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「生きる=食べる=作る」。 シンプルな暮らしの中で見つける大切なものとは

クックパッドニュース編集部

日本No.1レシピサイト「クックパッド」編集部

この秋、注目の映画『リトル・フォレスト』がいよいよ本日公開。自然の中で1人暮らす主人公の目を通して「生きること」「食べること」「作ること」、人が生きていく上で大切なことを、しみじみと伝える物語。なかでも、旬の素材から作られるおいしそうな料理の数々は必見! 映画の魅力と、おいしいごはんの一部を特別にご紹介しましょう!

自然とともに生きる姿を描く映画『リトル・フォレスト』

草が生い茂る自然の中を、自転車で颯爽と走り抜ける少女。そんな印象的なシーンからはじまる映画『リトル・フォレスト』。東北のとある村の小さな集落 “小森”で暮らす、主人公・いち子の姿を通し、「生きるために食べる」「食べるために作る」というシンプルで深いテーマを、人間模様とともにしみじみと描いています。

原作は『月刊アフタヌーン』に連載された五十嵐大介の人気コミック。いち子を演ずるのは、昨年のNHK連続テレビ小説『あまちゃん』で一躍脚光を浴びた若手実力派・橋本愛。オール東北ロケで1年をかけて撮影した大自然を舞台に、まるでドキュメンタリーを観ているようなリアルな日常のドラマが、ゆったりと流れます。今回公開されたのは、春・夏・秋・冬の4部作のうち、夏編と秋編。「生きる」そして「食べる」ために、稲を育て、畑仕事をし、野山で採れた食材をいただく。いち子の懸命な姿に引き込まれます。

「食べるために作る」自然の中で生まれる料理とは

この映画の全編を通じて登場するのが、いち子が作る数々の料理。この料理が、ふだん私たちが作っているものと全く違うのです。まず、食材のほとんどが、「食べる」ために自分の手で「作った」もの。そして、自然の恵みからいただく食材は、熟して食べごろになるまで、時間をかけてじっくり待つのです。特に印象的だった、秋編の「くるみごはん」のレシピから、さわりだけご紹介しましょう。

くるみごはん

拾ったくるみを庭の隅に埋める。
表皮が黒く腐ったら。よく洗い流してきれいにする。
網に入れて干しておけば、何年も貯蔵がきく。

食材を手に入れるだけで、これほどの手間と時間をかけるのです。さらに、魚や鶏などは、命をいただくところから、自分の手で行います。スーパーに行けばなんでも手に入る、私たちのふだんの生活にはない、食への向き合い方、時間の流れ方に、生きる原点をみたような気分になります。そして、できあがった料理は、生きるパワーが満ちていて、1つ1つがとってもおいしそう! 自分の手で作り上げた尊さだけが作る味。映画の世界に入りこんで、食べてみたくなる料理がたくさんありました。

映画『リトル・フォレスト』からのおすそわけ。家で作るレシピを紹介!

クックパッドでも、『リトル・フォレスト』に登場する料理のレシピを発見しました! いち子のように食材を手に入れるところから時間をかけるものではありませんが、自然の恵みをおいしくいただく工夫がつまっています。映画の世界からの「おすそわけ」気分を味わってみてはいかが?

くるみごはん

グミのジャム

いち子のような生活をすぐに始めることはむずかしいけれど、旬のおいしさを大切に味わう心はまねできそうですよね。

いち子と母、そして集落で暮らす人々の物語は、来春公開の映画『リトル・フォレスト』冬編・春編へと続きます。秋編で大地の恵みをいち子に与えてくれた自然は、極寒の冬を迎え、どんな厳しい姿を見せるのか。そんな暮らしの中で、いち子はどんな料理を作り出すのか。1年を通じて描かれる美しく厳しい自然と、そこに流れる静かで温かい人間ドラマ。必見ですよ。(TEXT:田久晶子)

『リトル・フォレスト』夏・秋
「近くにスーパーもコンビニもない」小さな集落"小森"での生活は、自給自足に近い暮らし。主人公・いち子は、一度都会に出たものの自分の居場所を見つけられず、故郷に戻り、今は、稲を育て、畑仕事をし、野山で採れた食材をいただきながら1人暮らしています。生きるための恵みを与えつつも、ときには厳しい姿を見せる自然と向き合いながら、自分と、今はいない母の姿を見つめ、成長していく姿を描きます。8月30日より公開。
映画『リトル・フォレスト』夏・秋 公式サイトはこちら

執筆者情報

クックパッドニュース編集部

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