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インタビュー

まずは“味噌汁”から始めよう。学生時代→60代まで太らない医師に聞く、やせやすい体になる「たんぱく質」の摂り方

数々のメディアで活躍中の医師・小林弘幸先生は、45年間ずっと体重63㎏をキープしているそう。その秘訣は「たんぱく質」。高たんぱく、低カロリーな食生活は、やせ体質に近づく一番の近道だと言います。新刊『たんぱく質ダイエット』を著した先生に、たんぱく質のすごい力をインタビューしました。

やせ体質を作る秘訣は「たんぱく質」

体重を減らしたいなら、たんぱく質中心の生活を送ることが重要です。私は学生時代から61歳の現在にいたるまで、体重が変化していません。なぜだろう? と思ったとき、たんぱく質が中心の食生活をしていることに気づきました。たんぱく質を摂ると太ると思っている人がいますが、それは大間違い。むしろ、高たんぱく・低カロリーの食生活はやせ体質を作る最も効率的な方法です。

ここがすごい!たんぱく質の魅力

やせるためには「体の基礎代謝」を高めることが大切といわれていますが、基礎代謝は年齢とともに衰えていきます。そのため、“燃費の悪いやせにくい体”ができてしまうわけです。そこで必要になってくるのが「たんぱく質」。たんぱく質をしっかり摂っていれば、基礎代謝を高める筋肉を作ることができ、やせやすい体を作ることができます。さらに、たんぱく質を摂るとその栄養が皮膚、神経にもしっかり行き渡るので、同じやせるにしても健康に美しくやせることができます。

たんぱく質にはやせやすい体を作る以外にも、脳の活性化や疲労回復効果もあります。たんぱく質に含まれるトリプトファンは幸福ホルモンのセロトニンを増やすといわれていて、ストレス回避にもよいといわれています。そのほか、美肌効果もあるんですよ。反対に、たんぱく質の少ない食事をしていると肌ツヤがなくなったり、シワが増えやすくなるので気をつけてください。

お手軽!たんぱく質+味噌汁で良い体を作る

1日のたんぱく質の摂取目安は「体重×1g」。一般男性ならおよそ60g、女性で50gの摂取が推奨されています。しかし、足りていない方が多数いるのが実情。そこでおすすめなのが「味噌汁」です。味噌汁は栄養豊富で優秀な料理。発酵食品の味噌で腸内環境を整え、代謝の良い体を作るのに役立ちます。

おすすめの「味噌汁」具材

・ソーセージ

1.鍋に水150ml、くし形切りのかぶ、小口切りにしたソーセージを入れて、2、3分煮る。
2.カブの葉を加えて火を止め、味噌を溶かす。お好みでこしょうを振って出来上がり。

そのほかに、こんな具材もおすすめ

・鯖缶/ツナ缶

鯖缶やツナ缶には良質なたんぱく質が豊富に含まれています。鯖缶は脂質含量が少なめのもの、ツナ缶はノンオイルのものを選びましょう。アレンジも自在ですし、ストックもできるのでおすすめです。

・納豆&卵

納豆や卵を入れると、さらにたんぱく質の量がアップします。

意識したい!ダイエット中の食事術

やせやすい体を作りたいなら、朝昼夕をしっかり食べることが大切です。1日1食なんて論外。ただし、すべて腹一杯に食べればいいというわけではありません。朝食をしっかり食べたら、昼は軽め、夜は朝と同じか少し少なめの腹七分目くらいが適量。大切なのは全体のバランスです。

朝は「シリアル+牛乳」が最強

朝はまず起床後にコップ1杯の水を飲んで、便通習慣をつけるようにしましょう。そして、朝食は起きてから1時間半以内に食べるのがポイントです。僕のおすすめは、洋食ならシリアルや牛乳、ソーセージ。和食なら納豆ごはんや豆腐の味噌汁、卵焼きなどです。

特に「牛乳」は究極の栄養素といわれていて、良質なたんぱく質を手軽にとることができます。脂質が多いという理由で牛乳を避けている人がいますが、過度に摂取しない限り体への負担はありません。牛乳を飲むと下痢をしてしまう乳糖不耐の方以外は、1日1杯を目安に飲むことをおすすめします。

私はいつも朝食で、シリアルに牛乳をかけて食べています。シリアルと牛乳を一緒に摂ることで、食物繊維、たんぱく質を同時に摂取できて、朝に最適なんです。それに目玉焼きとソーセージ、サラダをつけたら完璧! ソーセージの適度な脂質もエネルギー源になるので、食べても大丈夫ですよ。

昼食は“食物繊維”を意識する

朝にしっかり炭水化物、たんぱく質、脂質を摂ったら、昼は食物繊維を多めに摂ることを心がけましょう。 摂取目安は、成人男性は1日20g以上、女性は18g以上。雑穀類や海藻、豆、根菜に含まれる水溶性食物繊維は腸内環境を良くしてくれて、腸内のやせ菌を活性化させてくれる役割もあります。食べ物から食物繊維を摂取するのが難しいという人は、サプリメントを活用するのもひとつの手です。

夕食は腹七分目にする

夕飯は寝る3時間前に終わっていることが大事。また、食べる量は腹七分目にしてください。夕方以降は活動量や代謝が下がっていくため、食べすぎるとそのまま脂肪として細胞に取り込まれてしまいます。物足りなさを感じる場合は、肉や魚介、卵などの動物性のたんぱく質中心のメニューに切り替えれば腹持ちがよく、無理なく食事量を抑えることができます。

ダイエッターが陥りがち!気をつけるべき生活習慣

ストレスはダイエットの大敵

やせたいからといって食べる量を極端に減らす人がいますが、それはNG。 食事に関してストレスを感じると逆に太ります。朝食べてお昼は軽くして、夕飯は早めに食べて腹七分目にすれば、デザートを食べても問題ありません。食事を楽しまないと幸せホルモンの「オキシトシン」が出ませんオキシトシンには脂肪を融解する作用もあるので、食事を楽しむことはとても大事ですよ。

生理前の食欲増加も恐れないで!

女性の場合はホルモンの関係で月経前にイライラしたり、暴飲暴食してしまう人がいますが、前後で調整をすればよいと思います。例えば、食事の前に無糖の炭酸水を2杯飲むと満腹中枢が働いて、生理前の女性でも食欲を抑えることができますよ。食べ過ぎてしまった場合も、その後に食事量を調整すれば大丈夫。

しっかり噛んでやせ体質に

食べるときはしっかり噛んで食事の時間を長くしましょう。噛む回数を数えながら食べるよりも、今まで15分で食べていた人は、20分、30分と時間を延ばすことを意識してみるといいですよ。噛むと唾液が出て免疫力が高まりますし、消化吸収もよくなります。

ジムに行かなくてもOK!歩くだけで運動になる

たんぱく質はただ摂取するだけでなく、あわせて軽い運動を行うと筋肉を効率的に増やすことができます。運動不足になる→筋肉量が減る→基礎代謝が低下する→太りやすくなる、この悪循環を断ち切るためにも適度な運動は欠かせません。とはいえ、わざわざジムに通う必要は全くなく、散歩がてらにウォーキングしたり、駅などで階段を使うようにするだけでOK。リモートワークになって家で仕事している人は30分歩くといいですよ。

小林先生からダイエットに悩む方にメッセージ

ただやせれば良いというものではなく、せっかくなら健康的にやせていきたいですよね。そのためには、我慢は禁物。健康に良いからといっておいしくない食事を食べ続けても、ストレスが溜まる一方です。意識すべきは朝昼夕の食べ方。何もかも抑えるのではなく、とにかく原点に帰って食事を楽しんでください。良質なたんぱく質をきちんと摂れば、しっかり食べてもやせやすい体づくりができますよ。

たんぱく質ダイエット - お腹いっぱい食べても太らない医師が発案した』(ワニブックス

取材協力:小林弘幸(こばやし ひろゆき)

順天堂大学医学部教授/日本スポーツ協会公認スポーツドクター
1960年、埼玉県生まれ。順天堂大学医学部卒業。同大学大学院医学研究科修了後、ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属医学研究センター、アイルランド国立小児病院外科、順天堂大学小児外科講師・助教授など経て、現在に至る。腸内環境を整える〝腸のスペシャリスト〟として、食材やライフスタイルの考案など、健康な心と体の作り方を提案し続けている。また、自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手、アーティスト、文化人へのコンディショニング、パフォーマンス向上指導に関わる。『結局、自律神経がすべて解決してくれる』、『医者が考案した「長生きみそ汁」』(アスコム)、『整える習慣』(日経BP)などの著書のほか、「世界一受けたい授業」(日本テレビ)や「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」(TBSテレビ)などメディア出演も多数。