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コラム

本当においしい焼き方は?喉に詰まる食べ方してない?創業70年超えの包装餅メーカーが直伝「お餅のあれこれ」

お正月に欠かせないお餅。これからの時期、お餅を食べる時期が続くと思います。何気なく食べているかもしれませんが、本当においしい焼き方・食べ方を知っていますか? 喉に詰まらせる食べ方をしていませんか?「サトウの切り餅」でお馴染みのサトウ食品株式会社の浅川 梨乃さんに、メーカーが教える餅の食べ方を教えていただきました。

お餅をおいしく焼く方法は?

――さっそくですが、お餅をおいしく焼く方法を教えてください。

切り餅のパッケージの裏面にも書いてあるのですが、“おいしい焼き方”ということであれば、オーブントースターで焼くのがおすすめです。お餅の表面に焼き色がつくまで3~4分焼き、そのまま2分扉を開けずにおいていただくと、ふっくらとしたお餅が焼きあがります。余熱をしっかり通すという過程が、おいしく焼くための重要なポイントです。

――お餅がオーブントースターにくっついてしまったという経験をしたことがあるのですが……。

オーブントースターで焼くとくっついてしまう原因は、お餅が焼ける過程で均等に熱が伝わらず“いびつ”に膨らんでしまうためです。そこで当社では、おいしく・きれいにお餅が焼けるように餅上面に十字のスリット(パリッとスリット)を入れています。そうすることで、均等に熱が伝わり“いびつ”な形にならず、餅の中身が飛び出さないほか、「外はパリッと、中はもちもち」になるので、簡単においしいお餅をお召し上がりいただけます。また、スリットが入っていることで、お子様や女性でも手で簡単に2~4分割できるため、様々な料理にもお使いいただけることもメリットです。

――オーブントースターがない場合、それ以外においしく焼く方法はありますか?

フライパンやホットプレートでもおいしく焼くことができます。ホットプレートは、じっくり熱を加えながら焼くので、とてもおいしく焼きあがります。ほかには七輪がありますが、熱が均等に入りにくく、きれいに焼くことが一番難しいです。また、水を入れた耐熱容器の中に切り餅を入れて、電子レンジで2分ほど温めていただく方法もあります。これは煮るイメージですが、簡単に熱を通すことができますし、忙しい方にはおすすめの方法です。

メーカーがおすすめするおいしいレシピ

――サトウ食品がおすすめする「おいしいお餅の食べ方」を教えてください。

お正月、みなさんはお雑煮としてお餅を食べると思いますが、他にもいろいろとおいしい食べ方ができる食材です。当社のホームページで紹介しているレシピですが、この2つは手軽にできて本当においしいです。ご家族も喜んで食べてくれると思います。

いなり餅

材料(2人分)

サトウの切り餅パリッとスリット…4コ
いなり寿司用油揚げ…4枚
紅しょうが…20g

作り方

1.餅をいなり寿司用の油揚げに詰める。
2.電子レンジで餅が膨れる程度加熱する。
3.皿に盛って紅しょうがを添える。

三色揚げ餅

材料(2人分)

サトウの切り餅パリッとスリット…3個
■ のり味
青のり 小さじ1と1/2
■ カレー味
カレー粉…小さじ1/4
マヨネーズ…大さじ1
■ ごましお味
いりごま(黒)…小さじ1
塩…小さじ1/4

作り方

1.各味の材料をそれぞれボウルに入れて混ぜ合わせておく。
2.餅を包丁で1個を12等分になるように切る。
3.170〜180℃の油で2.をカラッと揚げる。
4.揚げたての餅を、熱いうちに1.のボウルに入れてそれぞれ絡める。

お餅を喉に詰まらせないために

――お正月になると、お餅を喉に詰まらせたというニュースを見るのですが、喉に詰まらせないために気をつけるべきことや、詰まらせにくい食べ方があれば教えてください。

気をつけていただきたいことは3点です。
1.餅はあらかじめ小さく切って、咀嚼しやすい大きさにして食べること。
2.急いで飲み込まない。しっかり噛んでから飲み込むこと。
3.食事の際、お水や熱くないお茶をそばに置いておく。食べる前にも喉を湿らせておくこと。

私たちも、お正月の悲しい事故を減らしたいという思いがあるので、お餅を食べていただく際は上記のことを意識していただけるとうれしいです。

賞味期限が「2年」もあるって知ってた?

――サトウ食品が発売している餅が他社と異なる部分を教えてください。

当社のお餅は、良質な国内産もち米を使用し、杵を臼でつき上げる独自の「杵つき製法」で製造しているので、よく伸びてコシのあるお餅を味わっていただけます。また、添加物、保存料も入っていないので安心してお召し上がりいただけます。

――保存料を使っていないんですか? でも、サトウの切り餅は賞味期限が長いですよね?

当社餅商品は、保存料を一切使用しておらず、「もち米」と「水」のみで製造しています。なぜ賞味期限が「2年間(一部商品除く)」と長持ちするのかと言うと、工場の無菌ルームで製造・包装していることももちろん挙げられますが、実は、餅を個包装している「ながモチフィルム」に秘密があります。

――ながモチフィルムだと、なぜそんなに長期保存ができるのでしょうか。

「ながモチフィルム」は、個包装フィルム内側の酸素を吸収しながら、外側からの酸素侵入を防ぐ特殊なフィルムです。これによって、フィルムの機能性が上がり、水分保持性も高まるため、2年間の長期保存ができるようになりました。ですので、「ながモチフィルム」によって、つきたての餅の風味や、つきたてのもっちり感も長持ちします。

――普段、何気なく商品を見たり買ったりしていましたが、おいしく食べられる工夫がたくさんされているのですね。最後にクックパッドニュース読者にメッセージがあればお願いします。

お餅と言えばお正月というイメージがあると思いますが、お餅は1年中楽しんでいただける食材です。お話したように、お正月用に買っていただいたサトウの切り餅は2年後まで賞味期限がありますので、お正月の間に一生懸命消費していただかなくても、いつでもおいしく召し上がっていただけるとうれしいです。 日持ちがして、カロリーが取れて健康的な食材としてご自宅にストックしておいていただければ、おやつやおつまみにも活用できます。 ぜひ、おいしいお餅を1年中味わっていただければと思います。

(TEXT:上原かほり)

取材協力

サトウ食品株式会社 

話し手:経営戦略部 浅川 梨乃

餅業界で初めて餅を一切れ一切れ無菌化包装する技術を開発し、1983年に業界初となる生餅を個包装にした「サトウの切り餅/まる餅 つきたてシングルパック」を発売。お客さまがいつでも食べたい時に、食べたい量だけ召し上がっていただけるなどの利便性を実現した。現在は、個包装に酸素吸収機能を持つ「ながモチフィルム」を採用し、餅上面にスリットが入った「サトウの切り餅/まる餅 パリッとスリット」を販売している。さらに、餅製造で培った無菌化包装の技術を駆使し、製造工程の自動化等を実現。微生物の混入を防ぎ、炊き立てのごはんをそのままパックし、常温で1年間保存可能な「サトウのごはん」を開発した。従来の家族構成が変化し、核家族世代や単身者の増加、高齢化社会の進展等国民生活の変容に伴う食生活の個食化がますます進むような時代背景の中で、お客さまの利便性を 追求した事業展開を図っている。

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