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コラム

パエリアも絶品に!?スペインの人気レシピ作者が、日本の“出汁パック“を使ってみた!

クックパッドスペインの人気レシピ作者・テサさんは、魚介が豊富に採れるスペインのバレンシア在住。普段から出汁を取って料理するのが大好きなのだそう。 日本の料理にも興味を持っている彼女に、和風の「出汁パック」を渡してみたらどうなるのか⁉︎自由に料理を作って、感想を聞かせてもらいました。

スペイン人のテサさんが、日本の"出汁パック"を使ってみた!

私はクックパッドスペインを愛用しているテサといいます。 魚介が豊富に採れるバレンシアに住んでいるので、普段から魚介のストック(西洋だし)を使って料理をするのが大好きです。

先日、日本に行ってきた友人から和風の「出汁パック」というものをお土産にもらったので、早速使ってみました。

日本の出汁パックで作る!「パエリア」とは

まずは大好きな「パエリア」作ってみました。これを食べた夫は、「いつもの自家製のだしで作ったときと味が変わらない!」と言っていましたよ。日本の出汁パックはスペインの魚介の出汁の代用品として使えるし、もちろん魚介の出汁をとるよりずっと簡単に作れて便利ですね

具体的な作り方をご紹介します。

<材料>
・オリーブオイル(エキストラバージン)…200cc〜
・塩…適量
・たまねぎのみじん切り…1個分

・有頭エビ(ヒゲを切っておく)…5尾
・ムール貝(あれば)…5つ
・イカ(ひと口大に切る)…300g
・マッシュルーム(スライスしておく)…7個
・ニンニク(つぶしておく)…1かけ
・パプリカパウダー…小さじ1
・トマトのすりおろし…1/2個分
・米…1カップ
・魚介の出汁(日本の出汁パックで取ったもの)…300cc
・お好みでハーブ類…適量

<作り方>
1.パエリアパンまたは大きめのフライパンにオリーブオイル(後で追加する50cc程は別に取り分けておく)と塩を入れ、たまねぎを加えて炒める。

2.たまねぎがしんなりしたら一旦フライパンの端に寄せ、エビを加えて両面に焼き目をつける。そして一旦エビを取り出しておく。

3.同じフライパンにムール貝とイカを加えて炒める。ムール貝は開いたら取り出し、次にマッシュルームを加えて炒める。

4.イカとマッシュルームを端に寄せ、1で取り分けておいたオリーブオイルを追加。ここにつぶしたにんにくとパプリカパウダーを加え、さらにトマトも加えて混ぜる。

5.を煮ている間に、別の鍋で出汁を取り、300cc用意する。

テサさんが実際に使った出汁パック

6.4の具材を端に寄せて中央を空け、足りなければ更にオリーブオイルを足して米を加えて炒める。

7.5の出汁を熱々の状態で6に注ぎ、混ぜます。その上に、取り出しておいたエビとムール貝を並べて中火〜強火で5分ほど待ちます。その後、蓋をして弱火にし、更に8分煮る。

8.蓋を外し、オリーブオイルを回しかけて更に4分ほど待つ。ここで底に焼き目を作るようにする。

9.最後に火を止めて、キッチンペーパーを被せて3~4分休ませれば出来上がり。

【テサさんがスペイン版クックパッドに投稿してくださったオリジナルレシピはこちら】
Paella de marisco en sartén, con caldo dashi, paso a paso

そしてこの出汁パックは、パスタを作るときにベースの出汁として使うのも良いですね。最近、スモークサーモンとマグロを使ったシーフードパスタを作ったのですが、茹でるときにパスタのお湯に出汁パックを入れてみたらとてもおいしかったんです。また、スペインで私たちが普段作っている魚介の煮込み料理やスープなどにも、この日本の出汁パックを使うことができそうです。

手に入る食材で、普通に作れる「パエリア」

日本の皆さんからするとパエリアは特別なご馳走のように思われるかもしれませんが、スペインでは普通の家庭料理です。私は母から教わったことをベースに、長年パエリアを作ってきました。 お米を使ったもの、 フィデウア(Fideuà)と呼ばれるパスタの麺を使ったパエリアなど、いろいろな種類のものを作ります。材料もさまざまで、例えば魚のパエリアは魚の出汁をベースにして具材もシーフードで、肉のパエリアでは肉系の出汁を使い、具材は肉団子か鶏肉にします。

麺を使ったフィデウアには、魚の出汁とシーフードの具材が合います。そのシーフードも、イカ、エビ、アンコウ、ザリガニなど、市場に買い物に行ったときに出会えるものを好きなように選べば良いんですよ。

こちらは魚介を具材にしたフィデウアを作っている様子

パエリアは、たくさんの人を招待した時に出すのにもぴったりです。満足感があって、おいしいので、みんなでシェアするのに最適な料理だと思います。パエリアとフレッシュなサラダがあれば、みんなに喜ばれる満腹メニューができあがります。

自分と夫のためだけに作るときは、4人前ほどの少なめの分量で作り、翌日温めてまたランチに食べます。パエリアは残っても冷蔵庫に保存して翌日食べることもできますし、冷凍保存して後日使ってもOK。私はいつも必要以上にパエリアを作ってしまうことが多いのですが、これは母がよく言っていた「足りないより多すぎる方がいい」という言葉に影響されているのかもしれません(笑)

人が集まる時は、こんな風にたっぷり作ります!

日本文化がテサさんのパエリアに与えた、意外な影響⁉︎

私が最初に日本に興味を持ったのは、まだ学生だった1967〜68年にスペインのバリャドリッドにある寄宿学校に通っていた時です。日本から来た2人の留学生と親しくなり、彼女たちから日本の文化、芸術、考え方を教わりました。着物を着付けてくれたり、生け花を教わったのは素敵な思い出なんですよ。

日本の友人と生け花を楽しむ若き日のテサさん

彼女たちから"日本の古来の文化では奇数のものが美しいとされている"と聞き、私は今でもパエリアの具材は奇数を飾るようにしています。そんな日本の文化を教えてくれたトシコさんとナタリア・イワタさん、元気にしているでしょうか。また会いたいですね。

今回の出汁パックとの出会いよりもずっと前から、テサさんのパエリアには日本の文化が活かされていたのですね。こうして考えると、スペインと日本の食文化は意外と馴染みが良いのかもしれません。 テサさんの作るスペインの味は、日本の皆さんにもきっと気に入っていただけるでしょう。

また、クックパッドスペインにはテサさんの他にも素敵なレシピ作者さんのおいしいレシピが満載ですので、ぜひのぞいてみてくださいね。

テサさんのキッチン/@tesa.cuina(スペイン語) https://cookpad.com/es/perfil/12502764

クックパッドスペイン
https://cookpad.com/es

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