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コラム

コツは10秒!シェフ直伝「ガーリック香るモチモチペペロンチーノ」の作り方

料理がもっとうまくなりたい!を叶える、プロの料理人による料理のパーソナルコーチングサービスMOMENT。 第5回はイタリアンレストランRistorante QUINDIの料理長・安藤曜磁さんが、ペペロンチーノの作り方を生徒のさやこさんに伝授します。レッスンの様子を覗いてみましょう!

香ばしくってツヤツヤ、旨味のあるペペロンチーノを作りたい!

安藤コーチ

ペペロンチーノはカルボナーラと並んで人気の高いパスタですね。さやこさんもお好きですか?

さやこさん

はい、シンプルで大好きです。でもシンプルなだけに難しいというか、家で作るとガーリックは香るのですがツンと尖った感じがしたり、パスタがパサついたりするんですよね。ペペロンチーノの正解がよくわかっていないのかも・・。

安藤コーチ

主役のガーリックは、香りを立たせるのはもちろん、その奥の甘味を引き出すのがポイント。 パスタは仕上がったときに、芯まで火が十分通っていることが大事です。見た目はガーリックオイルでツヤツヤ、食べるとガーリックの甘味がふんわり広がるのがペペロンチーノの完成形。 今回は“ガーリックの特長を余すところなく引き出す方法”を一緒に学びましょう。

にんにくの水分を抜いて、オイルに香りを移す

安藤コーチ

早速ですが、にんにくはいつもどう切っていますか?

さやこさん

みじん切りです。そのほうが全体に行き渡りますよね。

安藤コーチ

ペペロンチーノの場合は、つぶします。みじん切りにすると角が多くなるため、じっくり炒めたいと思っても水分が抜ける前に焦げてしまうんです。つぶすとにんにくの繊維(水分が通っている)が破壊されて水が抜けやすくなるので、今回の目的(水分を抜いて甘味を引き出す)には、つぶしてざく切りがベスト。同時進行でパスタをゆでる準備をしましょう。

さやこさん

驚きです! しかも、つぶすほうが簡単でうれしい。

安藤コーチ

フライパンを傾けてにんにくを入れ、肩まで浸かるくらいのオイルを加えます。赤唐辛子をちぎって加え、中火にかけ、ガーリックのアロマオイルを作っていきましょう。
しばらくすると気泡が出てシュワシュワと音がしてきます。これは、水分が抜けているサイン。 火加減を強弱しつつ、シュワシュワをキープします。
水分がなくなるとにんにくに透明感が出てくるので、へらで細かくつぶして粗みじんくらいにします。さらに弱火でぐつぐつさせるとシュワシュワからジリジリとした音になり、粘りのある大きな気泡に。この粘りが甘味です! カラメルのようなイメージですね。ここまできたら塩を振って香りの分子を包む水分膜をはじき、香りと甘味を立たせます。

さやこさん

とことん水分を出すんですね。にんにくは香りが出ればOKくらいに思っていました。甘味まで引き出しているとは!

安藤コーチ

にんにくの糖度ってメロンの3倍くらいあるんですよ。その甘味がコクとなるわけです。
また、じっくり加熱することでオイルに唐辛子の辛味や風味も移っていきます。塩を混ぜたらにんにくを広げてEXVオリーブオイルをかけ、みじん切りにしたイタリアンパセリを加えてオイルにハーブの香りを浸透させます。ハーブは95℃くらいで香りが立つので、沸騰直前で火を止めて。

パスタはしっかりゆで、10秒乳化でツヤツヤに

安藤コーチ

パスタのゆで加減も大事です。アルデンテにゆでる時は、仕上げにソースと絡めながらエキスを吸わせる工程があるから。今回は短時間で仕上げるので、パスタは袋の表示時間通り、しっかりゆでます。

さやこさん

そうか! アルデンテが鉄則だと思っていたけど違うんですね。私は表示時間より短くゆでていたから水分が足りなくなり、パサパサになっちゃったわけですね。

安藤コーチ

そうですね。失敗の原因がわかってよかったです。
では仕上げていきましょう。乳化させてからパスタを加えるため、フライパンを再び中火にかけます。 シュワシュワしてきたらオイルと同じくらいの水を加えて、10秒ほど手早く混ぜます。すると油と水が均一に混ざり合い、ツヤが出てきます。これが乳化! パスタを加え混ぜ、絡まったら火を止めて完成です。器に盛る前に、スプーン1杯ほどパスタのゆで汁をあえましょう。

さやこさん

仕上げは時間勝負ですね。最後にゆで汁を加えるのは、どうしてですか?

安藤コーチ

できあがってからも水分が蒸発し続けているので、盛り付けから食べるまでの時間を考慮しているんです。ツヤツヤで、中まで火が通ったモチモチパスタを食べてほしいですからね。

さやこさん

食べる人のことを考えた、プロの技ですね。

素材の甘味を引き出して、パスタの旨味に

さやこさん

目の前にくるとガーリックの香ばしさが立って、パセリの爽やかさも感じられます。ひと口食べるとにんにくの甘味がコクとなって旨味がしっかり! パスタの中まで浸透しています。がっつりガーリックなのに優しい味わい。どんどん食べちゃいます。

安藤コーチ

にんにくの水分をとことん抜き、甘味を引き出すことによって生まれる味ですね。これはキャベツやきのこのパスタでも応用が効きます。オイルで炒めたら塩を振ってふたをし、くたくたになるまで蒸すと、香りが増すだけでなく甘味や旨味も引き出されます。まずはシンプルなペペロンチーノからチャレンジして、コツを掴んだら季節の食材を合わせて作ってみてください。

教えてくれたコーチ:安藤曜磁(Ristorante QUINDI料理長)

大阪の調理師学校で学び、京都のリストランテ「イルギオットーネ」に9年間勤務。その後、都内数店で料理長としてキャリアを積む。2018年より、「Ristorante QUINDI(クインディ)」の料理長を務める。そのほかレストランのレシピ提供や通販サイトでのパスタソースのプロデュースなど、素材を生かした料理には定評がある。
一般社団法人Japan Food Frontierの理事も務め、こどもに向けての料理教室も行っている。

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