【料理研究家が教える作りおきのコツ】毎日のごはんはラクにおいしくしたいけど、忙しくてなかなか難しい……。そんな方におすすめするのが「作りおき」。でも、どこから始めたらいいの?という方に、作りおきのプロで料理研究家・鈴木美鈴さんが、これを知っていればできる! 「作りおきのコツ」をお届けします。普段の献立にも役立ちそうな調理法や手順などのアイデアも必見です。
クリスマスが終われば、すぐにお正月がやってきます。せっかくのハレの日。今年は手作りおせちに挑戦しようと思っている人もいるかもしれませんね。そこで今回は、作りおきの達人・料理研究家の鈴木美鈴さんに、はじめてでも簡単にできる「おせち」の作りおき術を教えてもらいました。
いざおせちを作ろうというときに悩むのがメニュー決め。鈴木さんにおせち初心者におすすめのメニューを伺いました。
「まずは定番のものから始めましょう。伊達巻、栗きんとん、かずのこ、煮しめが、比較的短時間でできて、作りやすいですよ」(鈴木さん)
それではそれぞれのメニュー別に、段取りを詳しくご紹介していきたいと思います。
1.お正月1週間前〜:伊達巻と栗きんとん
まず最初に取り掛かるのは、甘くて子どもも好きな伊達巻と栗きんとん!
「どちらも冷凍保存が可能なので、1週間前ぐらいに作り、ラップに包んでジッパー付き保存袋に入れて冷凍します。冷凍期間は約3週間ぐらい。解凍には半日~1日掛かるので、30日には冷蔵庫に移して自然解凍します」(鈴木さん)
2.12月29日:数の子
2番目に取り掛かるのは、コリコリとした食感がおいしい数の子。
「できあがるまで数日かかるため、まずは数の子の塩抜きから始めます。塩抜きができたら味付けを。数の子は冷蔵庫で約5日、日持ちしますので、29日から塩抜きを始めるのがベストです」(鈴木さん)
3.12月30日:煮しめ
これ抜きには語れない!煮しめは最後に取り掛かりましょう。
「冷蔵庫で約3日ぐらい保存できるので、30日ぐらいに作るがオススメです」(鈴木さん)
頑張って作ったおせち、せっかくならきれいに盛り付けたいですよね。鈴木さんに、気分が上がるおせちの盛りつけテクも聞いてみました。
「おせちと言えばお重に詰めるものと思いがちですが、最近はお重を持っていない方も多いようです。そんな方にオススメなのが、ワンプレートにまとめるテクニック。
大きめのお皿に盛り付けるときは、まず煮しめを小鉢などに入れて真ん中に置きます。それからお皿を縁取るように間隔をあけて、少しづつ盛り付けていきましょう。お飾りがあれば、真ん中の煮しめの辺りに飾ってあげるとよりお正月らしさが出ますよ」(鈴木さん)
最後に、今年初めておせちに挑戦する! という方へ鈴木さんからメッセージをいただきましたのでご紹介します。
「はじめてのおせち作りは、つい気合が入りすぎてしまうもの。それでなくても忙しい師走に、疲れきってしまっては、元も子もありません。好きな音楽でも聴きながら、リラックスして作りましょう。
最初からすべて手作りしようと思わず、1品でも心を込めて作ることが大切です。手作りの物は2~3品ぐらいにし、後はスーパーなどで手に入る市販品を上手に取り入れるなどして、楽しくおせち作りをしてください」(鈴木さん)
自分が楽しめる範囲でおせちを準備しておけば、お正月には盛り付けるだけ。ゆったりとした気分で、ステキなお正月をお迎え下さい。
※ メイン写真は記事をイメージして選定させていただきました
画像提供:Adobe Stock
保存状況により、保存期間は異なりますので、なるべく早く食べきりましょう。
- 冷蔵庫で保存…常温での保存は避ける
- 清潔な保存容器を使用する…水滴や汚れは腐敗の原因に
- 取り分け用の清潔なスプーンなどで取り出す…口に直接入れるスプーンや手でさわるのはNG
- 作った日付を記しておく
- 冷蔵の場合は、2〜3日を目安に早めに食べきる
料理研究家。トータルフードコーディネーター。クックパッド公式アンバサダー。作りおき・お弁当を得意とし、素材の味を大切に心と身体にやさしい家庭料理を考案、発信している。ウェブ・雑誌・企業へのレシピ掲載をはじめ、数々の料理コンテストにて受賞歴あり。著書に『盛るだけ つめるだけ 毎日かんたん 作りおき おかず』(オーバーラップ)。クックパッドにも絶賛投稿中♪
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