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コラム

完璧じゃなくたっていい!「離乳食」の役割ってなんだろう?

【ママ&パパのはじめて離乳食vol.1】離乳食っていつから始めればいいの?作り方がわからない。食べてくれない…そんなお悩みを解決すべく、自身でも離乳食ブランドを手がける平澤朋子さんにあれこれ聞いてみました。第1回目は、知っているようで知らない「離乳食の役割」についてです。

離乳食って大変!何のために必要なの?

生後5〜6ヶ月頃からスタートする離乳食。既に経験をしているママは周知の通りですが、離乳食作りって本当に大変! だから考えてしまうんです。「一体何のために必要なの?」って。

赤ちゃんは生まれてからすぐ母乳を「飲む」ことはできるのですが、「食べる」ことは、経験を積み、学習しながら身につけていきます。母乳やミルクから食事へと移行する時期を「離乳期」と呼び、赤ちゃんは食べることや食べ物自体について、五感をフル活用してたくさんのことを学んでいきます。その時期に食べる食事が「離乳食」です

離乳食には成長と共に母乳やミルクだけでは不足してしまう栄養分を補充する役割や、「噛む」「飲み込む」という一連の動きを練習する役割も担っています。

そのほか、さまざまな食材の味や舌触りを覚えたり、酸味や苦味を受け入れる訓練をしながら好き嫌いをなくすのもこの時期です。さらに、食べることの楽しさや、興味を持つようになるのも、この時期に培う大事な要素。一生の中で最も急激な成長を遂げる時期の離乳食には、とっても大切な役割があるんですね。

大きくまとめると、離乳食の役割は4つ

  • 足りなくなった栄養、特に主に鉄、ビタミンD、亜鉛を補充するため
  • 噛む、飲み込む動作を学ぶため
  • 食べ物について知り、好き嫌いをなくすため
  • 食べることに興味を持ち、好きになるため

赤ちゃんの頃が“最も味覚を感じられる時期”

私は元々料理が好きで、旅と食べることが趣味なので、子供が生まれてからは、娘と旅先でおいしいものを一緒に食べられるようになりたいと思っていました。

そんな気持ちもあり、どうしたら娘が食に興味を持ってくれるのか、好き嫌いなく何でも食べるようになるのか、食事中に立ち上がったりせずに食事を楽しめるようになるのかなど、食育に関するあらゆることを本やネットで調べ始めました。

そこでわかったのは、食べることでしか身体を作ることはできないこと。3歳までにほぼ味覚が決まること。赤ちゃんの時が最も“味蕾”(みらい・主に舌にある食べ物の味を感じる器官)の数が多く、味をしっかり感じられること。離乳食期に味の幅を広げてあげることで好き嫌いがなくなることなどを知り、「だから離乳食ってすごく大事なんだ」と気付いたのです。

市販の離乳食に頼ってもいい!

そうは言っても、フリーランスのライターとして働く母にとって、仕事をしながら、納得できるような“完璧な離乳食”を作ることは難しく...。市販の離乳食に頼ろうとしても、当時はまだ数が少なかったこともあり、娘が食べてくれる離乳食に出会うことができませんでした。ならばと、自ら離乳食ブランド「bebemeshi」を作ることに決めたのです。

その頃から6年が経ち、現在は市販の離乳食も数多く出ていて、うらやましいなぁ…と思うことも(笑)。ママパパが納得できて、お子さんに合った市販の離乳食があるなら、それを利用するのも手だと思います。今はこだわりたっぷりの市販の離乳食が豊富なので、いろいろな味を体験させてあげる気持ちでぜひトライしてみてください。

離乳期は、味覚を育む黄金期

離乳食にいろいろな食材を食べさせたからか、現在6歳になった娘は食べることに興味があり、初めての食べ物にも躊躇なくトライをし、食べムラはあるものの好き嫌いがほぼなくなりました。

そのおかげもあってか、0歳の頃から風邪もほとんど引かず、冬でもショートパンツをはくような健康優良児に。

ただ、離乳食を完璧に手作りすることが重要、ということではなく、時には手を抜いたり、市販品に頼ることがあっても良いんです。離乳食を完璧に作ることに専念するあまり、キッチンに立ちっぱなしで赤ちゃんを抱っこしてあげられないなんて本末転倒ですよね。

罪悪感を持つのではなく、心に余裕を持って赤ちゃんにニコニコ接することの方がずっと重要です。「おいしいね」「大きなお口だね!」と声をかけながら離乳食を食べさせてあげると、そこから、食の楽しさやおいしさが伝わります。

人生の醍醐味の1つでもある、食べる楽しみ。その土台を作ることも、「離乳食」の役割だと思います。 あまり難しく考えず、頼れるものに頼りながら過ごしていけたらいいですね。

平澤朋子

食育アドバイザー。ライター歴23年、ビューティー&ファッションを中心に女性誌やWebマガジン等に執筆。2014年に女児を出産し、自身の経験から「本当に自分の子どもに食べさせたいかどうか」を基準としたこだわりの無添加離乳食「bebemeshi」を企画・開発する会社を2016年に設立。食育アドバイザーの資格を取得し、子どもの「食」の大切さを広める活動も行なっている。旅と食とお酒を愛する一児の母。
『bebemeshi』の公式サイト
Instagram『bebemeshi』

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