焼き時間を変えて作った結果、一番変化のあった味覚は、なんと「旨味」でした!
旨味は、焼き時間が6時間の時に最大となり、その後は徐々に減少していきます。 これは、加熱が進むことによって、核酸やアミノ酸といった卵白の細胞に含まれる旨味成分が漏れだしたり、それらが砂糖と一緒にさまざまな反応を起こすためだと考えられます。 さらに、旨味が変化することで、基本5味の全体の強さから算出される「コク」にも変化が現れます。コクも同様に、6時間の時が最大となりました。
お菓子のレシピには、「45分〜60分」などと幅のある焼き時間がかかれていることが多いですが、このように焼き時間によって味覚は変化するので、焼き時間にはこだわりを持った方が良いかもしれません。 このメレンゲの場合は、6時間の時に最も旨味とコクが高く、美味しくなるということが分かりました。 他のレシピの場合には、また別の最適な焼き時間があるはずです。
あなたも、自分のお菓子が最も美味しくなる焼き時間を、ぜひ追求してみてください! また、他にも調理法と味覚について調べて欲しいネタがございましたら、味博士のツイッターでお気軽にお尋ねくださいね♪
味覚研究家。AISSY株式会社代表取締役社長 兼 慶応義塾大学共同研究員。味覚を数値化できる味覚センサーを慶大と共同開発。味覚や食べ物の相性の研究を実施。メディアにも多数出演。ブログ『味博士の研究所』で味覚に関するおもしろネタを発信中。