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コラム

江戸の人も食べていた⁉︎秋のおやつ「カステラいも」

【ほっこり江戸ごはんvol.7】江戸好きが高じて、地毛で「ちょんまげ」まで結ってしまった江戸マニアの伊尾木将之さんに、江戸時代のレシピとともにほっこりエピソードを教えてもらいます。今回は、秋らしいおやつです。

おはようございます、こんにちは、こんばんは。 江戸時代が大好きで江戸の食文化を研究している伊尾木と言います。

最近、江戸時代の味覚に近づきたくて、3食全部江戸時代のご飯だけを食べるというのをはじめました(家族は今まで通りの食事です)。

まだ始めたばかりなんですが、今のぼくにとってはお漬物が立派なおかずの一品になってきました。塩分には気をつけないといけないですが、とってもいい感じです!(家族と別のものを作って食べてるので、寂しい気持ちはありますが...)

さて、そんな個人的な話はおいておいて、今回紹介するのは「カステラいも」という秋のおやつです。 カステラという名前ですが、さつまいもを使った薄焼きのお菓子になります。おそらく、卵と砂糖を使うので、カステラと呼んでいるのだと思います。

作り方

材料は、さつまいも、卵、砂糖、片栗粉になります。お好みでゴマを加えてください。

まずさつまいもを水につけて、アクをぬきましょう。

次に、さつまいもをすりおろします。皮はお好みで全部むいても、残しても構いません。

片栗粉、砂糖を加え、さらに溶いた卵をいれて、かき混ぜます。

鍋に油を引いて、生地を焼きます。片面が焼けたら、ひっくり返して両面焼きましょう。お好みで、焼いた片面にゴマを振りかけてください。

焼けたら、食べやすい形に切って完成です!

江戸のほっこり話

江戸時代は焼き芋が一大ブームで、秋になるとそこかしこで焼き芋が売られていました。甘くて、栄養もあって、腹持ちも良いので、江戸の人は頻繁に焼き芋を食べていたのです。

そんなさつまいもを、当時の人は「八里半(はちりはん)」や「十三里(じゅうさんり)」なんて呼んでいました。「八里半」は「栗より少し劣る」という意味です。“里”は江戸時代に使われた距離の単位ですが、栗(九里)には少し届かないという意味で8.5で八里半です。

十三里は、逆に「栗よりおいしい」という意味です。「栗(九里)より(四里)」で9と4を足して、13で十三里です。

江戸の人はこういうダジャレが大好きでした。個人的には中々うまいなぁっと思います。

伊尾木将之

大阪出身のうさぎ好き。修士までは物理を学び、博士課程で情報系に進むも撃沈。現在はクックパッドでエンジニアをしながら、食文化を研究している。
日本家政学会 食文化研究部会の役員を務める。
2020年秋から社会人大学生(文学部)に。
本業は川崎フロンターレのサポーター。

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