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【いざチェック!】太る、病気になる人の特徴とは?血管の専門医に聞く「老いる人の生活習慣」

【話題のダイエット本、試し読み Vol.26】ちまたに溢れるダイエット本、ゴールはみんな同じですが、そこにたどり着くための方法は本の数だけ存在しています。本連載では、話題のダイエット本のメソッドを編集部がダイジェストでご紹介。ご自分にぴったりのダイエット本を、ぜひ見つけてみてくださいね。

心身の若さを保つには「血管年齢」が重要!

年齢が上がるにつれて体に脂肪がつきやすく、痩せにくくなったと感じる方もいらっしゃるかと思います。でも人は誰しも若い頃の見た目をキープして「変わらないね」「若いね」と言われ続けたいと願うものですよね。

今回ご紹介する『老いは止められる』は、そんな若さを願う人に向けて、医師の知見をもとに若返りの知恵を紹介する一冊です。

著者は、血管、心臓の専門医である池谷敏郎先生。テレビ、ラジオ、講演会など活動の幅を広げ、食事や運動などの生活指導で患者を真の健康へ導くエキスパートとして活躍しています。

池谷先生が、真に心身の若さを保つためには重要だと語るのが、血管年齢を若々しく保つこと

「人間の見た目の若さや、中身の若々しさには、"血管の若さ"が関係しています。あまり知られていませんが血管年齢が若ければ見た目も中身も若く、血管年齢が老けていれば見た目も中身も老けているという科学的事実があります。

見た目年齢を大きく左右する肌の状態一つとっても、皮膚の細胞を維持する栄養や水分や酸素を届けているのは、血管です。血管の機能や活動が衰えれば、当然ながら肌へ必要なものを届ける働きも衰えて、肌が老いるのです」と池谷先生。

実は、池谷先生も20年前まで、不摂生とストレスから今よりも15キロも太り、実際の年齢よりもずっと老けて見られていたそう。しかし老いる原因を突き詰め、生活習慣を見直したところ、書籍発売時58歳にして体脂肪率10%、血管年齢はマイナス30歳という若々しい身体を手に入れました。

あなたもチェック!老いが加速する人の生活習慣

「見た目が老けている人と若く見られる人の違いは生活習慣。つまり、日々の食事や行動、心の持ち方にある」と池谷先生。では具体的に何がどう違うのでしょうか。今回は、本書に掲載されている老ける人と若く見られる人の生活習慣をご紹介します。自分の日々を振り返りながら、チェックしてみましょう!

いかがでしたか? 池谷先生曰く、行動の選択と考え方の違いで、人の見た目は10歳どころか、20歳以上も違いが出るんだとか。老いない人の習慣を心に留め、意識して生活していきたいものですね。

「大豆ファースト」で老いを止める食事を

本書では、血管年齢を若く、余計な脂肪のついていない体を保つための実践方法が詳しく解説されています。今回は本書から、取り入れやすい食事法を一つご紹介します。

池谷先生が、老化を防ぐ食事で最も注意すべきと指摘するのが、糖質を摂りすぎ。多量の糖質を一気に摂ると血糖値の急上昇する「血糖値スパイク」が起こります。その結果、活性酸素を生み、酸化ストレスによって様々な臓器を傷害し、体の老化を劇的にスピードアップさせます。また、肥満スイッチをオンにして、内臓脂肪を増やして"ポッコリお腹"の原因にも。つまり、血糖値の急激な変動を防ぐことができれば、老化が緩やかになり、肥満防止になるのです。

そこで、池谷先生が推奨するのが「大豆ファースト」の食習慣。食事を摂るときに、ひとつかみの大豆をまず最初に食べ、そのあとに普通に食事をする。それだけで、食後血糖値の上昇を抑えることに役立ちます。

野菜から食べる「ベジファースト」も効果的ですが、大豆ファーストなら、少量(大豆26g 、野菜100g)で、同等以上の食後血糖値上昇抑制効果が得られるのがメリット。さらに、ベジファーストとの比較試験では、食後の腹持ちの良さにおいて、大豆ファーストが優っていました。大豆は食物繊維の他、たんぱく質も多く含んでいるので、腹持ちがよく、咀嚼の時間が長くなるなどの理由が考えられます。また、大豆には骨粗鬆症予防に役立つイソフラボンや、脂質代謝に好影響を及ぼす大豆タンパクなどが含まれているので、栄養価の面でもベジファーストに勝ると考えています。

特におすすめなのが、乾燥大豆を水で戻し、蒸し器で蒸す「蒸し大豆」。大豆をゆでると水溶性の食物繊維は失われてしまいますが、蒸し大豆はそのまま残るため、食物繊維の総量がより多くなります。また、蒸し大豆のほうが味も香りもよいので、おいしく食べられるというメリットも。

最近ではパックや缶入りの蒸し大豆も市販されているので、それらを使うとより手軽に取り入れられそうです。

大豆ファースト以外にも、血糖値上昇をストップさせる食事アイディアとして、サラダ、味噌汁、スープに蒸し大豆を加えたり、血糖値の上昇をゆっくりにする作用を持つヨーグルトに蒸し大豆を入れた朝食・間食もおすすめ。池谷先生は、糖質摂取量が多くなりがちなカレーを食べる際は、もち麦と大豆で白米を代用しているそう。蒸し大豆は工夫次第で多様なシーンやメニューに取り入れられそうです。

先生お気に入りのスープカレー+もち麦+大豆。スープカレーは小麦粉を多量に使わないので低糖質でおすすめとのこと

健康を土台としたダイエット法で若々しさをキープしよう

池谷先生から、ダイエット中のクックパッドニュース読者に向けたダイエット継続のアドバイスをいただきましたのでご紹介します。

「まず、なぜダイエットをするのか?若々しいスタイルになれたら、何をしたいのか?その目的は、健康になりたいというストレートなものでなくても、皆さんそれぞれのモチベーションにつながることであればなんでもありです。まずは、その目的と目標を明確にしましょう!一度、スタイル改善による身体と心の若返りを経験すれば、その価値に気づいてさらに健康的な生活をストレスなく続けることができるはずです」

すでに還暦を迎えた池谷先生は「実年齢を増すほど、見た目の若さを保つことで、気持ちも若くポジティブでいられる」と実感していると言います。ポジティブになると、毎日が楽しくなるので、「また太って老け込んだ自分に戻りたくない!」と、若さを保つための努力が全く負担にならないんだとか。

気になった方は、ぜひ本書を参考に、健康を土台としたダイエット法で若々しさを保ってみませんか?体調が良く、明るい気持ちと身軽な体で過ごす毎日はきっと楽しいに違いありません。

(TEXT:小菅祥江)

※ メイン写真はこちらの記事をイメージして選定させていただきました
画像提供:Adobe Stock

『老いは止められる』 エクスナレッジ

池谷敏郎先生

東京医科大学客員講師、総合内科専門医、循環器専門医。1962年、東京都生まれ。1988年、東京 医科大学医学部卒業後、同大学病院第二内科に入局し、血管、血圧の研究を行う。1997年、池谷医 院理事長兼院長に就任。『「血管を鍛える」と超健康になる!』(三笠書房)、『50歳を過ぎても体脂肪率10%の名医が教える内臓脂肪を落とす最強メソッド』(東洋経済新報社)などヒット著書多数。

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