「冷凍卵」は生の卵を一度凍らせてから解凍して食べる調理法。 保存の観点はもちろん、たんぱく質が結合することによって黄味の部分がもちもちと弾力のある食感になり、不思議な食感がクセになる!と話題になった冷凍卵ですが、普通の卵と比べて旨味があるのはどちらなのでしょうか。
そのまましょうゆ漬けにして、卵かけご飯にして、目玉焼きにして…おつまみにもおかずにも大人気の「冷凍卵」。
食べてみると、食感以外は普通の生卵とさほど変わらないように思われる冷凍卵ですが、味覚センサーレオくんで検証すると、なんとあの重要な成分に違いが見られたのです…!
卵のうち、1番メインとなる味覚といえばやっぱり旨味でしょう。普通の生卵の何がすごいって、味付けなしでも食べられてしまうほどの旨味。
では、普通の卵と冷凍卵。いったいどちらのほうが旨味が高いのでしょうか。
味博士の研究所twitter(@ajihakase)で事前にアンケートした結果がこちら。
普通の卵と冷凍卵、どちらが旨味があると思いますか?
— 味博士の研究所 (@ajihakase) 2016年4月18日
「冷凍卵のほうが旨味があるのではないか?」と思うかたのほうが多いようです。 たしかにあの濃厚な味わいを考えると、冷凍卵のほうが旨味が強いように感じますよね。
それではレオくんが出した旨味の数値を見てみましょう。
普通の卵のほうが、冷凍卵よりも旨味が高い結果に…!
ただ、ご安心ください。数値的には60%程度の人が認識できるほどの違いで、劇的な違いというわけではありません。
しかしなぜ、冷凍すると旨味が下がるのでしょうか。
たんぱく質を構成するアミノ酸、イノシン酸が卵の旨味のもととなりますが、これは常温では水溶性の成分。
凍らせて凝固することによって、旨味成分が旨味を感じる舌のセンサー、味蕾に到達しにくくなってしまい、結果、旨味の数値が下がってしまったのです!
あくまで、卵特有の「そのままでも美味しい」ほどの旨味(イノシン酸)を感じることができるのは生の状態。冷凍卵は食感をメインで楽しんでくださいね。
※冷凍する卵はひび割れのない賞味期限内の卵を使用しましょう。また、解凍は冷蔵庫で行い、殻を割ったら2時間以内に食べることをおすすめします。
味覚研究家。AISSY株式会社代表取締役社長 兼 慶応義塾大学共同研究員。味覚を数値化できる味覚センサーを慶大と共同開発。味覚や食べ物の相性の研究を実施。メディアにも多数出演。ブログ『味博士の研究所』で味覚に関するおもしろネタを発信中。