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コラム

“食”を通して心を強くする!「鮭のステーキ」でいつもの焼鮭を簡単アレンジ【長友選手 専属シェフ直伝「ジュニアのアスメシ」レシピ vol.5】

部活やクラブなど、スポーツをしているお子さんを持つお母さんは、「子どものカラダのために、どんな食事を作ってあげたら良いかわからない」という方も多いはず。サッカーの長友佑都選手の専属シェフ・加藤超也(かとうたつや)さんに、ジュニアアスリートメシを教えていただきます。本連載では、一流アスリート用のレシピに対する考え方はそのままに、読者の皆さんに“お家で簡単に作れるレシピ”を考案。お子さんがもっと活躍すること間違いなしです!

「食」を通して心を強くする

心技体」という言葉は、みなさんよくご存じですよね? アスリートは練習を重ねて技術をつけていったり、試合に臨んだりする中で、身体の状態を良く保つことだけでなく、心の強さも兼ね備えていることが重要です。
心を強くするということと食事は一見関係のないように感じるかもしれません。しかし、食事を通して心を強くすることもできるということを今回はみなさんにお伝えしていきたいと思います。

心の状態に関わる「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンは、その多くが腸内で作られ、脳に運ばれています。脳がセロトニンで満たされることで、心の安定やストレスに対応しやすくなります。そのため、日頃から腸内のコンディションを整えておくことで、セロトニンがつくられやすくなります。

例えば、便秘しがちなアスリートはどうでしょうか? 身体にとって不要なものが腸内に溜まり、腸内環境が悪化することでセロトニンが作られにくくなります。便秘は子どもでも問題となることもあり、ジュニアアスリートにとってコンディションを整える上でも注意をしておきたいことですね。

鮭の簡単アレンジレシピ!

便秘予防に効果的な栄養素というと、食物繊維をイメージする方が多いのではないでしょうか?
今回のレシピに使用したオクラにはペクチンという食物繊維が多く含まれています。水に溶けるとゼリー状に固まる性質をもつ水溶性食物繊維で、腸内の水分調整に役立ち、排便を促しやすくしてくれます。水溶性食物繊維は他にもわかめやひじきなどの海藻類、キウイやバナナなどの果物類に多く含まれています。

一方、水溶性食物繊維の他に不溶性食物繊維というものもあります。不溶性食物繊維は水に溶けず、水分を吸収して膨れます。そのため、腸を刺激して動きやすくし、食べものの残りカスを速やかに体外に排出する働きがあります。腸が動きにくくなっていることが原因で起こる便秘の場合は、ごぼうやきのこ類、全粒粉などに多く含まれる不溶性食物繊維を摂ることをおすすめします。

また、食物繊維だけではなく、そもそも便のもとになるものをしっかり摂れているのか? 食事量が少なすぎていないのか? という点をまず見直してみることも必要かもしれません。

今回は食事と心の状態が関連する一例をお伝えしましたが、食事はアスリートにとってただ栄養補給をするためだけのものではありません。ハードな練習の中でも食事を楽しんでもらうことで、また次の練習や試合で力を発揮するための気持ちの切り替えにもなるものであってほしい、と思います。

加藤超也 Kato Tatsuya

株式会社Cuore 長友佑都専属シェフ。調理師、アスリートフードマイスター 2級、ケトジェニックダイエットアドバイザー。シンプルな調理法と素材の表現力に魅力を感じ、神奈川県内でイタリア料理を中心に修行を積む。横浜市のイタリア料理店「cucinapinocchio」にてシェフに就任し、「素材の持つパワー、魅力を最大限活かした料理」をテーマに活動。2016年より長友佑都の専属シェフに就任し、トルコと日本を行き来しながら、長友佑都のサポートに従事している。

【Twitter】https://twitter.com/cuore_kato
【Instagram】@cuore_kato

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