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コラム

江戸時代から大人気⁉︎「揚げ出し大根」がほっこり美味

【ほっこり江戸ごはんvol.9】江戸好きが高じて、地毛で「ちょんまげ」まで結ってしまった江戸マニアの伊尾木将之さんに、江戸時代のレシピとともにほっこりエピソードを教えてもらいます。今回は、旬の大根を使った味わい深い一品です。

おはようございます、こんにちは、こんばんは。 江戸時代が大好きで江戸の食文化を研究している伊尾木と言います。

今年の9月くらいからずっと江戸時代のご飯しか食べないようにしてるんですが、そのせいなのか、最近体が徐々に痩せてきている感じがします。劇的に痩せたっ!というわけではないんですが。 玄米の量はそんなに多く食べていないので、1日の食事カロリーが1600キロカロリーくらいになっていて、確かに痩せそうです。ただし、和菓子をいっぱい食べてしまうので、そんなに痩せませんよね...

さて、そんな個人的な話はおいておいて、今回紹介するのは「揚げ出し大根」という料理です。 大根をそのままあげてしまったシンプルで、ほっこりする一品です。

作り方

作り方は本当にシンプルで、大根を半分に切って揚げるだけです。ちなみに、現代ではこういう調理を素揚げと呼びますが、江戸時代は「揚げ出し」と言っていたようです。

まず、皮をむいて、半分に切り、水気を切っておきます。

低めの温度(170度くらい)で中まで火が通るように、じっくり揚げます。

竹串がすっと通るようになったら完了です!

温かい大根に醤油をかけて、お好みで上から大根おろし、唐辛子をのせたら、完成です!

江戸のほっこり話

大根は日本の野菜の中で消費量がトップで、しかも世界的にも日本の消費量はトップなんだそうです[1]。
江戸時代も大根は、とても人気の高い野菜で専門の料理本が2冊も出版されるほどでした(大根一式料理秘密箱と諸国名産大根料理秘伝抄)。 また、江戸時代のご飯は三白と言われていて、「白米」「豆腐」「大根」といった白いものがよく食べられていました。当時の人気の江戸みやげは練馬だいこんなどの「種(たね)」だったりもします。

ちなみに、農民だけでなく武士も大根を育てていて、江戸時代のイクメン侍の日記の「柏崎日記」には250本も大根の漬物を作ったと自慢げに書いています。

今も昔も日本の食卓には大根が登場するんですね。

参考文献 [1] 大阪本場青果卸売協同組合
https://www.osakahonjou.com/shun/2005111.htm
※2021/11/29閲覧

伊尾木将之

大阪出身のうさぎ好き。修士までは物理を学び、博士課程で情報系に進むも撃沈。現在はクックパッドでエンジニアをしながら、食文化を研究している。
日本家政学会 食文化研究部会の役員を務める。
2020年秋から社会人大学生(文学部)に。
本業は川崎フロンターレのサポーター。

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