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インタビュー

【梅講師直伝】簡単ジッパー袋漬け!人気の減塩&甘めの「梅干し」を漬ける絶妙の配合とは

今年も、梅仕事の時期がやってきました。ここ数年、ジッパー付き袋で作る「袋漬けの梅干し」が人気です。手間ひまがかかりそうなイメージだった梅干し作りですが、袋漬けで作れば手軽で失敗知らず! 今年こそ、梅干し作りに挑戦してみたい! と考えている方のために、人気の減塩梅干しや甘めの梅干しを失敗せずに作る方法を、梅講師の梅ミッキーさんに教えていただきました。

塩抜きの工程がなく簡単に作れる減塩梅干し

――「袋漬けの梅干し」作りが流行っていますが、最近人気の自家製の梅干しはどのようなものが多いですか?

ここ数年は、健康志向で減塩タイプ、そして甘めの梅干しを好まれる方が多い印象です。実際、スーパーの棚に並んでいる梅干しも、減塩タイプのものが増えています。私が実施している梅の講習会に参加される方からも、ご家族が高血圧だから減塩タイプのものを作りたいとか、お子さんが甘い梅干しが好きだからというお話をよく聞くようになりました。

――梅ミッキーさんのレシピには塩分5%のものがありますが、このレシピはそのような声から生まれたのでしょうか。

昔ながらのレシピでは、塩分18%の濃い塩分で梅干しを作ります。それを塩抜きをしたり、甘く味付けしてお好みのものを作っている方がいると知りました。ただ、塩抜きをすると香りも旨味も抜けてしまって勿体ないんですよね。それならば最初から低塩で漬けて、塩抜きの工程がなく簡単に作れるレシピを広められたら、多くの方に喜んでいただけるのでは? と思い作ったレシピです。

塩分5%の梅干し

塩分5%で、更に氷砂糖を活用した甘みのある梅干し

――塩分5%レシピには、“カビの心配不要”とありますが、低塩でもカビが発生しない秘訣を教えてください。

塩分5%のレシピ、デザート梅干しのレシピ共に、一般的なものよりも、アルコール(梅酒作りに使用するホワイトリカー=焼酎)を多めに使用しています。アルコール多めと聞くと、お酒臭い梅干しにならないかというご質問をいただくのですが、天日干しをすることでアルコールは蒸発するので大丈夫なんです。デザート梅干しには糖分が入るので、より、カビて失敗しやすいのでは? と思われるのですが、最初から氷砂糖を一緒に漬け込むことで、これを回避しました。先に梅ジュースを仕込んだ方は、残った氷砂糖をこのレシピに無駄なく使えるので、ご好評いただいています。

氷砂糖の力が梅のエキスを引き出す

――後から糖分を加えるのではなく、梅に塩をまぶしたタイミングで氷砂糖も一緒に漬けていますが、このプロセスにすることの効果を具体的に教えてください。

最初から氷砂糖を入れるのは、氷砂糖の力が梅のエキスを引き出すからです。梅干し作りでは、漬けはじめてから2~3日の間に、いかに梅酢を早く上げるかが、カビを生えせず上手に漬けるポイントとなります。最も梅酢を早く上げるには、完熟している梅+高い塩分(前出なら18%)で漬ければOK。塩の力で梅からエキスを出しているのです。ただ、塩分を最初から低くしたい場合、氷砂糖の力も借りて、梅からエキスを引き出すのがベストだと考えました。感覚と数字で誕生した、近未来的な梅干しレシピな気がしています(笑)。

デザート梅干しでは、氷砂糖の力をうまく活用しています

――すごく細やかな作り方なので、自家製に向いているレシピですね。

はい。繊細なレシピなので、おうちで少量から愛情込めて漬けるのには、最適だと思います。結果的に、作業工程もすごくラクになったので、自信のない方にもおすすめのですよ。

完熟梅を上手に使う

――レシピを見ると、「完熟梅で作る」とありますが、完熟で作る理由や、完熟の見極め方、熟成させる方法などがあれば教えてください。

完熟梅で漬けると、漬けはじめは梅のエキスが上がりやすくカビにくいんです。それに、なんといっても、仕上がりは皮が柔らかくてふわふわな梅干しになりやすいです。梅を買う時には、既に黄色くなっているものを選んでいただくのが良いと思います。青い状態のものしかなくても、買って3日ほど追熟すれば大丈夫です。熟すのにも個体差があるので、早く熟したものだけ取り分けて冷蔵庫で保存しておくといいですよ。

このくらい黄色く熟した状態が梅干しの漬け頃です

また、梅干しを漬けるための梅の見極めについては昨年の記事でもお話しているので、ぜひこちらも参照してくださいね。

――梅仕事シーズン到来ですが、梅仕事のポイントを教えてください。

梅仕事のはじまりは、ドリンク作り(梅酒、梅ドリンク、梅サワー等)からがおすすめです。そして、後半は、梅干しやジャム、甘露煮作りに挑戦してみてください。梅は、旬の時期後半に少し色付いた梅を購入して、更に追熟させて使用するとおいしく仕上がります。 梅が出始めたばかりの頃に、『青々とした緑色(ドリンク向け)』の梅を追熟させようとしても、時間がかかるわりに、うまく黄色に染まらなかったりいろいろと大変です。 梅仕事は、シーズンを通して楽しみ方が変わっていくので(カレンダーで示せるくらいわかりやすく変わっていきます)、それを知ると、更に楽しめて満喫できると思います。

(TEXT:上原かほり)

梅ミッキーさん

梅講師を初めて18年目。梅のシーズンは毎年大忙しで、店頭やメディアを通して多くの方に梅しごとの楽しさを伝授しています。梅酒や梅干しの漬け方はもちろんのこと、梅素材を使ったお菓子やお料理のレシピも紹介中。栄養士やフードコーディネーターの資格もあり、普段の食卓のコーディネートも得意。クックパッドアンバサダー2022としても活躍中。

クックパッドのキッチン:梅ミッキーのキッチン
Instagramアカウント:umemickey_kitchen

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