お茶漬けは、煎茶やほうじ茶が広まった江戸時代に生まれたといわれています。下働きする奉公人が、漬物とご飯で手早く食事をする習慣が、いつしかファーストフードの原点のようになり、多くの人に親しまれてきました。お茶漬けの種類は数えきれないほどあり、その時のありあわせで作るのが、お茶漬けの醍醐味であり、おいしさのひとつなのです。
お茶漬けはかんたんです。かんたんだからこそ、手を抜かずにこしらえると、ひと工夫のおいしさが際立ちます。きほんの昆布のお茶漬けをご紹介します。
・ご飯…適量(茶碗にお合わせください)
・煎茶…適量
・昆布の佃煮…適量
・ちりめんじゃこ…適量
・あられ…適量
1 ご飯を、おにぎりを作る要領で、軽く握ります。あまりちからを入れないように注意しましょう。
2 上下を平らに俵型に握ったご飯を、器に盛ります。
3 ちりめんじゃこを混ぜた昆布の佃煮を、ご飯の上に適量のせて、あられを振ってください。お菓子のように盛り付けます。
4 ご飯のまわりから、熱い煎茶を注いでいただきます。お茶の量はご飯の七分目くらいがよいでしょう。
鮭の身を食べやすくほぐし、うす口しょう油をほんのわずか加えて混ぜます。ご飯は、昆布のお茶漬けと同じように準備します。あさつきを加えると、色合いも良く、味もさっぱりといただけます。鮭のお茶漬けは、煎茶ではなく、塩をひとつまみ加えた、昆布かつおダシをかけます。
たかがお茶漬け、されどお茶漬けです。こんなふうにていねいにこしらえるだけで、見栄えよく、うれしいごちそうになります。お試しください。
文:松浦弥太郎 写真・動画: 元家健吾
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