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コラム

痩せ体質は腸から作る!「やせ菌」を増やす賢い食事術

痩せにくい、体の不調…「菌不足」が原因かも!?

長引くコロナ禍で生活様式が変化し、体重の増加や心身の不調を訴える人が増えています。「なんだかしんどい」「痩せにくくなった」…そんな原因の一つとして考えられているのが、腸内環境の乱れ

腸活に詳しい内科医の工藤あき先生は、「腸内環境を整えて、健康で痩せやすい体質をつくるには、ビフィズス菌や乳酸菌などの有用菌を意識すべき」と指摘しています。

脂肪燃焼を助ける“やせ菌”って?

通常、腸内細菌は食べ物を分解するときにさまざまな物質を生みます。中でも、脂肪の燃焼を助けるなどの効果がある短鎖脂肪酸 (酢酸や酪酸など)を生み出すのが、有用菌のひとつである「バクテロイデス門」。

つまり、バクテロイデス門は体を痩せやすい状態に導く“やせ菌”であり、腸内にバクテロイデス門を増やしておくことが痩せ体質への近道になると考えられています。

“やせ菌”を増やすには?

では、バクテロイデス門などの有用菌を腸内に増やすためにはどうしたらいいのでしょうか。ヨーグルトや納豆などの有用菌を多く含む食品から取り入れる方法もありますが、工藤先生曰く、体の外から摂取しても有用菌は腸の中に定着せず、便として体外に排出されてしまうそう。そのため一番効果的なのは、腸内に存在している有用菌を育て、増やしていく方法です。

有用菌を育てるためのエサとなるのが、食物繊維やフラクトオリゴ糖。特に注目したいのが、バナナやモモ、玉ねぎ、ゴボウなどに含まれているフラクトオリゴ糖で、バクテロイデス門やビフィズス菌などの有用菌を増やす働きや整腸作用、ミネラルの吸収促進や免疫改善など、さまざまな作用が認められています。フラクトオリゴ糖を摂取することで痩せ体質に近づけるのなら、積極的に生活に取り入れたいですよね。

“やせ菌”を育てる「フラクトオリゴ糖」摂り方のポイント

気になるのが、フラクトオリゴ糖の摂取目安や摂り方のコツですよね。フラクトオリゴ糖は1日1g摂取することで腸内環境が改善、1日3gで整腸作用があるそう。

工藤先生のおすすめの摂取方法は、ヨーグルトや味噌などの有用菌が含まれてる食材と、バナナや桃、玉ねぎやごぼうなどのフラクトオリゴ糖の含まれている食材をセットで取り入れること。そうすることで、ヨーグルトなどからとり込んだ有用菌を増やす作用も期待できます。

また、市販されている粉末のフラクトオリゴ糖を取り入れるのも賢い手段です。フラクトオリゴ糖は同量の砂糖に比べてマイルドな甘さで、かつ難消化性で低カロリー。「フラクトオリゴ糖をいつもの砂糖に置き換えてみるだけでもOK」、と工藤先生。先生も毎日ヨーグルトにフラクトオリゴ糖をかけて食べているそうですよ!

せっかく腸内に自前の有用菌がいるのに十分に作用していなかったり、数が少ないことで腸内環境が悪化していたら残念ですよね。今回ご紹介した方法なら、フラクトオリゴ糖を毎日の食習慣に無理なく取り入れられ、しっかり継続できそうです。一年を振り返り、新たな気持ちでスタートを切る年末年始、フラクトオリゴ糖を意識して、2023年は痩せ体質を目指してみませんか?

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(TEXT:小菅祥江)

監修:工藤あき(くどう・あき)

みやま市工藤内科。一般内料として地域医療に真献する一方、消化器内科医として腸内細菌・腸内フローラに精通。腸活✕菌活を活かした美肌・エイジング治療にも力を注ぐ。NHK 『ひるまえほっと』、フジテレビ『ホンマでっか!?TV』などのテレビ番組、書箱、雑誌などメディア出演も多数。日本消化器病学会専門医・日本消化器内視鏡学会専門医。

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