みもだしに加わり、料理がいっそうおいしくなります。
このポイントは日本でもすぐに試すことができますね!
ここからは、本書で紹介されているメニューのうち、「ユブキムパプ」のレシピをご紹介します。 韓国ドラマにも登場するこちらのキムパプ、味わいのポイントは油揚げ(ユブ)。甘く煮た油揚げのおかげで、お肉が入っていなくても食べごたえは十分。キムパプ専門店のひそかな人気メニューだそうですよ。
焼きのり(全形)...2枚
油揚げ…2枚
【煮汁】
だし(煮干しなど)…3⁄4カップ
みりん…大さじ2
薄口しょうゆ…大さじ1
にんじん…1⁄2本
サラダ油…小さじ1
【A】
ごま油、つぶしにんにく…各小さじ1⁄2
塩…ひとつまみ
ほうれんそう…80g
ランチョンミート…80g
キムパプ用たくあん…1本
温かいご飯…340g(1合分)
【B】
ごま油…大さじ1
塩…小さじ1⁄2
ごま油、いり白ごま…各適量
【準備をする】
1. 油揚げはキッチンペーパーではさんで油を軽くとる。鍋に入れて煮汁の材料を加え、汁けがほぼなくなるまで弱めの中火で8~10分煮る。軽くしぼって1cm幅に切る。
2.にんじんはせん切りにする。フライパンにサラダ油を熱し、3分炒める。Aを加えて絡める。
3.ほうれんそうは塩適量(分量外)を入れた熱湯でゆで、水けをしぼる。
4.ランチョンミートは5m四方の棒状に切り、フライパンで表面を軽く焼く。たくあんは汁けをきる。
5.ボウルにご飯、Bを入れ、切るように混ぜる。
【巻く】
6.のり1枚を横長におき、奥側を2cmほど残して5の半量を薄く均等に広げる。
7.のりの中央よりやや手前に、具材の半量を積み上げるようにのせる。芯になりそうな具材は最後に。
8.具材を軽くつかむように全体を両手で支えながら、手前から巻く。同様にもう1本作る。
9.表面にごま油を塗って白ごまを散らし、食べやすく切る。
また、付け合せにはこちらの汁物がおすすめ。韓国のキムパプ専門店でおなじみの一杯です。
1.鍋にうどん用だし(市販品)と表示どおりの水を入れ、あれば青とうがらし(生)1本を入れて煮立てる。
2.器に盛り、好みで天かす、長ねぎ(小口切り)各適量を散らす。
本書では今回ご紹介したキムパプのほか、ポッサムやカムジャタン、プルコギ、トッポギなど日本でも馴染みのある韓国メニューのほか、オモニ(お母さん)の情が詰まった家庭料理、現地の人たちが楽しんでいるストリートフードやスイーツなどの88レシピが紹介されています。
巻末には韓国の日常雑貨の紹介や、重信さんが韓国を訪れたときのグルメマップなどの読み物もたっぷり収録。料理以外にも「韓国」を堪能できる1冊です。
最後に、著者の重信さんから、クックパッドニュース読者へ向けたメッセージをいただきましたので、ご紹介します。
「たくさんの方にご好評いただいております“おうち韓食”の第2弾“食べたい作りたい現地味 もっと!おうち韓食”が出版されました。
コロナ禍で韓国に行けなかった時期に制作した1冊目とは違い、2冊目では旅で美味しいお店に出会って再現したレシピが載っていたり、家で定食が楽しめたり、肉魚、軽食やおつまみなどバラエティーに富んだ盛りだくさんの内容になっています。
そしてドラマで見た料理も再現。今回ご紹介の「ユブキムパプ」は、大ヒットした韓国ドラマに出てくる料理を再現。キムパプしか食べることができない主人公が発したセリフ「このお店のキムパプは油揚げが入って美味しい」を元に、甘く煮た油揚げ(=ユブ)を入れてみました。韓国のお店でキムパプを頼むと必ず添えられる相棒、オデンの汁も欠かせないアクセントになっています。
どれも簡単に作れるものばかりなので、ぜひ手に取っていただければと思います。」(重信初江さん)
目や耳だけでなく、舌でも韓国を味わいたい!という方は、本書をお手にとってみてはいかがでしょうか。
また、1冊目の 『はじめてなのに現地味 おうち韓食』
は、韓国の人たちがいつも食べているふだんのごはん、軽食やおやつのレシピがたっぷり100品掲載されています。韓国のごはんレシピが気になる方は、ぜひこちらもチェックしてみてくださいね。
撮影/松島均
(TEXT:菱路子)