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コラム

父の日にも!子どもでも上手に作れる「棒餃子」がおすすめ

【子どもの心を育てるレシピvol.11】子どもに「食」の大切さを伝えたいと思いつつも、日々忙しくてなかなか教える機会がないという親御さんも多いのでは? そこで、子ども料理研究家・武田昌美さんが、子どもと楽しくトライできて心も育てられるレシピ、料理を通して子どもが得られる学びについて、わかりやすく解説! 気負わず、自然と生活の中に取り入れられる簡単料理で、とっておきの親子タイムをお過ごしください。

綺麗なきつね色の餃子、食欲をそそりますね。今回は、大人も子どもも大好きな餃子を、子どもでも簡単に作れる「棒餃子」の形でご紹介します。

棒餃子作りのポイントは3つ

1つ目は前回に引き続き、生肉を極力触らずに作る方法です。2つ目は子どもも簡単に形成できるような手順のご紹介。そして3つ目は野菜に塩をかけるとどうなる?ということです。

子ども料理におけるポリ袋の可能性は無限! これを使いこなすと手もキッチンも汚さずに作業ができるので、本当に大助かりなアイテムなのです。今回の餃子、本来だと肉だねを手で粘り気が出るまで捏ねてジューシーに…というセオリーですが、子どもが楽しく料理に参加することを一番のゴールにしたいので、ポリ袋でこねる方法で作りたいと思います。

棒餃子では、このポリ袋がもう一仕事いい役割を果たしてくれるんです! それはポイントの2つ目である、形成の時に発揮されます。袋の上部をしっかり結んだ後に、ポリ袋の端っこをチョキンと切ると、即席の絞り袋になります。あとはそのまま皮の上に絞り出していくだけ! ここでもほとんど手が汚れません。

ちなみに、「袋の上をしっかり結んだ後に」この部分がかなり重要です。子どもにとって絞る作業は意外と難易度が高いです。どこでつまずきやすいかというと、中央をぎゅっと握って絞り出してしまうことが多いので、その時に具が上下に分断されてしまいます。もし、上の口を結んでいなかったとしたら、絞りながら具が上部から外にボトボト落ちてしまいます。なので「上の口を結ぶ」これを絶対に忘れないでください。食品保存用の大きなクリップでパチンっと止めるのも良いですよ。たったこれだけのことですが、些細なポイントが子ども料理の進行を大きく分けます。

皮をまな板の上などにできる限りたくさん並べて、あとは一気に、にゅーっにゅーっと絞り出してください。絞り出した後は、指に水をつけて皮の端を濡らしたら、お洋服を着せてあげるように皮の両端を優しく重ねていってくださいね。子どもは大喜びでやってくれます。

3つ目の野菜と塩の関係。これは、学びの種まきとして子どもに伝えています。いずれ学ぶ浸透圧、学校でこのことを習った時に、「ああ! だからキャベツに塩をかけると水が出てきたのか!」と答え合わせをしてほしいと願っています。更に、野菜に塩をかけると水が出る仕組みを知っていると、保存食についての説明もすんなり理解しやすいのです。なので、キャベツに塩を振って、しばらくしてから一緒に水を切って親子で浸透圧の不思議を観察し、楽しんでみてください。

餃子作りは子どもと一緒が楽しい!

子どもとお料理、大変なことも多々あると思うのですが、餃子作りって子どもと一緒に作業する方が楽しいな、と思っています。なぜなら、1人で黙々と何十個もの餃子を包むのって結構根気のいる作業。それよりも、子どもと一緒に会話を楽しみながら調理すると、あっという間にできてしまう気がします。

今年の父の日には、家族みんなで作る簡単棒餃子をいかがでしょうか? 出来立ての餃子を、家族でもりもり食べて楽しい時間を過ごしてください。

武田昌美(子ども料理研究家)

リトルシェフクッキング(株)代表取締役。フランスで料理の修行をしていた父の影響を受け、幼少の頃から料理に興味を持つ。航空会社にて客室乗務員をしながら、各地の料理や文化に触れ、知識を深める。2人の子どもの親となり、多くの子どもたちに料理の楽しさ、食の大切さを伝えていきたいと強く願い、2017年より「ママも知らなかった才能が花開くクッキングスクール」をコンセプトにした料理教室『リトルシェフクッキング』を主催。保有資格は、フードコーディネーター、スパイスマイスター、食品衛生責任者。2019年3月、子どもが一人一人料理できる料理教室『リトルシェフクッキングEduCooking Lab』を東京都世田谷区にオープン。
【HP】https://little-chef-cooking.com/(ご予約はこちらから)
【Instagram】@masamis__kitchen
【YouTube】リトルシェフクッキング
【ブログ】子ども料理研究家 武田昌美の食育ブログ
【クックパッド】武田昌美のキッチン

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