和食の定番として食べることの多い味噌汁ですが、よく沸騰させるとダメと聞きますよね。実は味噌汁をおいしく、栄養を逃さないようにするにはいくつかポイントがあるんです。そこで、味噌汁のおいしい作り方や温め方を解説していきますよ。
味噌には旨味成分や塩味、甘みなどの味の素になる成分が含まれていますが、中でもおいしさに関連するのが香りの成分。香りの成分はグツグツと加熱をすると飛んでしまうのです。
「味噌を沸騰させるとマズくなる」と言われているのはこのため。味噌汁を作る時は、具材にしっかり火を通してから一旦火を止めて味噌を入れ、軽く温める程度にするとよいでしょう。
味噌汁が腸活によいとされているのは、乳酸菌が含まれているからです。ただし、この乳酸菌は加熱によって死滅してしまいます。発酵の力を最大限に得たければ、お味噌を入れてからは沸騰させないようにしましょう。
乳酸菌を生きたまま摂取するには加熱の温度管理を厳密にする必要があり、家庭だと中々難しいこともあります。だからといって死滅した乳酸菌のはたらきがゼロになるわけではありません。
死滅した乳酸菌は腸内で善玉菌のエサとなります。そのため、腸内環境を整える働きが期待できるのです。
味噌汁を温め直すと、加熱によって味噌汁の中に含まれている成分が変化して塩分を感じやすくなりやすいと言われています。そのため、加熱は最低限の方がよく、できる限り出来立てを飲むのがおすすめです。
味噌汁は水分がとても多く、水分は食中毒の原因となる細菌などのエサとなります。そのため、できる限り作った分は飲み切るのがおすすめ。どうしても余ってしまった時は、冷蔵庫で保管し、翌日には飲み切るようにしましょう。
冷めてしまった味噌汁を美味しく温め直すには、まずは沸騰させないことがポイント。その上で、減ってしまう香り成分を補うために少量の味噌と、味が濃くならないように水を加えると出来立てに近い味わいになります。
また、旨味成分と香り成分を足すためにかつお節を足しても風味が良くなりおすすめです。
夏の味噌汁におすすめなのは、夏野菜です。特にズッキーニには免疫力アップに欠かせないβカロテン、抗酸化作用があり日焼け対策にも欠かせないビタミンCなどのビタミン類が比較的バランスよく含まれています。
またトマトもおすすめの食材のひとつ。こちらもビタミン類をバランスよく含む他、抗酸化作用のあるリコピンという成分も含まれています。
味噌汁にズッキーニやトマトを入れるイメージはあまりないかと思いますが、さっぱりしてとても夏向けの味わいになるのでおすすめです。
味噌汁は作る時、温め直す時にちょっと工夫をするだけでより美味しく、栄養も効率的に摂ることができます。日々のお食事を作る時、ぜひ意識してみてくださいね!
フリーランス管理栄養士。献立・レシピ・栄養バランスが即キマる! 即決バランスクッキングスクール代表。「忙しくてもちゃんと簡単に自炊」をサポートするコンテンツ・レシピを提供。延べレシピ開発数は1400以上。